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想像の世界から飛び出した!「カミクボユウスケ」ファンタジーランドの仲間たち
カミクボユウスケさん。
ロボットや機関車など、メカニックなものをモチーフにした陶芸作品で人気上昇中のアーチストです。
わたしが初めてカミクボさんの作品を知ったのは、昨年の夏の初めの頃でした。
偶然、SNSに発信されていた作品が目にとまり、他にない作風に興味が湧いたのがきっかけで、その後、個展を訪れて作者であるカミクボさんにお会いすることができました。
個展では、展示台にずらりと並んだ作品のどれもが予想以上に個性豊かで、あれもこれもと、ついつい目移りが止まらず…。すっかりワントーン舞い上がっていたであろうあの日の自分を思い返すと、今でも少し恥ずかくなりますが、それほど陶器でできたメカニックなオブジェたちは魅力的で、わくわくさせてくれる力がありました。
印象に残ったのは、童話の中に登場するような大時計、アニメ映画にでてくるような宇宙船、怪獣?やロボット?…どれも奇想天外、独創的な姿をしていて見ているだけで楽しくなり、キリがないほど想像が膨んできました。
その日はすっかり作品の世界にハマって、楽しんだ記憶が今も鮮明に残っています。
★カミクボユウスケさんTwitter
interview
子供の頃の思い出が原点。懐かしさ、愛おしさ、無垢な心が具現化した、愛らしい作品たち。
「最近、僕の作品を集めてくれる人が増えてきて、うれしいですね。
よく、ジブリに出てくるキャラクーの雰囲気があるって言われます。
懐かしくてやさしい感じ、見ていてホッとするというコメントをいただくことが多くあり、そういうところがジブリのイメージと重なるのかもしれませんね。
自分では、何かを意識して作っているつもりはないのですが、あえて言えば、僕が子供の頃に見たり、遊んだりしたロボットや怪獣キャラクターがずっと頭の中にあって、それが原点になっているのだとは感じています。
昔からモノを作ることが好きで、小学生の時は、工作の時間がすごく楽しくて、夢中になってモノ作りに取り組んでいた記憶があります。
今もそれに近い感じかな。
作品を作る時はワクワクして、子供の頃に返っていますから(笑)」
カミクボユウスケさん、どんな人?
カミクボさんご自身のことも気になって、一言でいうと、どんな人?と質問をしてみました。
「うーーん。一言は難しいなぁ…。頑固な変わり者かな…」。
変わり者という答えにうなずきたくなるのが、カミクボさんのご経歴です。初めてのことにチャレンジしたり、体験することが好きというだけあって、作品さながらなかなか個性的。
東京で暮らす以前は、北海道で競走馬の飼育をする牧場で働き、その前は福岡に住んでいたそうです。
南から北へ、土地勘がまったくない場所でも興味が湧くと即行動に移すほど、とにかく好奇心が旺盛。自分の思いに正直でいることを大切にしている方のようです。
“頑固な変わり者“は異彩を放つ作家には、必要な性分なのかもしれません。
「新しいことや、まだ自分がやったことのない体験をしたいという気持ちが強いんです。作品も、普段使いの器を作るよりも、新しいキャラクターを生み出すことに惹かれます。
だから、同じものを量産するのは苦手ですね(笑)
自分の頭の中にあるイメージを土を使って形にして、焼くとまた違う表情がでてきたり。思うようにいかないところ、予想を超えた仕上がりに驚いたり…、そんなところも陶芸の魅力。これは面白いっ!ってハマってしまってからは、どんどんのめり込んでいきました。
僕の作ったものを見て、子供の頃を思い出したりやさしい気持ちになれたり、心が安らげる時間が持てたのなら、それは作家冥利に尽きますね」
独創的なファンタジーの世界を創り上げることにチャンレンジ!無限の可能性に注目!
陶芸を始めて10年。作家としてやっていく覚悟もできた今、これからの新たなチャレンジについて伺いました。
これから新たに挑戦したいと思っていることを教えてください。
「自分の作った作品たちの存在する場をあきらかにしていきたいと思っています。一つひとつの作品がバラバラに存在するのではなく、一つの世界から生まれたもので、それぞれにいろいろなストーリーがある。そんなふうに、異世界というか、想像の世界を具現化して、作品の世界観を創り上げたいと考えています」
ご自身で異世界のストーリーを創っていくということですか?
「まずは、自分で進めようと思っています。作品を作るときに思い描いたことを言葉にしてみたり、そこに想像を加えてストーリーを考えたりしながら、少しづつ進めていくつもりです」
どんなふうに表現して、伝えていくのか手段は決めているのですか?
「絵本にするとか、文章なのか…。まだ、具体的に表現する方法までは決めていません。いろいろな方法があると思うのですが、どれが一番、イメージにあうのかも模索中です。
大変なことをしようとしているのかもしれませんが、僕自身は楽観的。楽しんでいます(笑)
そういうことを考えながら作品を作るのも面白いし、モヤモヤとしていた作品たちの素性がだんだんはっきりしてくることにも新鮮さを感じます。それにストーリができれば、作るものも変わるはず。なんとなく思い描いものを作るのではなく、この話に登場するこんなキャラターが必要といった感じで、キャラクターを生み出すことに意味ができる。そういう展開も面白いかなと思ってます」
同じようなメカタイプの作風の作家さんたちとユニットを組んで活動されていますが、今後の予定は?
「作風に共通するところがある作家さんを見つけて、僕から声をかけました。僕をいれて4人の作家のグループ「M.C.U」と名乗って活動をしています。
皆さん個性的で、一緒に何かやれたら活動粋も広がるし、面白いことができそうです。今年の秋にはこのメンバーで個展をやる予定なので、それも今から楽しみです」
★陶芸家グループ、M.C.Uの公式アカウント
将来の構想などありますか?
「今作ろうとしている作品の世界をいろいろな形で知ってもらい、楽しんでもらえるようにしたいと思っています。
例えば、展示会で作品だけが並ぶのではなく、展示会場まるごと作品の世界。会場の演出から造りにいたるまでイメージを統一させて、まるで小さなアミューズメントパークのようにしてみたい。そんな大きな構想があります。まだまだ、スタート地点に立ったばかり。やることはいっぱいなので、夢に向かってがんばっていこうと思っています」
2021年は、いろいろな場で作品を発表する予定がかなり入っていたのですが、現在は自粛要請のため、作陶に励む毎日です。
本来なら、ここにズラリと個展や展示会の予定を書き並べてお知らせできたはずなのに、残念でしかたありません。
カミクボさんの作品を知りたい方は、以下にアクセスしてみてください。
ファンタジーの世界から生まれたたくさんの住民たちに出会えます。
大人になって、子供のようにトキメクっていいものです。
心に留まった作品があったなら、手元に置いて、想像の世界を楽しんでもらいたいと思います。
★カミクボユウスケHP
懐かしい記憶が蘇るやさしいオブジェたち。
無垢なココロに帰りたい時のスイッチになってくれます。
Writing:Rie Maeda