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『妄想特急王子エクスプレス2025〜もう会えない君に会える線!〜』いってきた

あけましておめでとうございます。
観劇初めです!優しい劇団観てきました!
『妄想特急王子エクスプレス 2025 〜もう会えない君に会える線!〜』
めっちゃ長いけど、この題にほんと全部詰め込まれてるなって80分でした!

王子の劇場入口で開場前にあんなに並んでるの初めて見たし、中入った時の客席の圧も見たことない。ホールの八割くらい客席じゃなかった?そんくらい人が居たし、それだけでなんかワクワクした。自分の観た16時回は106名だったかな?
この、いつもと空気が違う感じ、この空間から感じた高揚感がそのまま上演を観るのに引き継がれて、ウキウキドキドキしながら時間があっという間に過ぎていった。

去年、王子で参加した中高生サマースクールのことをすごい思い出す。
顔も知らぬ中高生が集まって三日で作って三日間発表!って勢いとテンションで突っ走った演劇だったけど、
これって中高生の青春パワー、若者パワーがあるから、楽しく成り立ってるんだってやってる自分はあざとい考えながら思ってた。
けど、今回の優しい劇団も、その日初めて集まってその日に作る企画で。
勢いと実力溢れる役者さんたちのパワーは満足できる楽しさにしっかり成り立ってた。
それは、やってる役者さんがなによりも楽しんでるなって、めちゃくちゃ活き活きしてるなって感じれること、それが伝播してこの満足感に繋がっているのかもな。
サマースクールの時に感じたあの青春パワーは、学生の今だけのものじゃなくて、年齢関係なくこれからもできるって可能性を目の当たりにできた。
歳を重ねることにずっと戦々恐々としてたけど、まだ全然いつでも弾けられるんだ。あんな大声出して、走り回って、大合唱して、めちゃくちゃ青春じゃん。最高。

青春な非日常を日常に持ってきてくれる作劇もすごく刺さる。
非日常を目一杯、見せ尽くした上で、そのドキドキや楽しさを日常に繋げてくれる。
この開演前から感じる高揚感をそのまま作品だけの時間に終えず、見た後に、「また会えるかもな」「会えなくても、これなら大丈夫だな」って心に残る。劇場を出る時の日常に戻ることへの躊躇いを和らげてくれる。
80分の非日常な瞬間がずっと続く日常にもあるって思わせてくれた。
そんな「また会える銀河鉄道の夜」ってお話に、救われた心地。
「別れたくない」っていうわがままとか、ちょっと恥ずかしくて理由をつけて別れない言い訳することとか、別れたくないって感情を肯定してくれる。
「別れがあるから良い」「終わりが来るから美しい」とかあるけど、そんな訳なくて、楽しい仲間と楽しい時間は一生別れたくないに決まってるじゃん。
そんな非日常に浸りたい感情を「そうだよ!」って言いつつ、来てしまう別れに、「愛してる」「好きだ!」って言葉をたくさんたくさん広げて繋げることで、別れたくない相手に何度も届いて、相手からも受け取って、その愛の交換がまた出会いに、出会える希望になる。
別れに対して、突っぱねて「いつまでも一緒だよ」なフィクションに留まらず、離れても何度でも会いたい、愛してるって言い合う、実現できるところにアンサーをくれた気がして、これがこれからの出会いの力になる。自分にとってそんな作品になりました。


この一日だけの一瞬の出会いの場を用意して、素敵な役者さんたちが一番輝くようなシーンを作り上げる力が一番すげぇ。なによりも。
出来とかじゃなく、この公演が実行できた時点で勝ちだなって思った。何と戦ってるのかは分からないけれど。
今年最も「自分もやりたくなった演劇」になると思う!

王子で毎年夏にやってる中高生サマースクールははちゃめちゃに楽しいから、これを読んだ中高生の皆さんは参加するといいよ。多分今年も開催すると思う。
大人の皆さまはぜひ発表公演を観て感想をいっぱい発信してくれると嬉しいよ。
あの時にたくさん感想もらえたのが嬉しくて、この観劇noteも始めました。
あの夏を思い出す今年の冬でした。


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