安定の覚えていない

なんとなくしか覚えてなかったので、見てみた

鍵泥棒のメソッド


評価も高い作品で、見事な伏線回収でスッキリ終わる作品の一つとして知られている。
コメディ要素もありつつ、先の読めない展開に翻弄される作品。


あらすじ――――――――――(自分用)

水嶋香苗(広末涼子)は雑誌の編集長なのだが、業務連絡のついでに”結婚する”と言い出す。1か月お付き合いし、その後結婚の予定だと。しかしまだ相手は見つかっていない。部下たちに相手探しを手伝って欲しいというのだ。条件は・・・”健康で努力家であれば” ――――――――――――――

コンドウ(香川照之)はクラシックをかけながら何やら車内で準備中だ。そこへターゲットとなる人物が現れる。華麗な手さばきで殺し終える。その出来事をひっそり見てる人物がいた――――――

桜井武史(堺雅人)は自殺に失敗する。財布を広げあったのは数枚の硬貨と銭湯の回数券。それを持ち、銭湯へ向かう―――――――――

コンドウは仕事を終えた帰路で渋滞にはまっていた。渋滞の先には撮影が・・・
偶然目に留まった銭湯に行くことに。
風呂に入ろうとした時、石鹸で足を滑らせ、転んでしまう。桜井の足元にコンドウのロッカーのカギが落ちていた。咄嗟に桜井は自分のロッカーのカギとコンドウのロッカーのカギをすり替えた。無事にコンドウは救急車で運ばれるも、うしろめたさ満載な桜井。しかし彼のロッカーのカギを開け、彼が来ていたであろうスーツを着て出ていく。
そうして桜井はコンドウになり、そしてコンドウもまた桜井になった。

桜井(堺雅人)はコンドウ(香川照之)の金で、今まで借金をしていた人に返して回る。
ある女性は結婚するんだと言っていた。写真を持って帰らないかと言われて、一度は断るものの写真を受けとる。そこには過去の自分とその女性が仲良さそうに映っている。そして他にも友達の写真もあった。その写真を見つめる桜井は嗚咽混じりに泣いていた。

桜井は罪悪感からか、コンドウの病室を訪れていた。コンドウの私物を置き、自分の服を取りに行くために・・・。こっそり置いて帰ろうとした時コンドウの目が覚めた。何も思い出せないと語るコンドウ。続いて自分は桜井武史という人物であること、風呂屋で滑って転んだ事を告げた。桜井は咄嗟に、あの時風呂屋にいて心配になって様子を見に来たと嘘をついた。結局怪しまれるので、置いて帰ろうとしたコンドウの私物を持って帰ってしまった。

コンドウは検査の結果どこも悪くないという事で無事に退院。所持金がないので、歩いて帰ろうとしたが家が分からない。そこで偶然タクシー乗り場にいた水嶋香苗に訊くことに。水嶋香苗は父親のお見舞いで病院を訪れていたのだ。
コンドウが歩いて帰ろうとした時、水嶋香苗は自分は車だから送ってあげると言い出した。好意に甘えることにしたコンドウ。アパートに行ってみるも、何も思い出せない。そこへ水嶋香苗もやってきた。そこで台本を見つけた。どうやら桜井という人物は役者だったようだ。その台本を見た水嶋香苗は自分の勤める出版社のものだから、何かわかるかもしれないという事で調べてくれると言ってくれた。そして水嶋香苗は帰っていった。その後コンドウはアパートの住人に桜井という人物を聞いて回るも、誰も知らなかった。そして病院で買っていたノートに桜井の事について分かった事を書いていくことに。何か思い出すきっかけがあるかもしれないと――――――

桜井は免許証からコンドウのマンションに行った。そこは高級マンションで見るからに几帳面な性格であることが窺い知れるほど何もかもが整頓された部屋だった。まさに桜井とは真逆。
途方に暮れて、飲んだくれていた桜井は、目に留まったビデオカメラを見つけ、コンドウ宛てに謝罪のメッセージを録る。コンドウのお金を使った事を謝罪し、死んで詫びると―――――――――
マンションの部屋の中を物色する桜井。見つけた部屋にはたくさんの服や装飾品。そして様々な肩書の身分証明書や変装グッズ。そこで見つけた銃を手に死のうとする桜井。しかしそこへ電話がかかる。それはコンドウの携帯だった。咄嗟に出る桜井。会話の中身からコンドウがヤバイ仕事をしているだろうことは予想がついた。続いて電話の相手が仕事の報酬としてギャラを払う。指定した場所に持っていくとの事で、桜井は自分のボロアパートの郵便受けを指定した。

