調子に乗って。こんな物。

誰でもいいから人殺しをしたいんです。

 俺は今日、かねてからの計画を実行した。
それは「一度人を殺めてみたい。」という願望をどうしても押さえきれなかったのだ。 だが、どうやったらばれずに人を殺すことができるのかがなかなかな思いつけなかった。

 実はこの考えは昔から持っていて、コンバットゲームで人を打ちまくり、3Dゲームでアンデッドをやっつけまくり、なんとか冷静を保ってきた。

 でも、もう限界だ。やはり実際の経験でないとだめだ。俺は実際に人を殺めたいのだ、その願望が頭から離れない。

 俺は必死で考えた。例えば人気のない山中で登山者を待ち伏せする。いやだめだ、自分も登山することになる。人と合わずに待ち伏せできるはずがない。どんなやつがくるか解らない。返り討ちにあうかもしれない。じゃあどうする、下調べをして誰かの家に忍び込んで・・・・それも同じく捕まるだろう。そしてなにより、何年も考えてきた割に全然華麗でも何でもない。むしろベタすぎるじゃないか。華麗に誰にも見られずに人を殺める方法はないのか?漫画や、小説の怪盗のように、華麗に人様をあっと言わせる殺人はできないのか?いつまでたっても私の願望をかなえる答えは見つからなかった。そう、去年までは。

そして今日。私は世の中をあっと言わせる方法で殺人を犯した。

場所はそう渋谷。人が沢山居るこの場所でどうどうと殺人をして逃げる。それがかっこいいと思ったのだ。方法は簡単。変装して手には包丁を持ち、前を歩くきらびやかな格好の女の子のあらわになった脇腹に後ろからたださす。できるだけ深く。抜けないように。致命傷を与える場所はもちろん研究済だ。あとは人ごみの中に紛れるだけだ。返り血を多少浴びたが、服についた血もそのままにその場を普通に立ち去ればいいのだ。

無事に家に帰り着いた私はまだ捕まっていない。計画は成功だ。




そう。今日はハローウィン。顔にはハリウッドで有名な殺し屋のマスクをかぶり、服もズボンも靴も血だらけに染め、本物の包丁と、おもちゃの包丁を持って街を歩き、ターゲットを決めて人ごみの中でただ刺すだけ。これで簡単に長年の欲望が満たされたのだ。欲望を満たした俺はそのまま途中まで電車に乗り、適当なカメラのない公園のトイレで着替えて帰るだけ。あとでニュースを見たが、警察もお手上げだそうだ。何しろ、普通の顔をしたやつがほとんど居ない。そして調べた通り、私が仮装したそのキャラクターは軽く渋谷だけで100人は居ただろう。東京都内にはそのさらに5倍はいたんじゃないだろうか。俺の素顔を見た人も一切居ない。防犯カメラにも素顔は写らない。そう。俺は長年の欲望を果たしたのだ。来年もまた新しいターゲットを殺めることになるだろう。ハローウィン。日本で新しく定着したお祭り。これからも盛大に・・・・・

-----<切り取らない>----

いかがです?もちろんフィクションです。でも、こんなことになったらどうするつもりなんでしょう。それどころか、ナイフが刺さった人が居て「助けて。。。」って助けを求めても、みんな笑いながら通り過ぎていったりしないんですかね?汗 ハロウィンが嫌だとか、だめだとか。そんなことは一切考えていません。でも、無秩序に誰か解らない人があれほど集まることに対する危機管理ってどうなってるんでしょ。スリや痴漢どころの騒ぎじゃないんでは無いでしょうか。という私なりの警鐘です。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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零(萬 承)【撮る人】
私に値段をつけてください!きっといいことが・・・あったらいいな