デザインレビューにおけるアンチパターン
1.非同期で実施する
多くのデザイナーが、デザインレビューをテキストベースで行う傾向にある
(理由は実施コストが低いからだと思う)
デザインレビューは可能な限り顔を突き合わせて実施する方が良い。
なぜかというと、その方が明らかにたくさんコメントを貰えるから。
コロナ禍以降、IT業界ではリモートワーク、それに伴う「テキストコミュニケーション」がメインストリームとなったが、だからといってそれらが「口頭によるコミュニケーション」と同等の価値を発揮するわけではなく、受け取ることのできる情報量が全く異なる。
会話に比べて、テキストで情報を発することのハードルは、高い。
レビューとは「デザインをよりよくするために1つでも多く得たいギフト」であるので、自身がより多くギフトを得られる方を選択すると、必然的に同期的にレビューを実施することになる。
2.都度設定される会議
より多くレビューを貰うために毎日会議を開催しないといけないのか。
関係者のスケジュールを睨めっこし、「またかよ…」と思われながらZoomを登録する作業はすごく気が重い。
その気の重さに負けて、時にはレビュー頻度(=デザインのクオリティー)を蔑ろにしそうになる。
だから、もともと存在している朝会や定例の中に「デザインレビューのコーナー」を組み入れる。
会議を開催しなくとも、自動的に毎日レビューされる仕組みを作る。
これで、担当中のデザインが佳境に入ってくると、ほぼ毎日同期的にレビューを実施することができる。
3.カーソルをあちこちに動かす
最近はMiroやFigmaのような複数人が同期的にワークできるツールが勃興してきたこともあり、デザイナーもそのような画面をシェアしてレビューを実施することが増えた。
それらのツール内に並べられた複数の画面について、ズームとズームアウトを繰り返しながら鳥のように画面を行き来し、説明する場面にでくわしたことのある方は多いのではないかと。
しかし、デザインレビューはこのようなかたちで実施すべきではない。
レビューする側の視点が定まりにくく、デザインに集中しづらいため。
デザインレビュー時は、Figmaであればプロトタイププレビューモードを使って、原寸大でじっくりと画面を見たほうがよい。
4.レビューを言い負かす
最後はレビューを貰うときの心構えについて。
デザインレビューは、レビューされる側が緊張するだけでなく、する側も緊張するもの。
特に、非デザイナー職種の方がコメントをくれる場合、
「細かくて恐縮ですが…」
「デザインに関しては素人ですが…」
など、なんらかのエクスキューズを入れてくれることがあり、非デザイナーにとって、デザインに意見することは不安なのだろうと感じます。
しかし、レビューに際し、「間違った意見」など存在しない。
デザイナーであろうと、なかろうと。
提示されたデザインを見て感じた、その感情こそが全てであり、
むしろほしいのは、そのまっさらな印象や感情。
「このデザインを見てどう思ったか」それだけが聞ければ十分。
だから彼らの不安を払拭するために、どんな意見でも、まず一言目は「ありがとう」と返す。
「なんでも発言していいんだ」とチームメンバーに思ってもらえるような場の空気作りを心がける。