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英語の勉強が大嫌いな海外経験ゼロの私が英語で働けるようになった方法
世の中には海外経験ゼロなのに外国語がペラペラになった人がそれなりにいて、そういった人たちがその外国語習得方法を共有してくれている有り難いコンテンツが山程あるいい時代になっていますよね。
私も30代にして未だに海外在住経験なしですが、ひょんなことから英語で仕事をしなければならない環境におりますので、そういったHow Toの情報に目がなく、これまでたくさんの勉強法を試してきました。
しかし試しているうちに気付いたのですが、海外経験ゼロなのに外国語がペラペラな人はほぼ例外なく、外国語を勉強すること自体が大好きなのですよね。
一方、私は外国語を勉強することが苦痛で苦痛で仕方ありません。私と同じく、英語の勉強が続かないという人は意外と多いのではないでしょうか?なので、私はあえて英語を勉強することなく、いかにして英語を日常生活の中で自然に上達させるか、をいつも考えるようにしています。
今回、あまり世の中に英語勉強嫌いの人が英語を身につけた方法ってあんまりシェアされていないな、と感じたので、少しでも皆さんの参考になることがあれば嬉しいなと思って、できるだけ具体的に書いてみました。
ちなみに、海外経験ゼロなのにどういう風の吹き回しで海外企業で英語で働くようになったのか、詳しいストーリーをこちらに綴っておりますので、興味のある方はこちらもどうぞ。
前提
上達はスピードは緩やか
この方法だと、日常生活の中でゆるっと英語に触れているだけなので、正直上達スピードはそんなに早くはないと思います。なので、まず大前提としては自分を英語を使わないければならない環境に置くことが早く上達するためには一番大事で、その上で勉強嫌いな人は自分の生活の中で自然に上達させていくのが良いのではないかと思います。
リスニング重視
また、仕事で使うなら、今はライティングとリーディングはChatGPTでカバーできることが多いので、そこまで力を入れなくて良いと思います(逆にChatGPTなどの生成AIが業務に使えない会社では働かないほうがいいと思います)
一番大事なのはリスニング、次にスピーキングです。リスニングできないと、会議についていけなくて正直とてもしんどいですし、1 on 1ではない限り、会議では全く手加減なしのネイティブ英語の応酬が繰り広げられるので、リスニング力だけは強くする必要があります。なので、結構リスニングに重きを置いた内容になっていると思います。
これからは日常生活の中で勉強せずに自然に英語を身につける方法を、リスニング4つ、スピーキング1つ紹介します。また、番外編としてもしかしたら英語よりも大事かもしれない異文化コミュニケーションのコツも紹介します。
勉強なしで英語を話せるようになる方法
リスニング
①海外ドラマをとにかくたくさん見る
有料エリアに入ったらめちゃ当たり前のこと書いてあったー!と思った人、すみません。だけど、これには私なりのポイントがあるんです。
それは、英語を勉強したいからドラマを観るのではなく、その番組を観たいから観る、ということです。楽しいからやる、英語はおまけでついてくる、位の感じにするのが大事です。
なので、英語学習の海外ドラマといえばフレンズがいいのかな?とか、そういうのは気にしなくていいです。Netflixで面白そうだと思ったやつとか、エミー賞受賞した話題の作品とか、そういうので自分が観たいと思ったやつを観てください。そして、別に日本語字幕のままで良いです。ただ英語のノリに慣れるのが重要なので、好きなものを好きなだけ見たらいいと思います。あと、何回も観て出てくるフレーズを覚える、とかもやらなくていいです。やろうとするとダルくなって楽しめないから。
観るのは本当に何でもいいのですが、個人的にはリアリティーショーはTVドラマよりももっと生っぽい英語が聞けるのでオススメです。恋愛ものでもなんでも、好みのもので良いですが、私が大好きなのはお騒がせセレブ一家(?)のカーダシアン家のリアリティーショーです。元祖のKeeping up with the Kardashiansの方はちょっと古いのとドタバタ過ぎるので、新シリーズのThe Kardashiansを見てます。お騒がせなイメージだけど、実は大家族っていいなあとほっこりした気分になれるシリーズです。
