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パレスチナを訪れて

こんにちわ。ばんです🌱

2023年10月7日、パレスチナのガザ地区で目を背けたるような惨劇が起こりました。

今も日に日に犠牲者の人数は増えるばかりで、本当に心が痛いという言葉だけでは表しきれない気持ちです。

私は2023年6月に4泊5日でパレスチナを訪れました。パレスチナに対する認識が良い意味でガラリと変わった訪問だったと思います。

今回の記事では、実際に訪れてどうだったのか、どうやって訪れたのかなど詳細に書きたいと思います。


なぜパレスチナへ?

パレスチナのNablus

2023年の5月に初めてパレスチナ人の友人ができて、そこでいろんな話を聞いていると、パレスチナでこんなにも非現実的な暴力が当たり前のように起こっているという事実に衝撃を受けました。

イスラエルの入植者による暴挙、パスポートはなくtravel document(見た目はパスポートのようです)しか持つことが許されないパレスチナの人々、基本的にヨルダン以外はどこの国へ行くにもビザが必要だという現状、イスラム教のブルードームがあるエルサレムに行くにはイスラエルの許可が必要で、そう簡単なことではないということ…

例をあげれば正直きりがありません。それほどにまで不平等な状況、イスラエルによる抑圧がずっと続いてきたということです。

イスラエル入植者やイスラエル兵に暴力を受けても、パレスチナには軍隊も銃などの兵器もありません。そのため、彼らは石を投げるなどして対抗するしかないのです。

世界トップクラスの軍隊を持つイスラエルと、何も持たないパレスチナの人々が真っ正面から戦って勝てるのでしょうか。答えは誰もが予想できるのではないかと思います。

これらの背景が、今回の10月7日の衝突前から日々日常的に報告されてきたパレスチナ人の犠牲者の所以であると思います。

これまで私はお恥ずかしいことに、パレスチナの友達の話を聞くまで、パレスチナ・イスラエル問題についての認識や理解が甘かったです。

でもこれらの話を聞いて、パレスチナに行ってちゃんと自分の目で見て現状を学びたいと思い、今回意を決して一人で訪れることにしました。

どうやってパレスチナへ?

私はヨルダンから陸路でパレスチナに入りました。というかそもそも空港がないので、陸路しか手段がありません。

以下の記事が参考になったので、国境を超えるための詳細な情報が気になる方はぜひご参照ください!※こちらの記事では、国境通過後エルサレムに移動しています。

私のスケジュールは以下の通りです↓

6:30 ヨルダンの首都アンマンからタクシー(バスでも行けます)でキングフセイン橋まで移動

7:20 キングフセイン橋到着

7:27 窓口が開く(到着時にはまだ閉まっていました)
荷物検査を通過してから、配られた紙に国籍や名前、出国日、パスポートナンバーなどを記入して、custom officeと書いている窓口にパスポートと一緒に提出。スタンプ押してもらってから、passport controlと書いている窓口にパスポートとさっき記入した紙を再度提出して一旦オフィスがお預かり。人の数はなんだか思ったより少なかったです。

8:15 税関のお兄さんから出国税払ってと言われ、10JDを支払い、もらった券をpassport controlの窓口に渡して、外に出て国境間を移動するためのJETTバスに乗り込みました。
(本当はおそらくパスポートなどを提出する際に一緒に支払うものかと思います…!)

45分後くらいにバスの中でパスポート返却。バス代7JDと、大きい荷物一つにつき1.50JDで、合計8.50JDをお支払い。

9:08 バス出発
10分もいかないくらいで国境に到着しました。バスの中で出国税の半券と、最初に記入した紙が回収されました。

9:27 そのままバスでイスラエル側の税関に到着
バスから降りて、大きい荷物がある人は違うレーンから入って荷物を預け、その後はみんなと同じようにセキュリティーチェックを通過します。

税関では、入国の目的は?何日ステイするの?どこのホテル?などの質問が聞かれて、パレスチナに行くとは言わず、テルアビブとエルサレムだけを訪問しますと伝えました。イスラエル側からすると、観光客がパレスチナに行くことは良いように認識されない可能性があったので…。

