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『陽光』いってきた

おちらしさんいいね。普段の行動範囲じゃ見かけないフライヤーが手に入る。

そんな初めてのおちらしさんで一際目を引いたトレーシングペーパーのフライヤー、劇団ヅッカ『陽光』行ってきた〜。

んふっ。思わず変にニヤケちゃうくらい空間がカッコよすぎる。なんだこれ。暗いうっそうとした空間でDJが音楽流してる。本物のレコードが流れてるところ、初めて見た。洒落すぎ。定期的に曲が変わって、立てかけたジャケットを変えるところをジッと眺める。それだけなんだけど、それがすんごい心地良い。これが6時間くらい続いてもいいくらい。それは少し盛ったかも。ヒーリング効果があった気がする。焚き火動画のようなずっと見ていられる感じ。

入口側を舞台に劇場の奥が客席のスタイル。ギャラリーを使った高低差ある演出が見れて楽しいやつ。さらに、鉄筋組んでギャラリーから下まで降りれるようになってる。
あそこ使う時って、毎回あの階段を昇り降りしてるのかと思うと、めちゃくちゃ大変だな…と思うので、ここが繋がってるのすごい新鮮かも。
そんな劇場の中で席について、いつものチラシ束を見たら、あの!トレーシングペーパーのフライヤーが!!しかも!黄色の紙に重ねられてる!?!
トレーシングペーパーってことは下の紙が透ける。どんな紙が下にあるかで表情が変わって素敵だなーと思っていたけど、
黄色に重ねるのがひとつのこたえとして明示されてビックリ。

黄色のA4紙に重ねられたフライヤー


しかも、この黄色が観ると分かる。黄色なんだな。🌼。
このフライヤーを何回も眺めながら、公演日を楽しみにしてたので、この意味がほんの少し分かったのが本当に嬉しい。
この中央にある黒い丸、多分太陽の反転なのかな?が目を引くんだけど、
舞台の上手上方のミラーボールに照明が当たると、壁にまるでこのフライヤーと同じような、ミラーボールの真っ黒な丸い影と、その周りに散る光が現れるんです。
言葉での説明が難しいな。
ここの丸い影がとても綺麗で、フライヤーのビジュアルとも重なってめちゃくちゃお気に入りです。

王子で綺麗だなーって感じる照明、100%中村さんなので、ほんとすごい。最高です。

音もビジュアルも空間も全部いいなぁって感じ。
お話の方は、多分きっと全然理解しきってないところもあるけど、リズム感?テンポ感がほんとに楽しかった。
「ジャブ!ジャブ!ストレート!」も童謡の『にじ』も。
キャストの皆さんのハツラツとした声がよく響いて気持ちいいんです。
地底との交流と、現実世界でのあれこれと、幼少期と今と、あっちとこっちとがシームレスに展開されていくこのテンポ感。この精密なタイミングの感じが楽しい。
でもって、待たせるところはガッツリ待たせるから、緩急が最高。さっきまで一瞬たりとも音が止まなかったのに、次には全くの無音なことがある。静と動がここまで極端に振れ切ってるとどのシーンも楽しい。
黒子さんや、字幕の補足補助もすごい上手く効いてて。
DJ含めて、登場人物の5人とはまた切り離された役割で、舞台上に存在している異質さみたいなのも新鮮だった。無粋さがなく作品に溶け込んでておしゃれ。
全てに関して使い方がうめ〜!

最近、夏からここまでの秋くらいにかけて、エンディングキャンセルな作品によく当たる。なんでだろう。一回終わった…?と思わせてのその先にひっくり返される感じは楽しいから良い。
『陽光』はなんか、これも話をひっくり返すような終わってたまるか!バーン!!みたいなキャンセルじゃなく、エピローグともなんとも言えない、そのままずっと続きそうな終わりのない日常の段階に突入した気がして。でもただ、必ず最後はあるので、終わらない終わり?終わる永遠?のような不思議な空気を感じてた。

あと、やっぱり舞台上でご飯を食べる役者さんが好きだ。見てるこっちも幸せな気持ちになる。
行く前におにぎりを食べてて良かった。食べてなかったら、こんないい気持ちにならなかったかもだし、お腹が鳴ってしまってたかもだから。

とにかく気に入ってるので何回でも言うけど、今年のベストフライヤーはこれ。
フライヤーで高まった期待に負けない、しっかり作品でも満足できたのでNo.1。


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