桜井はアパートの郵便受けを見に行くが、そこでばったりコンドウと遭ってしまい、部屋に通される。そこへ水嶋香苗がやってきて、3人で話をすることに・・・コンドウは遺書があったことから、自分は死のうと思っていたようだと。桜井は自分で書いた遺書を早々にコンドウから取り上げ、帰ってしまった。水嶋香苗はコンドウをレストランへ誘う。

階段を下りた先で、コンドウになりすましていた桜井は金を払いに来たであろう連中から声をかけられた。”ボスが直々にお金を払いたいと言っている。一緒に来て欲しい”と言われ、仕方なくついていくことにした。
そこにいたのは工藤という男だった。
男は、先日殺した男の家を探したが、肝心の金がないというのだ。そこで、殺した男の愛人から金の在りかを聞き出して欲しいと。そして当然この愛人も殺して欲しい。この仕事が終わり次第、合わせてギャラを払うと。断ることはできないと工藤は言った。

桜井は、コンドウが殺したであろう男の記事をネットで探し、その出版社に刑事のふりをして聞き出しに行く。
編集長は、コンドウという男は普通の便利屋を細々とやっていた。丁寧な仕事ぶりで評判も良かったと言う。8年ほど前に店を閉めて、裏の仕事をするようになった…依頼人でさえ、直接は会えないようだと。そしてコンドウの仕事は丁寧で証拠は残らない。事件にもならないと…。

コンドウは金を稼ぐ為に、日雇いのバイトをしていた。それはエキストラの仕事。行った先でチンピラの役に抜擢され、出演していたのだ。演技も楽しくなり、演技について日々勉強していた。そして水嶋香苗と演劇を見に行ったりと二人の距離は少しづつ近づいていった。

桜井は殺された男の愛人に金の在りかを聞く為、先ほどの編集長になりすまして話を聞くことにした。殺された男とは結婚の約束をし、ホステスを辞めこれから一緒になるつもりだったと。率直に金の在りかを訊くも、愛人はあっさり否定した。

コンドウは水嶋香苗からプロポーズを受けた。努力家のコンドウに香苗は惹かれていた。しかしコンドウは定職についていない自分ではダメだろうと言うと、香苗は自分の部署は現在バイト募集中だから、そこで働いたらどうか??と・・・
その頃、桜井はコンドウの部屋にあるクッキーの缶に入った大金を見つける。そこには1枚の写真が―――――――――

桜井は、愛人に”逃げろ”と言いに行った。コンドウの部屋にあった大金を使い、部屋を用意していた。しかし愛人は訝しんでいた。突然やって来たよく知らない男から逃げろと言われ、部屋まで用意したと言われても・・・怪しむのは当然の事だ。

水嶋香苗の父親が死んだと連絡があり、コンドウ含め部署内の人も葬儀に参加することに――――葬儀の後、香苗の家に行くコンドウ。そこで香苗の父親が好きだったクラシックを聴いて――――――
コンドウの記憶が一気に蘇った。香苗が振り向いた時にはコンドウの姿はなかった。

桜井は愛人に提案した逃走計画通りにスーパーに来ていたが、時間になっても愛人は来ない。代わりに来たのは仕事を依頼してきた工藤とその部下だった。桜井は急いで逃げたのだった。

マンションに帰ると、全てを思い出したコンドウの姿があった。
桜井は必死に謝るも、先ほどの工藤の姿がPCの画面に映る。
どうやら尾行されていたようだ。焦る様子もなくコンドウは手際よく、隣の部屋に移る。どうやら隣の部屋も借りていたらしい。きちんとベランダに仕掛けもしてある。コンドウたちが隣の部屋に移ったタイミングで工藤たちが先ほどいた部屋に入ってきた。誰もいない部屋を見て、仕方なく帰っていったのだった。

桜井はコンドウに工藤からの依頼の件を話した。コンドウは ”助けてやる。その代わり、お前の人生もらうぞ”と言った―――――――

コンドウは、工藤に電話をしコンドウの部下だと偽った。コンドウは狙われていて、自分は危ないから工藤の部下にしてほしいと。そしてこれからコンドウに会うからその場所を教えると言うと、工藤はコンドウを捕まえたら考えてもいいと言った。工藤と殺された男は、一緒に組んでデカい仕事をしていたが、殺された男は報酬を多く取っており、あの愛人は元は工藤の愛人だと言うのだ。素人に愛人も取られ、メンツが立たない工藤は殺しをコンドウに依頼したという事だったのだ。

