「Sirius Finance」概要と利用方法
この記事では「Astar Network」上で展開されるステーブルコインAMM「Sirius Finance」の概要、および利用方法について解説します。
「Sirius Finance」は4月16日にローンチした後、4月21日現在で約18億ドルの資金を集めることに成功しています。
「Astar Network」上のステーブルコインプロジェクトとして「Kagla Finance」が有名ですが「Kagla Finance」のTVLが約12億ドルであることから「Sirius Finance」の凄さが垣間見えます。
ローンチ間もないプロジェクトが、多額の資金を集めることに成功した理由を紐どくことで、今後「Sirius Finance」が「Astar Network」上で確固たる地位を築けるかどうか予知することができると思います。
また、6月頃にネイティブトークンの上場が予定されているので、投資対象として候補に入れるべきかどうか判断する材料になれば幸いです。
概要
「Sirius Finance」とは、
ステーブルコインをスリッページの低い費用で取引ができるステーブルコインAMM(Automated Market Maker)です。
現在、USDT・USDC・DAI・BUSDから成るプールをベースプールとしており、流動性供給者にとって魅力的なAPY(4月21日現在で約77%)を提供し、流動性の確保をしています。
「Astar Network」版の「Curve Finance」といえば、イメージしやすいでしょうか。
「Curve Finance」同様「Sirius Finance」もプールを徐々に追加していく予定であり、将来的には独自のステーブルコインを発行し、プールに追加することで流動性の拡張を目指しています。
目論み通り、独自のステーブルコインの流動性を高めることができれば「Sirius Finance」は「Astar Network」を代表するステーブルコインの発行者として存在感を高めることができます。
ただ、流動性プールを追加するには「Curve Finance」でも採用していた「veToken」による投票が必要になります。
「veToken」と聞くと「Curve War」を思い出す人が多いと思います。
歴史は繰り返すという言葉がありますが「Sirius Finance」でも「Curve War」のようなことが起こる可能性が高く、もしそうなれば「Sirius Finance」が発行する「$SRS」の価値は自然と高まるでしょう。
ここの詳細については「あどまん」さんが「Curve War」について分かりやすく解説しているので、この記事を読んでイメージしていただければと思います。
では、どうやって「$SRS」を獲得するのでしょうか。
5月下旬に予定されている「IDO」やエアドロップなどでも獲得できますが「$SRS」の全体供給量の45%が「流動性提供」のインセンティブとして支払われます。
ですので、興味のある方は後述する「Sirius Finance」の利用方法を参考にしてください。
また「$SRS」をロックすることで「veSRS」を獲得できます。
つまり、前述した「流動性プールを増やす」為に「$SRS」をロックする人が増えるので、売り圧力は下がり、価格が上昇しやすいというロジックになっています。
「veSRS」は「流動性プールを増やす」他にも、投票によって「報酬をブーストする」こともできるので、自然と需要は高くなることが予想されます。
気になるセキュリティ面ですが、
日本人Web3.0起業家で構成された「Next Web Capital」が投資家として入っています。
「Astar Network」のFounderである「渡辺 創太」氏も「Next Web Capital」の一員なので「Astar Network」にとって重要なプロジェクトであることが分かります。
また、この業界では有名な「Peckshield」がスマートコントラクトの監査をしており、100%ではありませんが、信頼たるプロジェクトだと思います。
最後に「Sirius Finance」のロードマップを確認しましょう。
現在進行しているQ2の注目点は「トークンの上場」でしょう。
どんなに素晴らしいプロジェクトでも、貢献者が報われなければ成功しません。
金銭的インセンティブとして「トークンの上場」が成功すれば「Sirius Finance」の注目度は高まり、それに伴いTVLの拡大が期待できるでしょう。
TVLが拡大することによって、Q3で予定されている「流動性プールの追加」に拍車がかかります。
前述した通り「Sirius Finance」は徐々に流動性プールを追加していきます。
「Sirius Finance」の存在感が高まることで、自身のトークンを「Sirius Finance」の流動性プールへ追加したいというプロジェクトが多数でてくるでしょう。
