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#191 ジンクスの巣の下で
古着漁りが趣味で、というと、「おっ、着道楽ですか」などと云うてくれる知り合いもなく、勝手に脳内でセルフ追従しているだけなのだがもるでちお、単に子供の服を安く買いたい、という理由でたんぽぽハウスにゃずいぶんお世話になっている。高円寺、駒込、大塚、上野広小路、門前仲町、高田馬場、かつては存在した浅草店でもずいぶん買った。そうするとたまにユニクロにでも入ろうもんならば「高けー!」となる。価格にカルチャーショックを受ける。価値が横転する。
難をいえば自分の服を買えない。胸囲115や腹囲1mの男ものの服を探すには向いていない……いや、そんなこたいいんです。いつもお世話になっています。自分の3L4Lサイズははメルカリで買うことにします。
息子と話していて「呪いの服がある」という。へえ、とうとうそんなジンクスを気にするようになったのかい、と感心してみるとティラノサウルスのシャツだ。あああ、買った覚えがある。大塚店で105円だった。あんまり小学生らしい格好をさせないのであった。「指先が不器用」だというので幼稚園児のときからカジュアルでもボタンシャツを着せ続けたのであった(おかげで器用さは改善した)。トレーナーも防寒用にと学校から云われて買った一着くらいしか持っていないはづ――呪いの服、ということは「着るとろくな事がない」というわけで、そこはそれ、余計に掘り下げても本人が無駄に思い出すことになるので「なるほど」とし、シャツそのものは引き出しのすみに押し込んでおく。ジンクスは、ジンクスで、いいのです。その呪いを凝縮したシャツがしまい込んである、ということで他の服が呪いの装備にならずに済む。手放すことで、どうせまた第二第三の呪物が生まれてしまう。
そういうことは、神代の昔から、ある。
などと書いていて「ジンクス」の語源が気になって調べると「鳥」とある。和名アリスイ、ヘッダーの画像はヰキペヂアから拝借しましたが、動画もあり、たしかに生理的にウッとくる動きをしてくる(ナショナルジオグラフィック、2018)。関節があらぬ方向に曲がってくる化け物なんてのもみていて禍々しい感じですが、そもそもの「凶兆」と、この服を着るとろくな事がないという「験担ぎ」がわりあいに乖離しているところが、ちょっと面白い。
最近の個人的なジンクスがあるとすれば、奇門遁甲で遊びすぎたせいでなにかというと方角を意識し始めた。
あくまでも勝手にやり、他人に強いないようにしていきたいところだ。
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