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【リフレクション】2023年Xデザイン学校校外研修旅行しまなみ海道フィールドワークDAY1、2、3

2023年7月15日〜17日に参加した「2023年Xデザイン学校校外研修旅行しまなみ海道フィールドワーク」のリフレクションです。

さて、今回の舞台は尾道から今治までをつなぐ「しまなみ街道」。複数の島を経由して本州と四国を繋ぐものですが、その島の1つが今回のフィールドワーク(FW)の舞台である大三島です。

このFWを通して、島の資源や課題を見出すことを目指します。

FW参加者は尾道に集合し顔合わせ。本研修は大三島まで自転車でたどり着くことから始まりました。ルートは様々ですが、およそ30〜40kmの行程です。

ここでは割愛しますが、その行程で諸事情があり、私自身は一時離脱をし、FW本番の2日目の午後から合流し、FWを実施しました。(多くの方にご迷惑をおかけしました。先生方、受講生の皆様にはこの場をお借りして、改めてお礼申し上げます。)

それでは、この3日間における気づきを以下に記述します。

1 プロトコルデータ収集の難しさ

FWの日はいずれも快晴で、高温な日が続きました。

暑すぎることが原因からか、日中は外で「何か」をしている人は限定的でした。つまり観察対象がほとんどいません。

そのため、街中を歩いて行動をじっくり観察するというのではなく、お店や公共交通の待合所にいる人、もしくはその店主などを観察し、インタビューをしていました。

観察において、気になったところがあればそれに焦点を当てて、その意図を聞いていくことがレクチャーにおける作法でありました。

努めてそのようにしていましたが、なかなか「どうしてそんなことをしているのか」と疑問に思う行動を見いだすことができませんでした。

その結果、早朝にみかん農家が農作業に向かう姿をみて、どうして朝作業に向かうのかと聞くような極めて浅い質問で完結してしまう結果、大した洞察を得られず、それ以降の雑談の中で地域性を見出そうとすることに躍起になっていました。

これでは発話データだけがあつまり、行動に潜む「あるある」を炙り出すことに繋がりません。

短期のFWで、どこに人がいるのか見定めることがむずかしいのですが、船やバスの待合所や飲食店で長時間居座って、その間じっくりと観察をし続けるといった手法もとり得たのかもしれません。(自転車FWというコンセプトとは反するかもしれませんが)

限られた時間の中、特に終盤には撮れ高が少ないと焦りからか、興味深い行動が見えていないのに、安直にインタビューしてしまう傾向があります。

じっと耐えて観察し続ける胆力を持ちたいと振り返りの中で思いを新たにしました。

2 待つことの大切さ

インタビューの際、気持ちよく本音を語ってもらうため、表情や声色により感情の機微を捉え、どう話を展開しようかと考えを巡らせることがあります。

可能な限り波長を合わせて、テンポもテンションも相手に合わせるようにしていますが、時折、間ができてしまった時など、答えを急ぎすぎて相手の思考を止めてしまったことがあったように思います。

答えを急ぎすぎず、グッと耐えて相手の捻り出す答えを待つ胆力もまた、必要であることを再認識しました。

3 地域における不文律の理解

今回の研修は自転車を駆使して、島をFWすることが主眼でした。

一方、事前リサーチや当日のインタビューなどを経験して、島の生活者のスタイルやリズムに対する共感度合いを高めるためには、生活者と同様に車で島を巡ることも気づきが多そうだと感じました。

例えば、旧上浦町にお住まいの方にとって、旧大三島にある中央病院は利便性がアクセスしにくいのかどうか、などは自転車を使うと大変に思っても、1人1台車を所有するような暮らしぶりであれば、それほど苦痛ではないかもしれません。

また、みかん農家のお母さんが、高齢を理由にそろそろ免許返納しないといけないと語った時の不安の混ざった複雑な表情も、車社会に身を置いていないとピンとこないかもしれません。

そのような、不文律の行動様式が調査者の体感としてもインストールされているのかどうかによっても、得られる洞察が異なるのではないかと思いました。

程度によっては、もはや参与観察の手法にもなってくるのかもしれませんが、行動と発話に対して表面的に分かった気になったり、ちょっとした行動の意図を汲み取れず洞察を見逃してしまうこと(ある言葉を発した時に不意に顔をしかめたけれど、その意図がわからない など)を避ける上でも、島の行動様式を体感しておくことが重要なのではないかと感じたところです。

最近は乗合タクシーもあるそうです。

どのように利用されているのか、一緒に乗ってみるのも学びが多そうです。

4 最後に

7/29にオンラインにてチームで分析を進めます。他のメンバーの観察結果と付き合わせてどのようなアウトプットを編み出すことができるか楽しみです。