それらのプロジェクトは「veSRS」の獲得に翻弄し、結果それが「Sirius Finance」のTVL拡大につながります。
「Sirius Finance」は将来的に「Astar Network」だけではなく「Polkadot」全体のエコシステムでも使われるようになることを目指しています。
TVLが拡大する好循環の波に乗れば「Astar Network」に留まらず、全チェーンの中でも存在感があるdAppへ成長する可能性を秘めていると思います。
まだローンチしたばかりなので、今のうちに触っておくのはいかがでしょうか。
利用方法
「Sirius Finance」に流動性提供するまでのSTEPは、以下の通りです。
メタマスクにステーブルコインを入金する(※BSC推奨)
「Astar Portal」で「Bridge」をする
「Sirius Finance」で「USDT・USDC・DAI・BUSD=1:1:1:1」の比率になるようにSwapする
USDT・USDC・DAI・BUSDを「Pool」に入れ、4SRS LP tokensを獲得する
4SRS LP tokensを「Farm」に入れる
一つずつ、詳細にみていきましょう。
①メタマスクにステーブルコインを入金する(※BSC推奨)
まず、ステーブルコインを準備します。
ステーブルコインは「USDT・USDC・DAI・BUSD」のいずれかであればOKです。
また、入金先のチェーンは「ETH・BSC・Polygon」であればOKなので、お好きなチェーンをお選びください。
ここでは、ガス代の安さ、またトランザクションの速さから「BSC」を使って解説します。
Binanceからメタマスクに「BUSD」を送金します。
送金方法は「おもち」さんが分かりやすく解説してくれていますので、こちらをご覧ください。
②「Astar Portal」で「Bridge」をする
メタマスクにステーブルコインを入金したら「Astar Portal」にアクセスします。
ここでは「Astar Portal」の「Bridge」を使用し「BSC」にあるステーブルコインを「Astar Network」に移行します。
「Bridge」の画面が表示されたら「BSC」から「Astar」になるように選択します。また、通貨の選択も忘れずに以下のようにしましょう。
あとは「Bridge」をクリック、署名をすれば完了です。
注意点として「Bridge」完了までの時間が5-20分かかります。
右側が「Fund releasing」になっている最中は何もいじらずに待ちましょう。
「Completed」になれば完了です。
③「Sirius Finance」で「USDT・USDC・DAI・BUSD=1:1:1:1」の比率になるようにSwapする
「Bridge」が完了したら「Sirius Finance」に移ります。
「Sirius Finance」でメタマスクを接続したら、まず初めに「USDT・USDC・DAI・BUSD=1:1:1:1」の比率になるようにSwapしましょう。
自動で「25%」の数量を計算してくれるボタンもあるので、それを使えば簡単です。
数量が決まったらSwapします。
この画面が出たら、Swap完了です。
④USDT・USDC・DAI・BUSDを「Pool」に入れ、4SRS LP tokensを獲得する
Swapが完了したら「USDT・USDC・DAI・BUSD」を「Pool」に入れる作業をします。
「Max」を押せば、自動で数量が入力されます。
全て数量が表示されたら「Preview Deposit」をクリックして、次に進めていきます。
幾度かの署名が終われば完了です。
以下の通り「Total Value」の数字が増えていることを確認しましょう。
⑤4SRS LP tokensを「Farm」に入れる
最後に、4SRS LP tokensを「Farm」に入れましょう。
「Max」で数量を自動入力し「Stake」をクリックすれば完了です。
念の為「LP Staked」の数量が増えていることを確認しましょう。
これで晴れてあなたも「Sirius Finance」の流動性提供者です!
お疲れ様でした。
まとめ
この記事では「Sirius Finance」の概要、および利用方法について解説しました。
当たり前の話ですが、チェーンが発展する上でステーブルコインは重要な要素となります。
「Sirius Finance」が「Astar Network」における「Curve Finance」的存在となれば、より流動性を拡張していくことが予想できます。
現在「Astar Network」上でステーブルコインのプロジェクトがいくつか走っていますが、どのプロジェクトが多くの資金を集め「流動性の覇者」となれるのか要注目です。
※追記
今回の記事を執筆するにあたり「Crypto KudasaiJP」さんの記事を参考にさせていただきました。
非常に分かりやすくまとめられているので、一読することをオススメします。