【サピエンス全史要約】地球生態系の覇者サピエンスと認知革命
生態系のロードローラー
まず前回も載せた人類史の略歴を見て欲しい。
7万年前から1万3千年前にかけてサピエンスは多くの動物を絶滅させている。
しかし特筆すべきは、ネアンデルタール人を滅ぼしたことである。
なぜならネアンデルタール人は発掘された骨などから、サピエンスよりも大柄であることが確認されている。
なので戦略も持たず、闇雲に争ったとしたらほぼ100%負けるだろう。
だが実際に生存競争に勝利したのはサピエンスであり、1万3千年前にネアンデルタール人は絶滅した。
ではなぜ体格的に不利なサピエンスが勝ち、全世界に広がり地球上の覇者となったのでしょうか?
それは単に認知革命が起きたからである!
認知革命とは?
認知革命とは約7万年前から3万年前にかけてサピエンスに見られた、新しい思考と新しい言語が登場したことである。
認知革命の効果〜新しい言語〜
認知革命によってサピエンスはこれまでのものよりもはるかに柔軟な言語を得た。
他の動物も言語は持っている。
しかしそれは「気を付けろ! ライオンだ!」や「どこどこに飯があるぞ!」といったその集団の生存に深く関わっていることを伝える場合が多い。
これに対してサピエンスは「すぐそばの川でライオンがバイソンを追っていた」ということができる。
そして一緒に狩りをする仲間と「ライオンを追い払ってバイソンを狩るべきか?」と議論することができる。
このように戦略を立てられるようになったことで体格の劣るサピエンスが地球の覇者になれたのだろう。
またサピエンスは集団の中の誰と誰が付き合っているかとか、誰がよくずるをするとか、誰が信頼できるリーダーだとかの噂話をするようになった。
噂話は社会集団の仲を深め、大きくなるのには不可欠だ。
認知革命の効果〜新しい思考〜
認知革命によってサピエンスは概念を得た。
つまりは現実世界に物体としては存在しないが、人々の想像の中にのみ存在することについて考えることができるようになった。
宗教を例としてあげよう。
その宗教を信じている人たちは共通してその宗教における神の存在を信じている。
しかし、その神を実際に見た人は少なくとも現代には存在しない。
この概念を得たことによって、宗教や伝説、神話が現れ始めた。
狩猟採取民から農耕民族へ
地球生態系の覇者となり、大型動物を狩りながら生活してきたサピエンス。
しかし大型動物は1組の夫婦から生まれる子供の数は少ないので、どんどん個体数が減っていっただろうから、サピエンスの食料事情はどんどん苦しくなっていっただろう予想できる。
そして約1万2千年前にサピエンスは環境に適応するのではなく、環境を適応させる術を身につけた。
それが次回説明する農業革命である。
農業革命によって支配されたのは農耕作物か?それともサピエンスか?
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