「全国通訳案内士」試験 合格への道のり~(17) 2次対策の突破口となったスマホアプリ「WordHolic」
2次対策で受講した専門スクールのESDICからは、オンラインでのグループレッスンで使用するオリジナルの教材とは別に「日本事象英文説明 決定版 ESDIC 280」という小冊子が送られてきました。
日本に関する基本的な事象を280項目、気象から有名観光名所、歴史、祝日、料理、伝統文化等、網羅的にカバーしています。ひとつずつの説明は英語で十数語から百語程度のコンパクトなもので日本語訳がついています。
これを丸暗記しても、そのまま「プレゼンテーション問題」で使うには少し短いのですが、主に「外国語訳問題」対策として使いました。
「ESDIC280」で、「外国語訳問題」で出題されるような日本文に含まれる単語やフレーズは、ほぼ全てカバーされていると思います。具体的には、下記のようなものです。
「プレゼン問題」用にESDIC280に出てくる文章の全文を覚えるのではなくて、「外国語訳問題」対策として、日本語を聞いてもすぐに英語が思い浮かばないような単語やフレーズを、すぐに口に出せるようにトレーニングする素材として、このテキストを使うことにしました。
そしてそのトレーニングをするために非常に効果があったのがスマホアプリの「WordHolic」です。
WordHolicは自分でつくるタイプの単語帳アプリです。iPhone / iPad版、アンドロイド版があります。例えば、下記のように入力します(以下、アンドロイド版です)。
WordHolicでは、入力した文章を、それぞれの言語で読み上げてくれる機能があります。
その機能を使って、下記のように練習を進めます。
「テスト」⇒「セルフレビュー」から
スマホ画面に「質問」の日本語の文章は表示されず、音声のみが流れます。(なお設定を変えることで、文章を表示させることもできます。)
ユーザーは、日本語の音声だけを聞いて、英語に訳します。
「回答」は、画面下部の「答えを見る」ボタンで確認できます。
回答が表示された画面で、回答右下の「スピーカー」マークをクリックすると、英語での音声が再生されます。
この方法で、2次の「外国語訳問題」に必要な「日本語を聞いて、即時英訳」という能力をトレーニングすることができます。
画面下部には「分からない」「自信なし」「完璧」の3つの選択肢が表示され、例えば「分からない」を選ぶと、後で「分からない」を選択した問題のみを取り出して復習することができます。
効率化のために、PCで単語をまとめて入力し、アプリにインポートする機能もあります。
2次対策期間の最初の2週間程度で、「ESDIC280」を通読し、100程度の単語・フレーズを「WordHolic」に入力しました。近所を散歩する際などに、イヤホンで「セルフレビュー」を聞き、その場でつぶやいて回答する練習を、2次試験当日まで繰り返しました。
その後、「外国語訳問題」「プレゼンテーション問題」の演習でも気になったフレーズは逐次入力していった結果、最終的には278の単語・フレーズを入力しマスターすることができました。
通訳案内士口述試験で必要な語彙は、「自分の知っていることについて説明する」範囲に留まり、相手と議論したり仮定に基づき推論したり、といった高度なコミュニケーションに必要なものは求められません。また話す内容も「日本特有の事象」に限定されます。数百語レベルの単語・フレーズをこのようなアプリを使うなどして完全に自分のものにすれば、「大体試験で出てくる内容であれば、日本語で話せる限り、英語でも話すことができる」というレベルに到達するのは、それほど難しいことではないと思います。
「WordHolic」との英語漬けの日々を約2ヶ月過ごし、いよいよ2次試験当日がやってきました。
《お知らせ》
今後「全国通訳案内士」資格を受験される方の参考に、2021年度に合格するまでの道のりを、少しずつ書いています。1次対策についても過去に書きましたので、よかったら最初の「合格報告」の記事(↓にリンク)から日付をおってご覧ください。
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