すでに顔が割れて”コンドウ”だと思われている桜井を工藤の目の前で殺すことにした―――――――――
桜井は元役者。そして現役者のコンドウに殺され方がなっていないと何度も注意をされながら練習する二人。そして工藤たちが来るまでに車内で準備をしている最中、コンドウの口から真相が語られる―――――――

殺された男は、実は死んでなどいなかった。コンドウはあくまでも”便利屋”
東京だけでも行方不明者は年間何万人といる。その中で自らの意思で行方不明になりたい人もいるだろうと―――――
工藤はコンドウに殺害を依頼。
それを殺されるはずの男に報告する。殺害依頼を逆手に取り、逃げるのを手伝う。そして両方から報酬をもらうという事だった。
3者がWIN‐WINという素晴らしい構図。しかしそれにはコンドウの周到なシナリオのおかげがあってこそだ。
雑誌の記事も、コンドウ自身でネタを持ち込んでいた。いわば宣伝活動。そうすれば殺し屋コンドウの噂は闇社会へと広がり、具現化する。
コンドウにかかれば、死体も上がらないというのは本当だった。殺されてはいないのだから。

1台の車が近づいてきた。これ見よがしに桜井、もとい”コンドウ”を殺すコンドウだったが、降りてきたのは、香苗だったのだ――――――――――

どうやら尾行していたらしい。香苗が今の状況に呆気にとられていると、工藤がやってきた。
3人は急いで、車に乗り込み逃げる。状況の掴めない香苗。3人は安全な場所に避難した。
そこは桜井の元カノのマンション。返しそびれた鍵を使い部屋に入る3人。元カノの部屋で、結婚の為引っ越した後だったから誰もいない。
香苗に状況を説明する。
香苗が”桜井”だと思ってた人物は、実は便利屋で名前はヤマザキという。本当の桜井は、コンドウだと思ってた人物だった。
香苗はこの状況に似つかわしくない質問をヤマザキにした。”結婚はされてるんですか?”結婚したい男性が実は”桜井”ではなくヤマザキという人物で、便利屋。今まで見てきた人物はそこにはいない現実にショックを受けつつも、目の前にいる男と結婚したい意思は変わらないまっすぐな香苗がこの状況でさえも存在していた。すべての元凶は桜井だと、桜井に対して冷たくあしらう香苗。そんなことはお構いなしに桜井はこの後の心配をする。
ヤマザキは何とかする!と言い、現場に残してきた香苗の車を回収しないと香苗に迷惑がかかると・・・。ヤマザキは金を渡して工藤たちには今回の件から手を引いてもらう考えを提示した。桜井と香苗にはここで待つようにと指示し、もし連絡がなかったら警察に行って全部話せと言うと、ヤマザキは自宅へと戻っていく。去り際に香苗に、”貴方ならどんな男でも結婚したいと思うから、大丈夫です”そう言って後にするのだった。

しばらくすると桜井の元に一本の電話が――――ヤマザキだった。
自宅に戻ったヤマザキは、隠してあった大金で工藤たちに手を引いてもらう作戦だったが、すでに桜井が使った後だったので、電話をかけてきていた。その直後、待ち伏せしていた工藤たちがヤマザキの自宅に押し入ってきた。そしてヤマザキの電話を奪うと桜井に話しかける。金と女をこっちに寄越せ!従わないと、ヤマザキを敵対組織に売ると言ってきた。香苗の事を例の愛人だと勘違いしている様子だ。香苗の存在には気づいていないと悟った桜井は香苗に帰宅を促すも、香苗は一緒に愛人を探すと言い張った。
ヤマザキは工藤に、”俺の居場所を教えたのは、お前だろと言われ喧嘩になっって別れてきた”と嘘をついた。ヤマザキは愛人とコンドウを自分がヤると提案するも、やんわり断られ居場所を訊かれた。

桜井たちは金を探す為、愛人の自宅に侵入していた。愛人はとうに逃げており誰もいない。そこへ愛人が帰宅。桜井がさっきつけていた血糊パックが落ちるのだった――――――

コンドウが運転する車内にて、工藤の元に電話がかかってくる。それは工藤の部下からだった。愛人の自宅に盗聴器を仕掛けていて、金の在りかを探ろうとしていたのだが、その盗聴器から止めてと叫ぶ声が聞こえてきたという。
工藤は電話口から、愛人が死ぬ間際の声を聞き、急いで愛人宅へ向かう――――

