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2022年 3回目のキャンプ in 館山・RECAMP館山(2022/2/11〜2/13)

 去年は暖かい冬でしたね。なんたって2月にふもとっぱらに行ってたんですから。雪も無かったし、芝も若干青かった。しかし今年はどうですか。とにかく寒い。12月以降、キャンプ場では水は凍るし霜柱は立つし、関東の雪も珍しくありません。
 実は当初、2月のキャンプは河口湖を予定してたんです。少々寒くたって、雪が無ければ別にいいじゃんかと。ところがどっこい、とにかく雪が多い。タイヤチェーンは用意したとしても、荷物満載で後方の視界が制限される状態で、街中に近いにしても標高の高い場所は無理して行くべきじゃ無い。いや、私ひとりなら喜んで行きますよ。雪なんざ踏めば平らになるんだし、ストーブ焚けばテントに雪も積もらん。でも、うちのキャンプの主役はかみさんですから。彼女につらくて寒い思いはさせたく無い。それがアウトドアの本質から離れたとしても、家にいるより快適で楽しいキャンプをしてあげたいんです。だからね、それで急遽、暖かそうな場所を探しました。
 探せばあるもんだ。と言うか、以前に利用したRECAMPさんから、「あったかい南房総はどうよ?」ってメールを頂いて。いや、そんなフランクな文面ではないけど、飛びついてみた次第です。

直前までヒヤヒヤ

 自分の誕生日を指折り数えるなんて久しぶりの感覚。誕生日なんて、30過ぎたら嬉しいもんじゃないですからね。11日が金曜なので、土日あわせて3連休。伊豆や富士周辺が多い我が家において、かみさんは初の千葉遠征です。
 ところが直前に雪が降りました。厄介なことに東名ですら冬タイヤ規制が掛かった。通勤は東名か箱根越えしか手段がないので、木曜は会社を休んじゃった。だっていざって時のために買ったタイヤチェーン、木曜着なんだもん。出勤するのはいいけど、帰宅できなくなったらキャンプはどうするのさ。ちなみに私は神奈川の海側真ん中辺りから、静岡東部の干物の街まで通勤してます。途中の県境がヤバいんです。で、家でウダウダしながらタイヤチェーンを受け取り、キャンプ用具を車に詰め込んでました。
 そして金曜日の朝。まあ千葉は大丈夫だろうと踏んでいましたが、それでもアクアラインの向こう側、千葉県に入ったところで冬タイヤ規制がかかりましたね。
 それにしてもアクアラインは偉大だ。湘南から南房総まで、約2時間で着いちゃう。西伊豆より早い。心配していた冬タイヤ規制も解除され、スイスイと進んでいきます。
 途中、なにか名物的なものは無いかと『道の駅富楽里とみやま』に立ち寄りました。海産物安いですね。ちょっと量が食べきれそうに無いので見るだけでしたが。野菜も美味しそうなので、トマトとイタリアン菜花なるものを購入。それで今、書きながら思い出したけど、地ビールも買ったんですよね。自動車道のサービスエリアで? って不思議に思って調べてみたら、道の駅と併設になっているからだって。なるほど。
 館山道の終点を出て左折し、広い国道を走ると、両脇の街路樹が背の高い椰子の木っぽい感じが並びます。すげー南国っぽい。マンションが建つ道の辺りなんて、ぱっと見はサンフランシスコみたい。若干の干物感はあるけどね。それもしばらく走ると能動的に農道的な道になります。道幅は狭くなるし、木々は針葉樹がチラホラ。その国道さえ逸れてしまえば、見慣れた感じの景色。『ご自由にどうぞ』と書かれた畑は菜の花が咲いています。花が開く前なら葉も柔らかくて、豚肉と併せて炒めると、ほろ苦さと春の香りで美味しいのだけど、もうすっかり花が勝ってる感じ。そんな道を抜ける寸前に「キャンプ場入口」の看板があり、そこが今回のキャンプ地である『RECAMP館山』なのでした。

全面芝生だ!

