気になる表現
めちゃくちゃどうでもいい話をしたい。
読んだ人間が後悔するくらいのくだらないやつを。
気になる表現がある。「全日本」と呼ぶ人がいる。
明日から始まる日本カーリング選手権のことだ。
他の競技では「全日本」が正式名称(の一部)であるケースもあるが、カーリングは違う。(フィギュアスケートや卓球は「全日本」選手権でバドミントンは「全日本総合」選手権。)
なぜ「全」をつけたいのか。日本選手権じゃダメなのか。
いずい思いでいっぱいだ。
ただ、全農がスポンサードしてくれるようになって以降は(ありがとうございます)、「全日本(全農日本カーリング選手権)」も誤りとは言えなくなった。(よかった)
それだと、卓球は「全全日本」になってしまうが…
北海道カーリング選手権を「全道」と呼ぶ人がいる。「全」はどこから来たのか。
「全道カーリング選手権池田大会」という、道選手権よりも長い(当然日本選手権よりも長い)歴史を持つオープン大会がある。こちらが本物の全道大会だ。(屋外でやる大会です)
北海道選手権には「アルバータ杯」という由緒正しい名称がある。毎年、副賞として牛肉を送ってきてくれる。(ありがとうございます)優勝カップもカナダ製だから日本選手権のカップよりも立派なものだ。(いいでしょう)略称としてはぜひ「アルバータ杯」を使って欲しい。(単に私の願望です)
「ランニングバンド」も気になる表現だ。
ストーンと氷の接触面を指す表現として近年使われている。しかし、私の認識ではその場所はそもそも edge(エッジ)、または running edge(ランニングエッジ)、専門的には running surface(ランニングサーフィス)と呼ばれてきたはずだ。
私が初めて「ランニングバンド」という表現を目にしたのは、7-8年前のことである。それがいつのまにか主要な表現になっている。
striking band(ストライキングバンド = 石の側面のざらざらしているところ)と混同して用いられ、それが引用され続けた結果定着したのではと推測するが、定かではない。
「ナイトプラクティス」。
大会中、その日の最終ドロー終了後に割り当てられる練習時間のことだが、和製英語の類であろう。世界選手権では古くから導入されており、 evening practice(イブニングプラクティス)といわれていた。WCFの競技マニュアルでは evening practice の用語が用いられている。
日本選手権での導入は2012年、青森大会からと記憶している。そのとき「ナイトプラクティス」の実施が高らかに宣言された。そして、以降日本協会は毎大会「ナイトプラクティス」をスケジュールしている。(最近はアルバータ杯でも導入されました)
冬季オリンピック競技会では日本代表の「リザーブ」の選手が「ナイトプラクティス」でストーンの情報収集を担う、縁の下の力持ちであることが報道された。(これも「リザーブ」ではなく「オルタネート」が正しい。)
「ギブアップ」。
これは数年前から「コンシード」に正しく置き換わり、今やほとんど使われなくなってきている。時おり、「自分たちの負けを認めてコンシードする」という説明がされる点が気になるが(正しくは「相手の勝ちを認めて」)、それも今後正しい表現に置き換わっていくことに期待したい。
「敵」「敵チーム」。
「相手」が正しい。カーリングのゲームは対戦相手と敵対関係にはない。
(自分がプレーしているときなど、ふざけて、わざと「敵」という語を用いることはあります。)
さて、日本カーリング選手権の第1ドローは明日9時スタートである。くだらないことをつぶやいていないで、今夜は早く寝なければならない。
(2023年1月28日にツイート)