私は海外ドラマを観るのは、一人でご飯を食べているとき、リラックスしたいとき、具合が悪い時、単純にドラマが観たいとき、に観ます。我が家はテレビがないので、日本語の地上波が見れません。エンターテイメントはNetflixやYoutubeを観るしかないのですが、そういう環境作りも大事かもしれません。
あと、日本語のドラマや韓国語のドラマは、できるだけ観ないようにしています。韓ドラが自分の生き甲斐…!!!という人は、もちろん観たほうが絶対にいいのですが、私は別に日本のドラマや韓国ドラマが特別に好き!というわけではないので、ドラマを観る時間は英語のドラマを意識的に選ぶようにしています。
②英語のポッドキャストを聞きながらシャドウイングする
これも本当に何でもいいのです。自分が興味のあるもので。ポッドキャストは、リアルな会話なので、ドラマよりももっともっと生に近い英語に触れることが出来ます。
ただ、本当のネイティブの人が聞く海外のポッドキャストだとまだ早すぎて何言ってるかわからない!!という場合はこちらのポッドキャストがオススメです。
本物の海外のポッドキャストだと、その話のコンテキスト(背景)がわからなすぎて意味がわからない、というケースがわりとよくあるんですが、このポッドキャストは、日本在住のネイティブスピーカーの二人組が日本人向けに話してくれているのでそういった置いてきぼり現象がありません。
ちなみに、この「コンテキストがわからない」問題は、仕事をしていても雑談のときによく発生します。こればっかりは日本在住だと本当にどうしようもないのですが、ちょっとでも海外のポッドキャストを聴いたり、海外ドラマやリアリティーショーを見ることで、ゆっくりと改善されていくと思います。
私が好きな海外のポッドキャストはこちら。
こちらは「クイアアイ」というリアリティーショーにも登場するJonathan Van Nessが、お日様みたいなキラキラなテンションでわりと小難しい現代アメリカのいろんなテーマに切り込むシリーズです。アメリカのコンテキストを知ることができるのもいい。ただし、Jonathanの喋りがめっちゃ速いし(ギャル語だし)トピックも難しいので、かなり上級者向けかも。私は2018年頃からこのポッドキャストを聞いていますが、最初はJonathanが何を興奮して喋ってるのか、全くわかりませんでした。けど、ただJonathanがキャアキャア言ってるのを聞いていると元気が出るので、仕事帰りとかに聞いてました。2024年の今ではほとんど内容は問題なく聴けるようになったので、やっぱりゆっくりでも毎日じっくりやってると、効果あるんだなあと感じます。
こちらは「ゴシップガール」や「You」などのドラマでおなじみのPenn Badgleyのポッドキャスト。ゲストの青春時代の甘酸っぱい思い出を紐解くシリーズで、結構ほっこりしながら聞けます。アメリカのポッドキャストのゲストは大物ばかりなので聴き応えがありますねー。私のお気に入りの回は、ドリュー・バリモアの回です。
こちらはもう更新されていませんが、今をときめく歌姫Dua Lipaのポッドキャスト。なんと言っても彼女の声が良すぎていつまでも聴いてしまう。是非聴いてみてください!地球上にこんな声が存在するのか!!というくらい良い。さすが歌姫です。彼女の少しハスキーだけどクリーミーな声にイギリス英語が完全にマッチしています。
と、こんな感じで自分の好きな俳優とかアーティストのポッドキャストから入るのがオススメです。一つお気に入りのポッドキャストを見つけたら、そのポッドキャストのゲストがポッドキャストをやっていて、覗きに行ったら良かったから聴いてみる・・みたいなのを繰り返しているうちに、お気に入りのポッドキャストがいくつか揃ってきます。
こういうのは習慣づけが大事なので、一日のうちで自分が必ず取る行動に紐づけて聞くのが良いと思います。私の場合、通勤中、散歩中、皿洗い中、片付け中などに聞きながら、シャドウイングしています。今は育休中なので、主に散歩中に聴いています。
シャドウイングも、あんまり精度にこだわらずに、ブツブツ適当にやるくらいでいいと思います。赤ちゃんみたいに、聞こえた言葉をただまねっこして口から出すだけです。以前シャドテンというサービスで、ガッチガチのシャドウイングを1ヶ月くらいやったことがあるのですが、私は続けることが出来ませんでした。なんせ1分くらいの題材を30分 x 3日くらい繰り返すので、かなり根気のいる作業です・・・。しかも、私はこの時、題材として大好きなカズオ・イシグロのインタビューを選んだのですが、イシグロはイギリス人なので、発音もアメリカ英語ではなくイギリス英語のまま、そのまんま発音しないと、添削で指摘されてしまって先に進めない、というのもせっかちな私にはかなり辛かったです。笑