9:54 イスラエル入国完了
荷物をピックアップして、さっそくジェリコ行きのバスを探しました。係員らしきおじいさんには、私が外国人なので、タクシー乗り場に案内されました(ほとんどの外国人はそのままイスラエル内へ行くので、タクシーを利用する人が多いようです)。

私はそのままパレスチナに行く予定だったので、ジェリコと書いてるバスチケット窓口を見つけて(外に出ると右手側にあるのですぐわかると思います)、ジェリコ行きのバスチケットを3JDで購入。ちなみに、トランクに入れるような大きな荷物は若干荷物代がかかるようです。

10:13 ジェリコ行きのバス出発
バスの中にはパレスチナ人と思われる乗客しかいませんでした。観光客は私だけだったと思います。

10:24 ジェリコ到着(ここがヨルダンから直接パレスチナに行く場合の、イスラエルとパレスチナの国境になります)
税関は、隣り合わせで外国人は別レーンになっていました。私以外ほとんど外国人用レーンへ行く人はいませんでした。特にここでは荷物検査んどはありませんでした。ただ、荷物検査機と入国後に荷物が出てくるエリアはあったので、大きな荷物は一応検査対象なのかもしれません。

無事に入国し外に出ると、タクシーの運転手からたくさん声をかけられますが、無視して黄色いバンがいっぱい並んでいる方へ向かいます。目の前にあるのですぐわかります。

友人が住んでいるNablusに向かうためのバンを探します。

そこらへんの運転手さんにNablus?(ナブルス)と聞いてNablus行きのバンの運転手さんのところまで連れて行ってもらいました。運転手さんに、パレスチナ人の友人に言われた通り、友人の電話番号を見せて、この人に電話してほしいと伝えると、OKとのことで、バンは満席になるとすぐに出発しました。

私はヨルダンディナール(JD)しか持っていなかったので、運賃は20JDで支払い、シェケルでおつりをもらいました。運賃はほぼ10JDと同じとのことです。

12時 無事にNablusのバスターミナルに到着し、友人にも会えました!!

イスラエルからの入植者

山の上などに入植している場合が多い

パレスチナでは日々イスラエルによる暴力がいたるところで起きています。

あまりに日常的に起きすぎて、中々国際ニュースにもならないため、離れた場所に住んでいる私たちにとって知る機会はほとんどありません。

イスラエルからの入植者による暴挙もその一つです。

友人曰く、パレスチナにはイスラエルからの入植者が年々増えているらしく、パレスチナの人たちは、自分の国であるにも関わらず、入植者がいる地域に近づけないということでした。

パレスチナ人だけでなく、外国人も入れないとのことです。

公園などの遊び場がない子どもたち

車が通れない路地裏

パレスチナ滞在中はずっと友人家族の家におじゃましていたのですが、友達が住んでいる地域が、難民キャンプの場所で、もともとはテントなどが並んでいたといいます。

今もまだ難民キャンプであるとは認識されていますが、テントなどは全くなく、アパートが所狭しと並んでいました。

難民キャンプはUNが管理しているらしく、定期的に清掃が行われているとのことですが、あまり行き届いていないらしいです。

路地は狭く、車が通るので精一杯という感じでした。

子どもたちは公園などの遊び場がないため、狭い路地などで遊んでいました。

実は食中毒にかかった

パレスチナの市民病院

実は、到着した次の日の朝からお腹を壊し、2回も嘔吐するという症状に見舞われてしまいました…。

パレスチナでは何も疑わしいものは食べていなかったので、もしかしたらヨルダンで食べた羊の腸の料理があたったのかもしれません…😂

友人曰く、風邪だよ~とのことだったのですが、自分的には絶対風邪じゃな…と思っていたので、とりあえずすぐ近くの小さい薬局に連れて行ってもらい、市販の風邪薬っぽいものを購入。

それでもあまり改善しなかったので、病院で様子を見てもらうことにしました。

しんどすぎて病院で診察を待っているのも精一杯でしたが、X線と診察を経て普通の風邪だと診断をいただきました。この国の風邪はどんだけ強烈なんだろう…😂

筋肉痛があるという話をしたら、筋肉注射を打ってくれて、腕かと思いきやお尻でした笑。お尻に2本筋肉注射をしてもらいました。

合計4回嘔吐しましたが、筋肉注射と市販の薬が功を奏したのか、回復は意外と早く、次の日には治りました。

ベツレヘムの聖誕教会を訪れた

パレスチナの世界遺産、ベツレヘムにあるイエス・キリストの生まれた聖誕教会までの道のりには、何度かイスラエルのcheck pointがあり、イスラエル兵が銃を持って常駐していました。

