【教養としての宗教】ユダヤ、キリスト、イスラムという兄弟宗教
こんにちは、bansheeです。
このマガジンでは様々な宗教や聖典についての知識をわかりやすく説明していきたいと思います。
さて、私がなぜ宗教に興味を持ったかというと通っていた高校がキリスト教の学校で、聖書について学んだからです。
聖書と聞くと、何やら難しい文章が並んだ読みにくい本というイメージがあると思います。
少なくとも私はそう思っていました。
しかしそれは思い込みでした。
聖書はとても壮大かつ人生の教訓にもなるような金言が散りばめられた、世界最古の物語です。
この辺りで本題に入りましょう。
なぜユダヤ教、キリスト教、イスラム教は兄弟と呼べるのか?
それは聖書が三つの宗教の聖典として共通しているからです。
ユダヤ教
上記の画像がざっくりとしたユダヤ教の特徴になりますが、注意していただきたいのは聖典の部分です。
また、ユダヤ教には数百の守らなければいけない決まり(律法)があり、それを守らなければ神の国(キリスト教でいう天国)に行けないとされていました。
しかし貧しい者や娼婦など律法を守りたくても守れない人もいたそうです。
ユダヤ教はそういった社会的弱者を救済する術を持たず、それどころか律法を守れるエリート層は守れない弱者を軽蔑するようになっていたそうです。
そんな状況に異議を唱えたのがユダヤ教信者であったイエスキリストなのです。
つまりキリスト教はユダヤ教キリスト派と言い換えることもできそうです。
キリスト教
次は世界で最も信者が多いキリスト教です。
前に述べたようにイエスキリストはユダヤ教信者であり、キリスト教ではありません。
ただ一口にユダヤ教と言っても、洗礼者ヨハネの考えに影響を受けておりユダヤ教のエリート層からは異端と言われ、最終的に磔刑にされてしまいます。
下はレオナルドダヴィンチによる洗礼者ヨハネの絵画。
ヨハネは、『律法を守ったから天国に行けるという訳ではなく、神様独自の基準で誰を天国に迎え入れるかを選ぶ』という考えでした。
そしてこの考え方を受け継いだイエスは『神は社会的弱者から先に救済を与える』
という考えに発展させました。
この考え方は当時の庶民や奴隷から支持されましたが、まだキリスト教とは名乗っていません。
磔刑になった三日後にイエスが復活し、復活したイエスを見た弟子たちが「あのお方は人類の救世主に違いない」と思いキリストと呼び始めました。
そして弟子たちはキリストとなったイエスが言った言葉や行った行動をまとめ新約聖書とし、キリスト教と名乗り布教を始めました。
なのでキリスト教を作ったのはイエスキリストではなく、その弟子たちなのです。
また、キリスト教における神を上の表では三位一体と示しました。
これはキリスト教を一神教にするための苦肉の策であり、イエスは
①唯一神ヤハウェ
②人類の救世主キリスト
③神の意向を預言者に伝える精霊
この三つの位格(ペルソナ)を備えたものとみなされている。
イスラム教
次はイスラム教についてです。
イスラム教が聖典と認めるものの中に聖書も入っていたり、アッラーとヤハウェが同一視されていたりするので兄弟宗教だと言われています。
少し複雑な関係性ですが、コーランの成り立ちを知ると理解できます。
最初に、アッラーはこの世の真理を完璧に記したものを持っていて、天使ガブリエルに命じて直接ムハンマドに読み聞かせました。
そうしてムハンマドによって一字一句間違いなく記されたものがコーランです。
また、イスラム教ではムハンマドが最後の預言者とされています。
この二つのことから、『今まで唯一神(ヤハウェ=アッラー)から啓示を受けた預言者は数多くいるし、それらの預言者が記した聖典(聖書など)も複数あるけど、ムハンマド以降預言者が現れていないからコーランに神の啓示は全て記された。』
とイスラム教徒は考えています。
では今回はこのくらいにしておきたいと思います。
次は世界三大宗教の一つヒンドゥー教とその前身であるバラモン教についてまとめていきたいと思います。
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