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劇団フィータル大忘年祭2024いってきた

書こうと思ってる観劇感想が6本溜まってるけど、こういう時は新しいやつからやってくのがいいって好きなYouTuberが言ってた。
ので、新しいやつから新鮮な旬なうちに書いちゃいます!

短編2本と主宰トークを聞いてきた。

キルハトッテ見にいく気持ちでいたけど、主宰トークが思った以上に楽しかったな。劇団とユニットと(この二つの違いよく分かってない…)色んな形があって。
なにせ自分が「劇団を始めよう!」って準備してるところだったから、興味深いわ、深いわで。集客や展望やら、それぞれの色を感じながら。
前回公演が最大の宣伝。ってホントだ!って感動してた。今年ロロ観にいった理由も、去年観て面白かったからだなぁ。とか思い出してた。

個人的に幾何学おばけさんがめちゃくちゃ面白そうだなって感じたので、いつか見てみたい。ちょうど公演が終わった直後だそうで、少し残念。
パキケファロ長崎さんがおっしゃってた、小さい箱の閉鎖感が良いとか、自分が面白いと思うことやるとか、フライヤーが目を引くと良いよねとか、
すごくマインドに共感したのがあって、とても気になっている。ボドゲが楽しいのもめっちゃ分かる。
こういう出会いもあるから、イベントも楽しいね。

短編公演の2本は、題材が両方とも刺さるなーって思いながら観てました。

劇団フィータル『もやしツーブロック』


新人編集さんが有名な作家に会ったら、疎遠になったお姉ちゃんだったお話。
主宰トークでの『真空プール』での感想にもあったんですけど、こんなに現実的に描き出せるんだって衝撃。この障がいを持つ家庭に対する解像度、姉妹や親子の関係性を繊細なポイントや、シチュエーションで描かれている。
友達とかって何人もいたりして、こういうパターン、そういうパターンってあるけど、
家族って一つしかなくて、その閉鎖的な関係の中では、それが当たり前で正解だから、違うことに気づけなくて、代わりも作れないから離れることもできなくて。
人と家族の話した時、えっ!ってびっくりするようなこともあれば、逆にびっくりされるようなこともある。それくらい家族の中でのルールや常識って違ってる。
そうして自分の家の中だけじゃ気づけない異和があっても、家族だからだったり、ある時の愛を信じて庇護したくなる。妹の子があんなに怒ってた理由もすごい分かる。
ただお姉ちゃんとか母親とか、あとはお父さんも、絶対悪ではなく、どれが悪いとかの結論はつけられないから、折り合いをつけて付き合っていくしかない、家族として姉妹として。
お姉ちゃんのサポートしながら二人三脚で活躍するであろう姉妹が良かった。

キルハトッテの『のび〜る旅館』


ツカミの「ちょっと、ちょっとちょっと」までのスピード感ですでに満足。これとカウントダウンがカップルの二人の中での共通言語として、たびたび使われるのもいい。こういうくだらなくさりげないやりとりができるのも付き合ってる二人の特権だと思う。
ちょっとを繰り返して伸ばすのとか、マスカラで伸ばすまつげとか、待ってたら伸びちゃうパスタとか、袖の伸びたカーディガンも、全部がのび〜るものになってる上手さと無駄のなさ。30分にのび〜るが詰まりに詰まってた。

旅行終わり、旅館から帰りたくないってぐずる彼女と、約束があるから帰らないといけない彼氏。最初に約束の相手が言えなかったのも、彼女との約束だったからで、振り返ってみるとかなりSFしてる。
多分だけど、本来は旅行に行く前で、旅行に行った時間軸は仮想の時間なのかな。沈黙が多くなって気まずい間は何かを言い出したい間になる。これ聞いて、プロポーズだといいなぁって思ってたけど、
旅行の終わりの話で、帰りたくないこの旅行が仮想なら、ラストのカウントダウンの先はお別れの話だったんだろうなって思った。
お別れせず、旅行に行って、長く老いるまで暮らしたかもしれない時間を見て、やっぱり違和感感じたのかな。まつげがあんなに伸びるのも、旅館で手作りパスタが出てくるのも、違和感だ。夢みたい。旅館の廊下が伸びるなんておかしいもんな。多分、夢だったんだ。
お別れって結論を夢に浸かって先延ばしに先延ばしにして、カウントダウンしても言えなくて、でも、そのまま終わっちゃダメだったから、カーディガンの伸びた袖から飛び出して、自分の家に帰る。
構造頭いい〜!!旅行前と旅行後が入り乱れ始めたあたりからの、話に気づいた興奮で楽しかった。カップルの二人のやりとりが可愛らしく甘いほどに、現実の二人の距離が浮き出てくる、この辺りの触感は、微笑ましいと思いながら、終わりに切なくなってしまう。
この30分の中で劇的な起伏があると言うよりは、旅行から帰りたくない、別れたくない、終わりたくない。の一瞬の感情をゆっくり描いて、次にちょっと進む終わり。終わりに向かう終わりは少し希望があり、少し、いやだいぶしんみりする。
まるーく全部思い通りのハッピーエンド!じゃなく地に足ついてる人生っぽさがじんわり沁みる。

”待つ”ための”まつ”毛、好き。



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