 受付はコンテナの仮設でした。この春に整備が完了して本格オープンするとのこと。元は館山ファミリーパークと言う観光施設で、以前はポピーの花が一面に咲く場所だったみたい。

物悲しさすら感じる

 以前の建物も残っていて、それらを改修して再利用するらしい。工事の作業車なども出入りしていました。場内はあちこちでパイロンで区切られた場所もありましたが、利用できるテントサイトは芝生もはられて良い感じです。花畑の名残が感じられる範囲を区画として、指定されたその範囲内であればフリーに設営できました。基本的にはオートキャンプ場では無いので、車両はサイト内へは立ち入りできませんが、その区画に隣接して駐車場が整備されているので、荷運びは最低限で済みます。カートも随所にリヤカーが置いてあり、不便は無さそうでした。
 今回、うちは一番奥の区画で、水場やトイレも近い好立地。元が花畑ですから地面の水平も出ているし、芝は適度に踏み固められていて、ペグの効きにも不満なし。ただ、ハンマーが要らないレベルでした。具体的には手で刺して、足で踏めば250mmのペグがずっぽり入る感じだったので、強風時は対策が必要だと思います。

開放的な芝サイト

  一面の芝生ってのは気持ちいいですね。ギアが土で汚れる心配もないし。ただ、注意したいポイントが4つ。ひとつは焚火。火の粉が落ちれば燃えるかもしれません。燃えないまでも黒い焦げ跡が着きます。当然ですが裸火はダメだけど、焚火台の下に防火布などの対策は必要。焚火台との距離が10cmぐらいなら、確実に熱で芝生が焦げます。それは防火布を敷いたとしても。だから出来れば水を撒くなど気を使いたい。
 次が地面の柔らかさ。芝の根が土の中を走っているので、いくら踏み固めても柔らかい。これがしっかり固まってしまうと芝生は枯れてしまいます。このふかふかな地面にチェアの脚がよく刺さる。下手をするとバランスを崩してひっくり返ってチェアを破損したり、そこまで行かなくとも脚先のゴムだけ地中に埋まってしまったり。ヘリノックスなどは脚先に付けるゴムボールなどもありますね。高いけど。
 3つ目は特に冬場ですが、雨なんか降ると枯れた芝が貼り付いて仕方がない。特にグランドシートなどは芝の上に直に敷く上に、地面からの湿気で濡れることも多い。だから撤収の時には裏側をよく乾かして、芝をはたき落とす必要があります。また、タープなどは乾いていても、畳む時に地面に置いたらもう芝だらけ。

水場はよきかな

 キャンプ場に改装の際に設えたのでしょう。トイレ横に屋根付きの水場がありました。横に長い調理スペース付きのシンクに蛇口はお湯と水がそれぞれ1セット。それが八角形の正面と対角を除く6面に設置されてます。水場中央には4人掛けの木製テーブルとチェアが3セット。これなら水場の取り合いにもならなそうだし、なんなら座って待ってることも出来ます。

立派な水場

 どうしても脂っぽい食事が多いキャンプにおいて、お湯が使えるのはポイントが高いです。特に冬場は洗剤を使っても落としにくいし、何より手が切れそうに冷たいなんて場合も多い。だから「洗い物は女性の仕事」なんて考えちゃダメですよ。むしろ積極的に男が洗え! どうせたまにしかやらないのだし、アカギレやひび割れなんて無縁でしょ? だって私がそうだもん。基本的に毎日、夕飯後の皿洗いはしてるけど、アトリックスもニベアもオロナイン軟膏も使ったことなんてないもーん。

薪は売店で買うしかない?

