年末と年始に観た表現…過去に破壊された私の音楽観
1月10日、記念すべき2022年スタートの日に「藤川真里ワンマンライヴ」を開催できた事は、私にとっても感慨深い出来事だった。
私がオリジナル楽曲のパフォーマンスをされる無名のミュージシャンの存在を知ったのは約20年前、県外のミュージシャンの音楽に積極的に触れ出したのが16年くらい前だから、この世界ではひよっこで未だに周囲には先輩ばかりだ。
それまで人並みにテレビやラジオから流れるものが音楽の全てだと思い込んでいたから、初期に触れたアンダーグラウンドのミュージシャンの表現にはそれまでの感覚を破壊されるほどの衝撃を受けた。
ちなみに世に出ていない音楽にもいくつものパターンがあって、より上のステージを目指す音楽もあれば、置かれている状況で自由に表現している音楽もあり、私はどのパターンも好きだ。
その初期に触れた中で私の音楽感を破壊されたミュージシャンが何人か居るが、その中の2人が2021年最後と2022年最初のステージに登場してくれた。
まず木村三郎。京都の怪人だ。
2021年12月26日の年内最後のライブに出演してくれた。
彼は私そして太子ホールの音楽を語る際に切り離すことが出来ない表現者だ。
過去に色々語ったので敢えてここには書かないが、彼がいなければ今の太子ホールの音楽はなかったと思っている。
その木村三郎は、年末のライブでステージで
「自分はテレビにも出た事がなく出る気もありません。私はアマチュアです。アマチュアだからこそ自分の思うがままに表現をする。これからもアンダーグラウンドで続けていきます」
というような内容の事を語った。
「私はアマチュア」と言い切る中に単なるアマチュア以上の凄みを感じ、その潔さに私は感動した。
そして藤川真里。2022年最初に出演してくれた。大阪中心に唄っている。
やはり15,6年前に出会い、そのギターワークや詞、表現、こんな音楽もあるのだと驚愕した。
藤川真里×昭和ラジオ(現いわいあや子)のツーマンは過去行ったライブの中でも珠玉のひとつだった。
木村三郎と藤川真里、この二人は、孤高という言葉が似つかわしく思うし、タイプは大きく異なるが、それぞれの個を見失わないその音楽が好きだ。
2021年と2022年を跨いで出演してくれた二人の表現をこれからも見ていきたいし、
ここには名前は書いてはいないが、人知れず紡ぐ多くの本気の音楽を届けていきたいと思っている。