『九州戦風カミカゼバイト』いってきたよ
スーパー戦隊レジェンドウォーズでよく聴いたなぁ。とか思いながら、会場に流れる『電撃戦隊チェンジマン』のOPに耳を向ける。昔の戦隊のこのノスタルジーな感じはどこにあるんだろう。ジャズの風味も少し感じるような小洒落たOPもいい。4:3の映像比率に、時代感じる画質、生きた歴史でしょ、こんなん。戦隊ミーハーですみません。
とりあえず、来週のブンブンジャーがトッキュウジャーコラボ回なのが嬉しすぎて舞い狂ってる。
そんなこんなでジグザグバイトさんの『九州戦風カミカゼバイト』を観てきました。いや、凄いでしょ。最高でしょ。天才でしょ。
戦隊モノ的な、特撮的な、そういうヒーローモノ的なストーリーの熱さや盛り上がりの文法、迫真の戦いがある演劇は見たことあるけど、おいおいおい、フルフェイスのスーツが出てくるなんて聴いてないぞ。まんまヒーローショーじゃん。いや、どちらかと言えば、30分のあの番組がそのまま舞台上に飛び出してきた感じ。目の前でニチアサが展開されてくことにひたすら驚いていた。
"特殊撮影"の現実にはない特殊な部分を舞台上でやり切る力強いパワーに圧倒された。
フライヤーしか見ていなく、事前情報をほぼ入れずに来てしまったので、スーツが出てきたことにずっと驚いてるのだが、スーアクさん誰だろう、、顔見えなくて悔しいな、、とか思ってたらダブルキャストらしい。えっ、ダブルキャスト!?スーツと素面の役者が入れ替わる!?台詞も殺陣も二倍の人が覚えてるの!?なにそれ、意味わからん。怖い。すごすぎる。
スーツアクター、顔見せられない問題をそんな力技で解決することあるんだ。
そもそもの役振りが異次元すぎる。16人で70役って何。どうやってるの??
前のシーンで出てきた役者が、全く違う装いで出てくる。さらには次のシーンでまた違う衣装で登場する。どうなってんだ。早着替えとかじゃないでしょ。ドッペルゲンガー居る?いや二倍でも足りる人数じゃない。エネルギーがバケモノすぎる。ステージ裏が気になる。
お話はThe・ヒーロー。こんなに真っ直ぐ王道にやられると、それはそれでめちゃくちゃ刺さる。太古の災い「マガツ」が復活してめちゃくちゃになった九州を救うために、守り神の龍神に導かれ戦士が立ち上がる。龍神の形態変化がめちゃくちゃ良い。身体を横向きに配置して腕で顔を動かすの天才すぎない?美術の発想が天才なんだ。
ヒーローになって調子乗るメンバーも、ブルーとピンクのテンプレのような追加戦士ムーヴもド定番だ。正解すぎる。グリーンが好きです。人間らしくて。ヒーローって強大な力を得て、簡単に人の道から外れられちゃうから、あれくらい俗っぽい方が安心する。
『ジモソウル』の設定が上手い。人々の地元を愛するパワーでカミカゼバイトも強くなる。必然的に地元興行をすることになるし、いっぱいいっぱい九州の魅力を出せば出すほど、盛り上がる。名物やあるあるなど、全然知らなかった九州ネタが出る度に、九州っておもろい!ってなって、後半になるにつれて、見てる自分のジモソウルも高まったんじゃないだろうか。この力もカミカゼバイトのためになっていたらいいな。
地元愛ってテーマを逃さず、ブルーとピンクの復讐に燃えるあまり地元を捨ててしまう話など、ジモソウルの設定を余さず逃さず完璧に活かしきってて流石だった。絵面のパワーやトンチキさに比して、実にクレバーである、この作品。これもまた劇団の熱量によるものなんだろうな〜。
九州の地元愛ってすごい。はるばる福岡から東京まで来るエネルギーがすごい。そんなパワーが存分に出てた楽しい劇でした〜!また会いたい!今度は福岡で見てみたいなぁ。
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