イスラエルによるパレスチナ内のcheck point

また、イスラエルとパレスチナを隔てる多くの分厚い壁も目にしました。

check pointではイスラエルの旗もあります

Nablusからベツレヘムまでは車で2時間ほど。ベツレヘムでは、Nablusでは全く見かけなかった外国人をたくさん見かけました。

世界遺産であり、かつイスラエルからも近いベツレヘムには観光客がたくさん訪れるのです。

ベツレヘムの聖誕教会の外観
右側がイエスが生まれた場所への入口

イエス・キリストが生まれたところは思った以上に人々が押し合いへし合っていました…。神は人間がこんなにも醜く押し合うことを望んだのだろうか…と思ってしまうほど…😂

イエス・キリストが生まれた場所(地下)を一目見るために並ぶ人々
左側が地下への入口。非常に狭いので込み合います。

結局私は1時間ほど並んで見学することができました。人も多く、入口も狭く常に密集していたので、訪れる際にはある程度並ぶ覚悟が必要かもしれません…!

エルサレムへの移動

私はイスラエルのテルアビブから、ヨーロッパに戻るフライトがあったので、陸路でパレスチナからイスラエルへ移動しました。

まずNablusから乗り合いイエローバンでパレスチナのRamallahまで移動。運賃は固定制で19シェケル。乗客は好きなタイミングで支払っていました。

ちなみに、パレスチナには独自の通貨がないので、通貨はイスラエルのシェケルになります。

15:50 バン出発

17:12 Ramallahのバスターミナルで降車
バンの運転手さんからはすぐバス来るよ~とのことだったのですが、結果1時間くらい待ちました。

18:20 エルサレム行きのバス出発
大きめの観光バスに乗り、イスラエルに移動しました。運賃は5.50シェケル。

外国人を多く見かけたので、エルサレムに滞在していて、日帰りでRamallahを訪れる観光客も多いようです。

Ramallahからエルサレムに移動するときに一回銃声が聞こえました…。Nablusにいたときは一回も聞かなかったのですが…恐ろしい…。

イスラエルに入国する際に、銃を持ったイスラエル兵2人がバスの中に入ってきて、乗客のIDを確認していました。

19:40 無事にエルサレムに到着

イスラエルとパレスチナの違い

イスラエルに入ると驚きました。あれ、ヨーロッパにいるのかな?と勘違いするほど。

物価も一気に高くなりますし、道路もきれいに整備されていて、高層ビルもたくさん並んでいました。イスラエルがいかにお金持ちの国なのかが一目で分かります。

街中を歩いている人も西洋の人や外国人が中心で、本当に景色がパレスチナとはガラリと変わります…。

パレスチナでの食事

パレスチナで食中毒にはかかったものの、ごはんはどれもおいしかったです!

友人宅でいただいた朝ごはん。パンとティーと一緒にいただきます。
チキンと野菜をオーブンで焼いた料理。ヨーグルトと一緒にいただきます。
クナーファというスイーツ。中はチーズで、甘くておいしいです。
食卓にはオリーブオイルやチーズが並びます。甘いティーも欠かせません。
Reqaqaという小麦粉と豆とキャベツの料理
Kabsehというチキンとごはんの料理

おわりに

Nablusの旧市街

いかがだったでしょうか?

パレスチナに対しては、危険な場所だという認識が広まっているのではないかと思います。実際、私も行くまでだいぶ身構えていました。

でも訪れてみると、みんなフレンドリーで、ごはんもおいしく、人々は活発に行きかっていました。

しかし、こんなに一見平和に見えるパレスチナでも、常に日常的な暴力が起こっているのも事実です。

友人からは、友人の知り合いがイスラエル兵に打たれて亡くなったといった話も聞きました。

パレスチナの中でも、ガザ地区にいる人々は、そこで生まれたら気軽に出ることも許されず、本当に天井のない牢獄であると語っていました。

パレスチナで起こっている問題を他人事にしないため、これからも知り続ける姿勢を忘れないようにしたい限りです。

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