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HSPの人は普段こんなことを考えている

 HSPとは、簡単に言うと先天的に繊細な人のことです。一昔前にHSPを扱った「繊細さん」という本が話題になったので、知っている人も多いかもしれません。これから話すことは、HSPの人は「わかる!」と思ってもらえるかもしれませんし、HSPでない方は自分には関係ないと思うかもしれません。ただHSPは人口の15%〜20%いると言われているので、あなたの身近にも必ずいると言って過言ではないでしょう。自覚がない可能性もありますが。

 今回はHSPの私が普段どんなことを考えているか、どんな風になってしまうのかについてお話ししたいと思います。それを知ることで、仮に自分がそうでなくても「へぇこんな人いるんだ」と思えれば、周りの繊細な人のことも少しは認めてあげられるのかもしれません。

HSPのデメリット


① 次の日に予定があると寝られない


 私は待ち合わせ相手が何時間遅刻しようがなんとも思わないタイプです。しかし、自分が遅刻するのは怖くて仕方ありません。眠るためにたくさん対策を練ってきました。睡眠用BGM、就寝前にスマホをいじらない、タバコを吸わない、軍事式睡眠法、入浴、果てはその前日から眠らずにいて無理矢理寝ようとしたこともありました。しかしそれでも寝られないのです。前々日から寝ない時なんかは結局2日寝ないで行くハメになりました。

 その結果、友達と遊ぶ時はもちろん、行政書士試験、原付の試験、仕事場の初出勤、あらゆるイベントごとを寝ずに行くハメになるのです。寝るのってなんでこんなに難しいんですか?

② ほんの少しの邪魔で集中できない

 私の場合、時間制限に弱いです。例えばネット上のテストで、制限時間が画面上に出ていてそのカウントがみるみる減っていくのが見えていると、頭が真っ白になります。逆に1分程度落ち着く時間を作って、ゆっくり自分のペースで進めることになります。ゲームでもその手の時間制限があるものは苦手です。

 他にも、誰かに見られている状況だとか、周りに声が大きい人がいるだとか、その程度でパフォーマンスは20%ぐらいまで落ちてしまいます。もし、今こうして文章を書いている私の隣にそれを見張る人が居たら、ペースも文章の内容もボロッボロになるのは想像に難くありません。

 ちなみに、HSPではない人に言いたいのは、「じゃあ見張らなければいいのか」と視線を外しても無駄です。誰かが自分を待っているという状況があるだけでパフォーマンスはまあまあ落ちます。めんどくさいでしょう?


③ 人が多いところに居ると疲れる

 人混みもそうですが、私の場合4人以上の集まりには行かないことに決めています。普通そうに見えても、ハンターハンターで言うところの円を使い続けてるように周りに気を張っているため、どんどん精神エネルギーを消耗しています。「あの人は輪に入れてないな」とかすごく気になります。

 なんなら、自分の後ろに人が立つことも嫌です。電車は必ず背を壁に向けますし、座りもしません。席を譲る譲らないみたいなことを考えるのも面倒なので。ファミレスでも端っこで入口が見えるところに座ります。

 飲み会大好き! ウェーイ! 陽キャでございまーす! という人から見たら「ノリ悪い奴」としか思えないでしょうが、はっきり言ってあなた方とは使ってるエネルギーや考えてる思考量が桁違いなんです。だからそういう面倒な奴もいるんだ、とそっとしておいてください。


④ 強い刺激に弱い

 HSPの特徴として、五感が鋭いというものがあります。だから色んな強い刺激に弱いです。私の場合極端かもしれませんが、視覚で言うと昼間の晴天とかほとんど目を開けてられません。みんなよく開けられますよね。家の中も電気ほとんどつけませんw できればタモリさんぐらいサングラスを着けて生きていきたいですが、気取ってると見られるのが怖くてそれもできません。

 触覚でいうと、なんかヌメヌメしたものが触れませんw 洗い物とかすっごい嫌いで、最近使い捨てのゴム手袋を購入しました。ひとたび排水溝あたりにものが落ちると、なるべく素手で拾わないように手を尽くしますw

 聴覚でいうと、ひどい話ですが生理的に受け付けない声が結構あります。それも不思議とだいたい後になってわかるんです。YouTubeなどで「なんかこの人好きになれないな」と思ってよくよく考えてみると、声が苦手なんだなと気づきます。

 味覚でいうと、関係あるかわかりませんが好き嫌いがとても多いですw 苦い、辛い、酸っぱいは全部ダメです。健康のためになるべく食べてはいますが、「食べたいものだけ食べろ」と言われれば肉か炭水化物しか摂らないでしょう。

