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「全国通訳案内士」試験 合格への道のり~(16) 2次「外国語訳」は過去問全問でリテンション力を特訓

2次口述試験の「外国語訳」問題は、自分が一番苦労した領域です。試験直前まで自信のないままでしたが、合格したということは及第点が取れたということだと思いますので、自分なりのその克服の道筋をたどっていきます。

「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳」(『全国通訳案内士試験ガイドライン』より)の問題は、日本特有の事象についての150字程度の日本文が試験委員によって読み上げられ、それを1分30秒以内に英語で口述するものです。

PEP英語学校の講義で習ったのは「最も重要なのは日本語を集中して聴いて理解すること」。当たり前のようで非常に難しく、それが難しい理由は2つあります。

ひとつは、日本語を聞いているうちに「どのように英語に訳そうか」考え始めてしまうことです。考え始めるだけならまだしも、読まれた日本語に対し、「あ、この日本語に対する英語がわからない!」と焦ってしまう場合もあります。そうなるとパニック状態で頭は真っ白、その後に読まれた日本語も耳を素通りという事態になりかねません。

もうひとつは、この問題では試験場で配布されたA4サイズの白紙1枚にメモをとれるのですが、読まれる日本語を全てメモにとるには、読まれるスピードが速いことです。そうなると「メモがとれなかった。どうしよう!」とこれも頭真っ白、もしくは「自分の書いたメモの文字が汚くて読めない」という状況に陥る場合もあります。


これらの問題に対して、完全な解決法はありませんが、演習を重ねる上で気をつけていたのは、以下の2つ。


日本語を読まれている間は、英語のことを考えない

あくまでも「日本語」で理解し、その内容を頭の中に「日本語で留め置く」=「リテンション」(retention)することに集中します。そのために、最初の頃、外国語訳問題を自分で解く際には、英語に訳する前に、「日本語で問題文をそのまま口頭でリピート」してから英語で話始める練習をしていました。


メモについて、全ての言葉が書きとれないことを前提とする

メモの取り方を工夫することで、問題文の「ほぼ」全てを書きとることは可能です。自分の場合は、A4の用紙の真ん中に縦に一本線を書いて、文章ごとにブロックを分けて、単語を断片的に書いていくスタイルで落ち着きました。固有名詞や数字は必ず書くことに留意します。しかし「全ての言葉を書くことはできない」という前提でいた方が本番慌てなくて済むと思います。あくまでもメモは補助的なもので、日本語を集中して聴き、自分の頭の中にリテンションする力をつけることが重要です。


また、試験本番では「プレゼンテーション問題」の英語での質疑応答が終わったら、頭を「日本語モード」に切り替えることが有効です。自分の場合、英語を話しているうちは、頭の中の「英語モード」の引き出しが全開で「日本語」の引き出しは閉じているようです。英語を話しているときは、「次に何を話そうか」という思考回路も英語になります。なので、「プレゼン問題」が終わった時点で、頭の中で「英語の引き出しを閉じて、日本語の引き出しを開ける」ことをかなり意識的におこないました。


PEP英語学校の「2次対策Skypeレッスン」を受講すると、設問形式が現行のものに変わった平成25年度からの過去問全問の問題集が入手できます。更に、オプションの費用がかかりますが、「外国語訳」問題の日本文を読み上げてくれて、その後に解答時間60秒間を計ってくれる「PEP動画ホーダイ」というサブスクのサービスもあります。これを利用して、2次試験約1ヶ月前からは「外国語訳」過去問全問に取り組み、常に解答制限時間60秒を意識して、時間内に解答できるまで繰り返し行いました。前述の通り、2021年度試験本番での制限時間は「1分30秒以内」であり、余裕を持つことができました。


苦手だった「外国語訳」問題対策は、最後は結局「過去問全問マスター」という力業となってしまったのですが、あるスマホのアプリを使ったことで、「外国語訳」問題のみならず「プレゼンテーション」問題にも最終的にはかなり楽に対応できるようになりました。次回はそのアプリの話を書きます。


《お知らせ》
今後「全国通訳案内士」資格を受験される方の参考に、2021年度に合格するまでの道のりを、少しずつ書いています。1次対策についても過去に書きましたので、よかったら最初の「合格報告」の記事(↓にリンク)から日付をおってご覧ください。

「全国通訳案内士試験」に合格

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