Xデザイン学校校外研修旅行(京都) 京都DAY1、2 振り返り
11月19日、20日に受講したXデザイン学校校外研修旅行(京都)フィールドワークとKA法の京都1日目、2日目の内容を振り返ります。
学びもさることながら、反省の多い2日間でした。したがって、以下は主に反省文になります。
1 視座を携えて現地に入る
なぜその地域を選んだのか。その理由が「視座」。
注意が必要なのが、仮説や先入観、思い込みが入り込まないようにしないといけないということです。
考えも無しに漠然と観察するのではなく、その視座を前提に出来事を捉えていく必要があります。
この2日間、色々と踏み外してしまいましたが、まずこの点がすっぽり抜け落ちていたことが大きな反省点です。
また、西陣エリアという広大な地域を対象にし、容易に「あたり」がつけられなかったことも手伝い、観察対象の捕捉に大変苦労しました。
最初から問いを忘れず視座を意識できていれば、事前に「あたり」をつけることもできたのかもしれないと思いつつ、土地勘のない者が事前の情報だけでそれが可能なのか疑わしくもあります。
先生のおっしゃられる通り、インフォーマントのような水先案内人がいれば心強いのだろうなということは切に感じました。
2 それは「あるある」なのか
これも、すっぽり抜け落ちた点です。本当に、赤面ものです。
今回のお題は、京都における地域ごとの住民の違いでした。
それは、特徴のある誰かではなく、その地域のどこにでもいる人物像を見出すことであり、その地域の人たちが不文律の中で感じていること。皆が暗黙のうちに持つ「あるある」であることです。
いつの間にかそれを忘れて、個人が面白い(面白そう)と思うところを掘り始めていました。
言い訳のようになりますが、初日が本当に観察対象に出会わず、やっとこさ1件拾い上げることができたというところでした。
そこに来ての2日目。朝駆けをして、色々な生活者の動きが見えるようになり、初日とのギャップに楽しくなってしまったように思います。
有名な神社の近くのお店の方を観察し、インタビューも受け入れていただき、京都の伝統や歴史を感じる面白い話が聞けたと悦に浸ってしまいました。(本当に恥ずかしい)
まさに前提を見失っていました。
翻って、初日の最初の講義で、イノベーションは「集団の暗黙の価値観」と「技術革新」が組み合わさったものと先生はおっしゃられていました。
振り返ると先生はちゃんとそのように教えているんですよね。
普通の集団であって、エクストリームユーザーではないという点を強調されていたことを失念して、何か特徴的なことを探して躍起になっていたことが大きな反省点となりました。
3 価値はシンプルに
KAカードの作成にはとても苦労しました。
ポイントとなる出来事の切り出し。そこで想像した心の声の記述。そして、価値観の抽出。
右脳も左脳も総動員で書き出さないといけません。
一番苦労したのは、価値観を抽出する作業です。チューターの奥山さんからは、余計なことは書きすぎず、シンプルにとのアドバイスをいただきました。
良いカードにしたいと思いつつ、時間がない中で、えいやで書いた価値観がどれもしっくりこないし、他のメンバーのものと比べてもなんかズレている感覚が拭えません。
その場では結論が出ず悶々としているうちに、限られた時間は過ぎていき、グループワークはどんどん進みます。チームへの貢献も低いままで2日目のワークを終えてしまいました。
なんとも不甲斐ない思いを経験し、それが時間が経つごろに悔しくなって、福井に戻って自分だけでじっくり考えてみました。
結果として明確な答えは得てませんが、やはり前提を履き違えていたことがボタンのかけ違いになったように思います。
人が行動を起こすには、言葉に現れない暗黙の価値があり、それを見出すことがフィールドワークの本旨だったわけです。
とはいえ、行動観察だけではわからないこともあるので、インタビューにより行動の理由を問いかけますが、当然、話が脇道にそれることもままあります。
自覚的に軌道修正できれば良いのですが、話が面白くなってしまい謎の満足感を得て、相手も「もうそろそろかな」と言った空気を醸す中、その場を後にするということを繰り返していたように思います。
出来事から本質的な価値をあぶり出すのが難しかったのは、このあたりに理由があったように思います。
「シンプルである」=「本質の芯を食っている」だとすれば、自分のしていたことは芯から遠いところを撫で回していただけだったのかもしれません。
どなたかのリフレクションでも書かれていましたが、質問のバリエーションや相手の反応の機微を捉えた畳み掛けのタイミングなど、インタビューの経験値が全く足りないことも感じました。
この辺は教養が必要とのことでもあります。今後も、興味の幅を広げていきたいと思ったところです。
4 行動観察の難しさ
そもそも、行動観察の対象を補足するのに苦労しました。
また、出来事らしきことが顔を覗かしたとしても、それは一瞬だったりします。
カメラを構える暇さえないことも多かった印象です。ましてや、インタビューなんて出来そうにもありません。
例としてお伝えしたいのは、朝駆けして7時代に入った喫茶店とその後に訪れたお米屋さんにおけるエピソードです。
いずれも、良い方に巡り会えたと思える出来事でした。
喫茶店ではじっくりお客さんの様子を観察できたことから、肌感覚を伴いつつ、その方から醸し出される雰囲気を感じることができました。
常連客がそのお店に感じている価値があるように見受けられました。心の声が聞こえて来るように感じた出来事です。
一方、お米屋さんでは、ご主人がお掃除をされている様子を観察し、インタビューができたものの、行動そのものに地域の「あるある」を感じさせる価値にはつながりにくい出来事になりました。
掃除する理由は、店をきれいに保ちたいからといった、地域性に関係のない普遍的なことにしかつながらないからです。
講義では「焦点化」と教わりましたが、求めるものに近いと感じられたところで、じっくり時間をかけて行動観察したほうが良い成果を産みそうだと感じました。
5 最後に
今回は反省強めの振り返りとなりました。そのせいか、いつもより文章も長くなってしまい、大変読み返しづらい結果に。
2日の実地研修を終えて間もない「熱」を、あえて残しておきたいと思います。
また、余談にはなりますが、初日の夜の食事の際、チューターの奥山さんに役所の仕事にPDUピラミッドを取り入れられたら、素晴らしいことだと指摘をいただきました。
それは考えたいと思っていたことではあったものの、先延ばしにしてしまっていたことでもあります。
その場では、はっきりと考えを示せなかった訳ですが、普段から何も考えていないことを露見したようなものです。少しずつどのようなことができるのか考えてかないとと思い起こさせていただきました。
こういう刺激をいただけるのも、こういった研修に参加することのメリットだと改めて思ったところです。
さて、23日は最終日、ペルソナの作成までが予定されています。
この振り返りも含め、頭の整理をしながら、より学びを深められるよう取り組んでいきたいところです。