③英語のAudibleで本を読む
育児中だとゆっくり読書する時間がない割に、息子を見つめながらぼーとしなければならない時間が結構あったりするので(寝かしつけとか、授乳とか、散歩とか)、Audibleで本を読む機会が増えました。Audibleは英語のタイトルのほうが多いので、読みたい本のAudible日本語版がない場合は英語版で聞くようにしています。これも、散歩中や皿洗い中などに聞きながら、ぶつぶつ適当にシャドウイングしています。ただ、書き言葉なので、聞くならやっぱりリアリティ・ショーやポッドキャストの方がいいと思います。
どうせ読みたかった本を、耳から読みたいのにAudibleの日本語版がリリースされていなくて英語版しかないから、仕方なく英語で聞く、くらいのノリでちょうどいいです。
最近は、Steve Jobsの伝記を聞いています。これは山口周さんが、知的生産の基礎となる「九割の効果を生む一割の書籍」としてオススメする本の中に含まれていて、いつか読みたいと思っていたけど、手が回っていなかったから散歩中に耳で聞いています。
④Distinction
すみません。「勉強しない」と言っておきながら、これだけは唯一、一日1分だけでもいいから、嫌でも絶対にやっといたほうがいいし、効果がエグすぎるので紹介させてください。というか毎日毎日日常生活の中で実感できる効果が凄すぎて、やるのが苦痛ではない唯一の勉強といっていいかもしれない。
それがかの有名な英語オタクのAtsuさんが開発した、Distinctionという単語帳です!!!これだけは絶対にやったほうが良いです。これをやることで、海外ドラマ、ポッドキャスト、Audibleの英語勉強としての効率が爆発的に上がります!
※私はAtsuの回し者ではございません。Atsuから何も報酬はもらってません。でも周りに超おすすめしまくっているので、報酬をもらってもいいくらいだと思ってますけどね。
さて、この単語帳の何がそんなに凄いのかということを語るとまた記事が長くなってしまいそうなので、別記事に書き起こしました。今まさにネイティブの会話が聞き取れなくて悩んでいる人は是非読んでください!
スピーキング
こんなにリスニングについて(というよりDistinctionについて)熱く語ったあとだと温度差が凄いのですが、冒頭にも書いた通り、リスニングを優先しているので、スピーキングについてはこれと言ったことをやっていません。
一時期CamblyやDMM英会話などを使って英会話してみたこともありますが、こういうのって同じ先生を毎日予約するのが至難の業なのですよね。なので、毎日初対面の人と雑談することになります。私は内向的なので、これが本当に苦痛で仕方がない。逆に外交的で新しい人とおしゃべりするの大好き!という方はやっていて楽しいと思うので、良いかもしれません。
あと、良く言われる「独り言」も試しましたが長続きしませんでした。私、そもそも独り言が多いタイプではないので、ぜんぜん独り言が出てこない。逆に独り言が多い人にはすごく良い練習法だと思います。笑
ただ、英語を使ってグローバルな職場で3年働いた経験から言うと、スピーキングで一番大事なのは「度胸」かな、と思います。
シンプルな言葉で自分の伝えたいことをゆっくり堂々と伝えること。
このとき励みになるのは、処女作を英語で書いてから日本語に書き直したという村上春樹の回想です。
そして僕がそのときに発見したのは、たとえ言葉や表現の数が限られていても、それを効果的に組み合わせることができれば、そのコンビネーションの持って行き方によって、感情表現・意思表現はけっこううまくできるものなのだということでした。要するに「何もむずかしい言葉を並べなくてもいいんだ」「人を感心させるような美しい表現をしなくてもいいんだ」ということです。
シンプルで、いいんですよね。ただ、最初は自分の言葉が拙すぎて恥ずかしくなってしまうことがあると思います。しかし、「あーーー今日の会議も赤ちゃんみたいな英語で恥をかいてしまったぁああ〜」と悶々するフェーズをしばらく繰り返すと、そのうち同じくらい下手な英語でも言いたいことが伝わって議論が前に進めばもうどうでもいいや!という感じになって来ます。こればっかりは慣れだと思いますので、まだ恥ずかしい気持ちがある人は、順調に厚顔無恥化のプロセスをたどっていると信じて、Stay strong 、です!
