私の文章観。

だいぶ使い古されたテーマである。
あまりに多くの人が書く内容なので改めて書くのも小っ恥ずかしい。
ただ、諸先輩方の作法を学ぶのも大切なことだし、鮑叔館は雑多にいろんな人物が訪れるところなのでそういう回があってもいいだろう。

言い訳はこれくらいにして。

文字を吐き出すと、心が軽くなる。
喩えるなら誰かに相談を乗ってもらった後の(心の叫びを受けてもらった後の)、あの感じだろうか。
それに文字にしておくと、あとであの頃の気持ちを温かい目で見てあげられる。

文章にすると楽になるのはなぜだろう。
「人は言語で思考する」とはよく言ったもので、
頭の中で悶々とするより書き出してみた方がよっぽどスッキリする。

同じ感情でもどの言葉を選ぶかで読み手の印象は大きく変わる。
同じ雨でもどの呼び方にするかでイメージが変わるように。

私にとって私の文章は、私の魂だ(この短文で「私」が三度も登場)。
心身ともに未熟な頃合には、この自己の対話の時間が重要に思う。
そうして形成された自己が崩壊する瞬間に人は成長し、
他者の想いに気づき新しい世界を切り開いていくのではないだろうか。


             *    *    *  


今はまだ、自分のための文章だ。
だけど、いつかは人のための文章を書きたい。
人の心に触れることができるような文章を書きたい。
エゴや欲望が瘡蓋のように剥がれ落ちたら、
みたものをありのままに描き出し、
そうして見えないものをも見出すような文章を綴りたい。




いいなと思ったら応援しよう!