 富士の周辺や道志道など、もはやキャンプ場銀座みたいな場所だと、いたるところで薪が買えますね。農家のじいちゃんばあちゃんが小遣い稼ぎで売ってたり、道の駅や場合によってはコンビニでも売ってます。しかしこのキャンプ場周辺では見かけることはありませんでした。その代わり売店で売ってます。針葉樹は700円と広葉樹の900円。ちゃんと乾燥してて良い薪でした。量も不満はない感じ。結束も麻紐なので、ほぐしてファイヤスターターでの着火にチャレンジしたりに使えます。ただしサイトから売店までは距離があるので、車で買いに行った方がいいかも? 抱えて歩くにはちょっとしんどい。まあ、カートでもあればお散歩がてらで良い感じ。

海近し。まあ、海だけど。うん。

 売店を兼ねた受付の目の前の道路を渡ると防砂林が広がります。砂地の遊歩道を抜ければそこは海。と言っても砂の土手の様になった傾斜を越えないといけない。とにかく砂山を越えれば海。東京湾の入り口が眼前に広がります。…でもそれだけ。サーファーが波と戦ったり戯れたりを眺めるのはいいけど、10分も居たら飽きちゃう。海沿いの街に住む人間には、それほど感動もないのであった。むしろキャンプ場側を見ると後ろは高台になっていたり、鳥居が見えたりでそっちの方が気になる。気にはなるけど行こうとは思わない。なぜなら若くないから。

転々とサーファー

カスタムパーツを初投入

 我が家では冬の間はワンポールのベルテントとTCコットンのタープが主流です。だいたい11月からゴールデンウィークまではこれで行こうかと。ちなみに夏場はワンタッチタープを2つ使いで片側にインナーテント、もう片側はバグメッシュでリビングにってのが最近のスタイル。
 ワンポールはやっぱりセンターのポールが邪魔くさい。なんたって大黒柱がセンターにズドンと立ってますからね。コットから起き上がる時には便利だけど、照明をぶら下げても斜めになっていまひとつだし、幕内のレイアウトもいろいろ制限されちゃう。
 それで考えましたよ。世の中には二又化パーツなるものがある。それを使って、さらに少しだけカスタムして三又化しようかと。三又化の理由は、付属のセンターポールは鉄製のぶっとくて頑丈なものですが、今回のカスタマイズでは、太めと言ってもアルミのポール。テンション強めのベルテントではちょっとだけ強度が心配。それに二又では脚元がスリップしたらテントが一気に潰れる可能性も考えられます。なので構造的に安定する三角錐になるようにポールを配置したいと。ただし、そもそもが二又化パーツはソロ用レベルの小さなテントに使用する事を想定していて、このまま小振とはいえ直径3mのベルテントにインストールするには不都合もあります。
 まずはテントを下から支えるヘッドのボールが小さい。それは自動車用のシフトノブで直径50mmの金属製ボールがあり、ごちょごちょと改造して取り付け出来ました。

いろいろ改造 
こんな風に計算して
こんな物を作って
こんな風になりました

 次に考えたのは3本目の脚(下ネタじゃないですよ)の取り付け方法と角度。そもそもそんな構造じゃないので、そこは加工が必要です。ポールの長さ、展開角度、脚の位置などはCADを使って計算しました。その計算データから必要となる角度調整用のスペーサーをごにょごにょと製作して、さらに脚の開き止めには市販のドアストッパーを加工して、ロープと自在金具でテンションを掛けてます。これでガッチリ安定しました。まあ、カスタマイズなんて興味の無い人には全く面白くない話なので、これ以上は書きません。

あとは呑んで食ってウダウダするだけ

 テントを設営し、タープを小川張りして、テーブルとチェアをセットしたらお楽しみのスタートです。家で2時間半も煮た牛スネ肉でビーフシチューを作ったり、道の駅で買ったトマトをサラダにしたり。それで飲むワインの旨いこと。そして焚火をすれば最高のシチュエーション。

下準備は完璧
これが醍醐味

 初日と2日目はいい天気でした。日差しもたっぷりで、夕日も美しい。しかし最終日は未明から雨。撤収は本格的な雨の中でした。おかげでテントもタープもびしょ濡れのまま。帰ったら乾さなくちゃ。
 今回は本格的なオープン前でしたので、未完成な設備もいろいろ。でも今後が楽しみなキャンプ場です。出来れば年に一度でも訪れて、見守っていきたいと思いました。次はもう少し暖かい時期に来たいなぁ。

データ
基本利用料:¥4,000-(税込)
大人1人追加料金:¥4,000-(税込)
薪:針葉樹¥700-/広葉樹¥900-