そうこうしながら話したいことや話さねばならないことを話しているうちに、だんだんと、話すのがうまくなってくると思います。
番外編 : 異文化理解
最初はチームメイトとのコミュニケーションに違和感を覚えることが結構多かったのですが、その違和感の正体は実は私の英語の上手い下手ではなく、コミュニケーションスタイルの違いによるものの方が実は大きい、ということに気づいた本があります。The Culture Mapという本です。日本語のタイトルはずばり異文化理解力。
グローバルなチームで働く人たちの様々なエピソードが豊富に紹介されているのですが、どのエピソードも「あの時のあの違和感はこれだったのか!!」と感じるものだらけでした。この文化的差異を知っているだけで上手にコミュニケーションが取れるようになったり、自分が違和感を感じて不安になったりすることがなくなるので、グローバルコミュニケーションの上達という意味ではある意味英語の勉強に精を出すよりも役に立つかもしれませn。
せっかくなので、余裕のある方は英語版で読んでみるのもいいと思います。英語版だとAudibleもあります。
勝手に英語が身につく一日の過ごし方
以上を踏まえて、これらの勉強と感じない勉強を練り込んだ一日の過ごし方を紹介します。
朝
朝起きて、身支度するときによくポッドキャストを聞くのですが、この時に英語のポッドキャストを流します。朝はあまり長くなく、聞き逃しても全然問題なく、やさしくポジティブな気持ちになるものが良いので、人気の瞑想アプリHeadspaceが運営するポッドキャストを聞くことが多いです。
そして、トイレにこもりながらDistinctionをやります。笑 朝やっておくと、これからの一日の中でpodcastや海外ドラマを観るたびに「あ!今日のDistinctionで出た!」という単語に出くわして最高に気分が良いので、朝やるのがオススメです。
そして通勤中はビジネスやキャリア関連のインプットをしたい気分なので、Harvard Business Reviewのポッドキャストシリーズを聞いたりします。Leadership、Innovation、Managementなどいろんなテーマのポッドキャストがあるので、その時の自分の興味関心にあったものを聞くのがいいと思います。私は、Women at Workを良く聞いていました。
あと、私の夫の元上司で、イエール大学卒のめちゃくちゃ優秀な「これが世界の本物のエリートかあ〜」と唸らされるような人がいるのですが、その人が世の中のManagerにオススメのポッドキャストとして紹介していたものがこちら。管理職の人におすすめ。
昼
出社したら、普通に働きます。もし在宅で仕事をしていたらお昼時間はご飯を食べながらドラマを観ることが多いです。その時ハマっているドラマをただただ観ます。最近見た中だと、このラブコメがめっちゃ良かったです〜〜〜!!!こういう男性が現れて欲しい・・!
私は仕事中も英語を使うので、仕事中が一番英語をインプット・アウトプットする場です。もし日本に居ながらにして勉強せずに英語を喋りたいのであれば、あまり大きくない規模(全社員数千人くらい)の外資の会社の日本オフィスで働くのが良いかもしれません。上司やチームメイトが外国人なので社内では英語で働くけど、日本のお客様を相手に対外的には日本語で働く、というケースが多いと思います。これだと、英語がまだ生焼けな状態でも、仕事になるので足がかかりとしてはオススメです。ま、大変は大変ですが、勉強という勉強はしなくていいです。働いてればそれがそのまま勉強になる!
採用活動をしているとわかりますが、何かしらの専門性があり、かつ英語も喋れる、という人材は日本には驚くほど少ないので、そういったポジションはお給料も比較的良いです。かつ、日本のお客様向けにビジネスをしている会社であれば、ネイティブレベルほど喋れなくても仕事になるので、英語を使った仕事についてみたいと思っている人であれば、挑戦しない手はないと思います。
夜
そんなこんなで一日の仕事が終わりました!お疲れ様でした!帰り道はゆる〜いポッドキャストを聞きながらリラックスして帰ります。友達と喋ってるみたいな感じのやつがいいですね。最近はもっぱら、前述したpodcrushedというやつを聞いています。
お家に着いたら、夜ゴロゴロYoutubeなんかを見る時も、アメリカのお笑い番組のSaturday Night Liveのショート動画とか、Vogueのメイク動画とか、韓国系アメリカ人のインフルエンサーJenn Imなんかの動画を観たりします。
こうして一日、ポッドキャストを聴いたり、ドラマを観たり、同僚と話したりSlackしたりしていると、Distinctionで最近覚えた単語が少なくとも5個は出てきますので、出てくる度にニヤニヤしながら過ごします。
以上が、私なりの「勉強しないで英語が身につく」一日の過ごし方でした。ポイントは、すべてのことを「やりたいからやる(あるいはやらなければならないのでやる)」という状況に持っていくことです(Distinction以外)。
そうすれば、1年でも5年でも、毎日英語のインプットを続けることができていつしかそれが大きな差になって現れてくると思います。何か皆さんの参考になることが少しでもあれば幸いです!