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一生懸命になるのが怖い。

私は本を読むのが好きなのだが、ある時ミステリーが読めなくなった。

理由は人が死ぬのが嫌になったから。最近は人が死なないミステリーが増えていてすごいと思う。ありがたや。

次は、物語全般が読めなくなった。

感情移入してしまって辛くなったから。もう、読んでる時も大変だし、読後なんて寂しくなっちゃって。

今では、どちらもそこそこ楽しめるのだが、それでも何かと言い訳を見つけて本腰入れて読むことはできない。

そして気づいた。一生懸命になることが怖いのである。

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別に本に限った話だけじゃない。
人間関係だってそうだ。5、6歳のころ引越しって仲の良かった子とも離れ離れになり、小学生で仲良くなった子は先に引っ越してしまった。僕はいわゆる地方にいたので、私立一貫校では近くに友達もいない。部活動では、流行る部活でもないので同期はいなかった。自然と、人と疎遠になった。というわけでもなく、むしろ友人は多かった。でも、ずっと一緒にいられる人はいなかった。グループを作ると、なんとなく残ってしまった子らの面倒をみる役だった。

前を歩く人の背中を追いかけるのでなく、後ろにいる人の道しるべになるのでもなく、ただ、隣を一緒に走り抜ける友が欲しかった。

だけど、そのために同じ温度で一生懸命に生きることはできなかった。

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人を好きになるものそうだった。

青春だなんていつか雲に流れて消えていってしまうのを知りながら、人を一生懸命に好きなることはしたくなかった。愛は、我慢して拒絶できる情的衝動ではないのだけれど。

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何かに一生懸命に生きるのは怖い。

そんな時、思い出すのだ。丸坊主で柔道の稽古をしていた時の、「今を生ききる」という言葉を。同級生には笑い飛ばされた、その教えを。

きっと、この恐怖に打ち勝つことができた時、
僕は本当の自分を取り戻すことができ、
自分の事を好きになれるのだと思う。
そして、たぶんたくさんの人を好きになって、応援できるのだと思う。

あなたは、一生懸命生きれていますか。

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