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英国留学に関して、誰に何を聞くべきか


英国の留学準備をしていると、自分ひとりでは集める情報の量と質に限界があります。
そこで、今回は誰に何を、どういう聞き方をすべきか私の考えを書きました。

誰に何を聞くか

前提として、皆さんが質問する対象は、大きく3つのグループに分かれると思います。

・留学エージェント
・自身の出身大学の教授等
・英国留学経験者(在校生もしくは卒業生)

それぞれのグループは知っている情報の質と量に違いがあります。
以下、解説します。

留学エージェント

最新のビザ情報や渡航制限の有無といったことはおそらく最も詳しいでしょう。
ご自身の関心のある分野に強い大学や、各大学の校風、特色に関しても教えてくれると思います。
志望理由書に関しては、留学エージェントはジェネラルなアドバイスに留まる印象です。

自身の出身大学の教授等

ご自身がお世話になった教授や学会で知り合った方の中に、留学を検討している分野(政治学等)に詳しい方がいれば、英国内の各大学の特色やいわゆる「大家」と呼ばれる方について教えてもらうとよいでしょう。
もしかすると、ご自身にとってのベストな大学は、英国以外の国にあると言われるかもしれません。
志望理由書に関しては、ご自身の関心のある分野に詳しい方にお願いすれば、専門的なアドバイスをもらえることでしょう。

英国留学経験者(在校生もしくは卒業生)

各大学のより詳しい講義内容や在校生の特徴、卒業生の進路、キャンパスライフといったことを聞くのであれば、在校生や卒業生よりも詳しい人はいないでしょう。
志望理由書に関しては、合格者の視点からのアドバイスをしてくれることでしょう。
例えば、LSEに関しては他大学が一般的に 500 words程度であるのに対し、1,500 wordsを要求されます。
500 wordsで書いた志望理由書の内容を単純に3倍に膨らませただけでは、合格は難しいかもしれません。
ご自身の出願予定のコースの経験者に是非志望理由書を見てもらいましょう。
また、在校生には今現在のイギリスの生活状況(物価等)を聞いてもよいでしょう。

留学経験者に何を聞くべきか

ここからは少しだけ厳しいことを書きます。
上で書いたように、各グループが提供できる情報の量と質には違いがあります。
留学エージェントに関しては、商売なので、かなり初歩的な質問にも丁寧に回答してくれると思います。
母校の教授の方等も、教え子ということで丁寧に回答してくれるかもしれません。

ただ、留学経験者に関しては、その人との関係性にもよりますが、もう少し踏み込んだことを聞くべきです。
私も、私の周りの留学経験者も経験したことなのですが、全く知らない方からコンタクトがあり(それ自体は問題ないです)、時間をとって対応したところ、漠然と話を聞きたかっただけだとか、事前にほとんど情報収集をしていないというケースがありました。

私自身も多くの方にサポートを受け、大学院留学が実現したので、一人でも多くの留学希望者の助けになりたいという気持ちがあります。
しかし、例えば、「開発学で有名な大学はどこですか?」とか「LSEになんとなく興味があります。でも希望の分野は何も決まってません。」と言われると、私は一般的な情報をお伝えすることに留まると思います。
その方がどのくらい留学に対して本気なのかわかりませんし、(もし)ご自身があまり情報収集してないのであれば、詳しいことを私が話しても混乱させてしまうだけだからです。

もっといえば、留学経験者がお金もとらずに時間を割いて話してくれることに関して、質問する方はもっとシリアスに考えた方がよいと思います。

したがって、留学経験者とアポイントメントをとる前に、その留学経験者の名前を検索して出てきた記事やブログを熟読することを強くお勧めします。

さて、以下が個人的に考える、留学経験者に聞く内容です(その方のブログや記事に書かれていることもあります)。

各志望校の順位の理由

多くの留学経験者は、複数校を併願したと思います。
出願先を選定する過程で、各大学のそれぞれのコースの特徴について、留学エージェントよりも詳しくなっていることでしょう。
他大学と比較して、最終的になぜ進学した大学に決めたのか、聞いてみるとよいです。

講義の内容

同じような名前のコースでも、各大学によって指導される内容に違いがあります。
例えば、私が専攻した人的資源管理に関して言えば、大学によってはデータサイエンスにフォーカスしているところもあれば、理論にフォーカスしているところもあります。
ただ、これは大学のページで公開されているので、質問する前に目を通しておきましょう。

クラスメイトの特徴

大学及びコースによっては、類似したコースでもクラスメイトの属性がかなり異なることがあります。
例えば、大学を卒業してストレートで進学してきた22、23歳の人が大多数のコースもあれば、クラスメイトの多くが社会人経験者というコースもあります。
また、特定の国籍の人が過半数を占めるコースもあれば、多様な人たちがいるコースもあります。
学校のサポートが手厚いところもあれば、そうでないところももちろんあります。
この「中」の情報に関しては、留学エージェントや母校の教授の方はあまり詳しくないでしょうし、大学のウェブサイトにもあまり詳しく書いていないでしょう。

卒業生(修了生)の進路

コースによっては、PhDを検討している人が多いところもあれば、実務に近い内容で構成されているコースもあります。
希望の大学のウェブサイトに書かれている講義内容やアルムナイの進路情報で推測はできますが、念のため進路について聞いてみてもよいでしょう。

入学前とのギャップ

上に書いたこと全てに関連するのですが、ポジティブであれ、ネガティブであれ、様々なことで入学前に想像していたことと実際の状況は異なる可能性もあります。
これは経験者でしかわからないことでしょう。

以上が私が考える留学経験者に聞くべきことです。

繰り返しますが、留学経験者の方々が無料で時間を割いてアドバイスしてくれることに関して、準備不足で臨んだり、してもらって当然という態度ではお互いにとって不幸だと考えます。
私の周りの在校生からもそのようなケースを聞いたので、今回書いてみました。

まとめ

どのような質問を誰に聞くべきかということについての私の考えを書きました。
大事なのは、誰に質問するにせよ、ご自身でも事前にしっかり調べ、限られた時間を有効に使うことです。


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