 嗅覚だけは、慢性鼻炎のため逆に全っ然感じません。周りの人が「なんか変な臭いしない?」と言われても全く気づきません。HSP関係ないですが。


HSPのメリット


① 集中力が高い

 大体デメリットで挙げたものはメリットにもなり得る部分です。集中力は切れやすいですが、逆に集中した時の思考の深さは常人より高いです。どこかで聞いたことがあるのですが、チェスの強い選手が、観客に見守られた中では負けたのに、同じ相手に無観客で対戦したら圧勝したという話があるそうです。勝手な想像ですが、その人はHSPだったのではないかと思います。

 私のイメージとしては、縦に積んだ積み木のようだと思っています。平たく積んだ方が安定しますが、高くは積み上がらない。逆に縦長に積んだ積み木は少しの衝撃で崩れてしまうが、高く積み上がる。私の集中力は縦積みタイプだと思っています。

 これによって、例えばみんなが困っている状況を一撃で解決するような案を出したりすることが多々あります。小さい頃から人に相談されることも多いです。私の実感としても、ここまでは誰でも考えられるがここから先は自分にしか考えられないであろうというような境目があるように感じます。


② 五感が鋭い

 デメリットとまさに真逆になりますが、五感が鋭いです。視覚に関しては思い当たるものはありませんが、聴覚でいうと、一言聞いただけでその人の機嫌がわかることが多々あります。「おはよう」の「おは」ぐらいでもうわかります。正確に言えば、機嫌が悪いかどうかというよりいつもと違うことがわかります。

 これに関しては少し面白い話があります。昔付き合っていた彼女が帰ってくる「ただいま」を聞いて、機嫌が悪く感じたら「生理?」と訊く実験をしていました。毎回「違うよ」と言われましたが、私にはどうにも機嫌がいつもと違うようにしか聞こえなかったので、それでも毎回訊いていました。

 ある日、「すごいことがわかった」と彼女が言い出しました。彼女は生理周期をアプリで記録していて、同時に私の質問も記録していたそうなのですが、私が生理か訊ねる時はピッタリ生理8日前だったのです(正確には何日前か忘れましたが確か8日前ぐらい)。もちろん私は彼女の生理周期など全く把握していません。どうやら何故か一定周期で気分が落ちることがあるようだと本人もそこで初めて気づきました。

 さらにその後、また私が訪ねたときにアプリで周期を確認し、「残念、9日前でした」と言われ、あれ外れたかと思っていると、なんとその月は生理が1日早く来たのです。HSPは他人の感情を敏感に感じ取ると言われているので、聴覚のみの問題かわかりませんがこういうレベルで敏感なのです。彼女も「もうアプリ要らないじゃん」と驚愕していました。

 私の一番優れているのは聴覚なので、それに比べると他はそこまでではないですが、触覚でいうと結構器用で、カードマジックやギターが弾けます。味覚でいうと彼女の料理の違いには敏感に気づきます。本人が入れ忘れている調味料を当てたりできます。嗅覚は雑魚です。

③ 観察眼が異常に鋭い

 これはHSP共通のものかは分かりませんが、人を観察する能力が異常に高い自負があります。2、3言会話をすれば大体どんな人間か分かりますし、大雑把に言えば「この人性格悪いな」というのを察知できます。話しをしなくても、仕草や佇まいや歩き方を見るだけでわかる場合もあります。大げさじゃなく数秒でわかることが多いです。

 私は小さい頃から推理モノの小説やアニメが大好きだったので、もしかしたらそういった観察やコールドリーディングを意識しているのも影響しているかもしれません。しかしどちらかというと「ん?」という直感が先に来て、その理由を後から探していくというイメージなので、HSP特有の他人の感情に敏感という要素も含んでいるように思います。

 この観察眼は自覚だけでなく、他人からもよく言われます。「あの人は多分幼少期に親から愛をもらってなかったとか、家庭環境に問題があったと思う」とか「〇〇さん結構メンヘラでしょ?」とか「あの人はだいぶ人に気がつかえる良い子だと思う」という推測がピタリと当たっていて驚かれます。それもその対象と一度も話したことがなかったとか、数秒見ただけ、すれ違っただけのレベルなこともあるので、ハタから見たら「どこでどうやってわかったの?」と不思議なのでしょう。どうやって説明すればいいかも苦労しますが。

まとめ


 いかがでしたでしょうか。同じHSPの人でも、恐らく違う症状というか能力の方もいるでしょうが、私の場合はこんな感じです。HSPでない人にはとにかく敏感なせいであらゆる負荷が強い人がいると認識していただければありがたいです。HSPは本当に面倒くさい生き物ですが、そうでない人に出来ることもたくさんある生き物です。

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