Xデザイン学校校外研修旅行(京都) 最終日 振り返り
11月23日に受講したXデザイン学校校外研修旅行(京都)フィールドワークとKA法の最終日の内容を振り返ります。
1 一人でリサーチすることの効用
浅野先生のリフレクションとして、まず最初に、「フィールドワークの際、集団で対象を観察していなかったか」と問われました。
一人でないと、感性が鈍るとのこと。集団浅慮によって、個人の感性によるとがった洞察が埋もれて角が取れていくとのことです。
また、一人でないと機動性を失い、瞬間の行動観察を取りこぼすということも頷けました。
実際に、京都ではフィールドワークを2人でしていて、何かぎこちなさを感じていました。
単純に経験不足もあるのでしょうが、それ以上に深く切り込めない感覚がつきまとっていました。
1日目は主に2人で行動しましたが、お互いにそのぎこちなさを共有できていたので、2日目は主に単独行動をしていました。
その結果、2日目は実りの多い時間を過ごせたように感じました。(視座が欠けていたことで、実はその充実感はまやかしでしたが)
共に行動することで気にしないといけない対象がなくなること、思い思いの歩幅、スピードで何かを感じる方面に行けること。
観察するときも一人の方が身軽です。それとなく佇むのも一人のほうが目立ちません。
また、インタビューを切り出すときは、何がしか設定が必要です。今回は「西陣に移住を予定している人」を自らの設定に用いて、質問を切り出しましたが、これも一人だからできる設定です。
インタビュイーからすれば、見知らぬ人1人から質問されるだけでも脳内処理が大変でしょう。ましてや、私たちは一回りも歳の違う男女ペアだったので、「このペア何者!?」ともうそれは大変です。
不信がられないためにも、一人の方が利点が大きいと感じました。
2 ここでも「概念化」と「あるある」
KA法だけではサービスを生み出すためには不十分。概念化の過程が必要だということで、まずは「パターンランゲージ」をご紹介いただきました。
地域で得た価値をパターンと捉えて、どこででも言えるように概念化を図るために有効な手法のようです。(理解は及んでいません。。。)スケールするサービスを作るためには、概念化は避けて通れないことを焼き付けていただきました。
ただ、パターンランゲージは、しっかりとやるには少し大変とのことで、今回は深くは取り扱いがありませんでした。
そこで、ペルソナの作成となりました。
その際、「こんな人いるよね」と皆が共感するような類型を特定することになりました。
いわゆる「あるある」を捉える必要があるわけです。その過程では、言語化されていない暗黙のあるあるをちゃんと加味していく必要があります。
我々は高齢者をペルソナに設定しました。言語化に苦労はしましたが、2日のうちでもっとも接してきた年齢層であり、2人で人物像が共有しやすい対象でした。
その方針でペルソナを作成し、発表に臨みました。
その結果、先生からは「楽をしている」との講評をいただきました。見つけやすい人を安易に観察対象にしてしまっているということです。
確かに、高齢者は確かに地域を代表する年齢層ではある。ただ、今回の課題は移住者に提供する地域の住民特性だったはずであると。
5年もすればいなくなるかもしれない年齢層の人をリサーチして、これから住もうとしてる若い人に結果を提供しても、お題に答えていない事になります。
正直ハッとしました。
そこまで気が回っていなかったのが実態です。
現地に入る前に、視座を定めることになりますが、目的に適った形でそれを検討できていなかったことが見透かされたようです。
リサーチ地の設定も、チームが参加するメッセンジャーで方針もなくふんわりと決めてしまっていたので、視座を定めるという点では至らないところだらけでした。
3 最後に
4日間の研修は、苦しいところも多くありましたが、振り返ると楽しいが上回っていたように思います。
フィールドに出て知らないことに目にして、耳にすることのワクワクは何にも代えがたいものがあります。
そのことが走りすぎて、エクストリームな話に食いつき本旨を忘れてしまったことは玉に瑕ですが、フィールドワークの醍醐味の一端を感じられたように思います。
今回はチームメンバーにも恵まれ、ポジティブなムードの中で終始ワークができたことも幸運でした。
日常でも「なんであの人はあんなことしてるのかな」と、リサーチのアンテナを立てておくことが、鍛錬になるとのことですので、意識していきたいと感じました。
福井だとどこが面白そうだろうと思いを馳せつつ、こういう時、東京の方たちなら声を掛け合って受講生同士でもやれちゃうのが、地方民として羨ましくも感じています。