そこには、桜井もとい”コンドウ”の姿が・・・顔面に血糊が飛び散った様子で、一生懸命コンドウを演じる桜井。
工藤は愛人とその息子の遺体を確認する。何とか乗り切ったと思ったのも束の間、工藤たちには偽装だとバレていたのだ。しぶしぶ起き上がる愛人。金の在りかを愛人に問うも、知らないの一点張り。息子に訊いてみると言った工藤。そこに現れたのは愛人の息子の制服を着た香苗だったのだ。
香苗は唐突に”この部屋には2億円ぐらいあるんですけど・・・”と言い出した。息子の部屋にあるギターやおもちゃはどれも希少価値の高いものだと言うのだ。香苗が編集長を務める雑誌は、毎月一つの物を決め、その最高級品を紹介するという雑誌だった為、分かるのだと・・・

早速、工藤は部下と共にこれらの品物を運び出す事に――――
工藤は金が入れば今回の件を水に流すと言ってきた。ここでコンドウの部下もといヤマザキが愛人とコンドウを自分の手で始末するという約束を工藤から取り付けたのだ。

そうしてコンドウ一味は無事に愛人宅から無事に脱出するのだった。

ヤマザキは車内に乗り込むとすぐさま警察に電話する。工藤たちを捕まえる為だ。ヤマザキは車を出す―――――――――

途中香苗の車が置いてあるところで香苗を降ろし、そして二人は――――

車内では、ヤマザキは今日の報酬にと自分がつけている時計を桜井に渡す。そして”金がないことぐらいで死ぬんじゃない”と言う。
桜井は、そんなことは慣れてる。死のうと思ったのは結婚するって決めた元カノが別の人と結婚したからだと明かす。
金もない、夢も諦めた、女にも逃げられた・・・情けないから死にたくもなるだろうって事だ。しかしヤマザキには笑わるのだった。
桜井はヤマザキに”俺の人生もらうって言ったが、それはあの人の為だろう?俺の事笑えんのか?”と訊いたが、ヤマザキには流された。

ヤマザキは愛人をトランクから救出し、愛人を殺されたとされる男の元へ連れて行ってやると言ったが、愛人は”どうでもいい”と言うだけだった。
あれだけ殺された男の事を愛しているだの言っていたが、結局はその程度だったのだ――――――――――所詮は金の為だと言わんばかりに。

香苗は自分の手帳を取り出し、結婚予定日を掻き消した。
全ては無駄だったと思ったのだろう・・・しかし目に入った一冊のノート
それはヤマザキが記憶喪失の時につけていたものだった。
演技の勉強。自分の事。香苗にとって”桜井”は存在し、自分の目で見た彼は桜井だった時でも、ヤマザキだった時でも変わらなかったのだ。

そこへアラームが鳴る――――――――――
香苗は心臓を押さえ、トキめいていた。
実際はこのアラームはヤマザキの車が電柱にぶつかったことに因る車のアラームなのだが、香苗にとってみれば、これは間違いなく恋のアラーム。
心がキュンを知らせているのだ。

二人は無事に再会を果たし、抱き合う。
ヤマザキの車内にいた愛人は、全く興味のなさそうな顔でタバコをふかしているのだった――――――――――――――



アフタースクールの監督だけあって、急な場面転換が多様され最初はなんだか分からないけど。これはすべて伏線。終盤で伏線を回収する展開。
そして急な場面転換により展開が早く感じられ、どうなるんだろう?っていう期待感を高めてくれ、次の展開にワクワクが止まらないって感じ。

堺さん演じる桜井のダメ男っぷり、短絡的で衝動的なダメ男っぷりもいいし、香川さん演じるコンドウの几帳面で、一見クールそうだけど内面はとても優しく真面目な熱い男の真逆な二人が素晴らしい!!!

広末さん演じる香苗のバカ真面目で純粋な世間知らずなお嬢様だけど、相手の顔よりは内面で判断できるいい女で、でも危険を顧みず自分が関わったことは最後までやり通すだけの強い女性というこの2人のキャラの濃さにも負けない演技がスゴイ!!!

アフタースクールも堺さん出てるけど、これもまた面白い作品。
最初に登場人物を突然紹介し、誰??繋がらないって思うけど、最後はそれが繋がる快感が素晴らしいし、伏線もいろんなところに張り巡らされていて、注意深く見ていくのも良し、流れに身を任せて見るも良しって感じで本当に見やすいと思う。

これは比較的見やすい作品で、軽い気持ちで見れるからおススメです!!






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