コレスキ語り:MTG「ブルームバロウ」のフレーバーテキスト
はじめに
はじめまして、フレーバーテキストに目がない「ばんなそかな」(@BANNASOKANA_kt)と申します。
皆様、MTGのフレーバーテキストはお好きでしょうか?
自分は大好きで、新セットが出るたびに読み込んでお気に入りをTwitterでつぶやくなどしておりましたが、後で自分で見返したいなと思って記事にしてみました。
記事のコンセプトは「そのFTの何が素敵かを言葉に出して考えること」
今回は、MTG「ブルームバロウ」で好きな・気に合ったFT(フレーバーテキスト)について語ってみようかと思います。小さな動物たちが主役の次元で、絵本のようにウサギやネズミ、トカゲなどが暮らしている次元です。厄災の獣と呼ばれる脅威はありますが、他の次元に比べて、遥かに柔らかく牧歌的な雰囲気。FTもそんな世界観に合わせたものが多いようです。
よろしければお付き合いください。
※このnoteはファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.
参考:「ブルームバロウ」のカードリスト
1:一生絆の二人組
「何であなたは頭を下にして食べているの?」鳥はたずねた。
「何で君は頭を上にして食べているの?」コウモリは応えた。
絵本の始まりにあるような、二人組の台詞。
異なった種族が同居している次元は多いけど、ブルームバロウは種族間での争いや対立は少なめ。まあかわいい動物たちにそういうギスギスしたことして欲しくはないしね。
これから互いを知り、親友になり、たくさんの冒険をするんだろうな。そんな優しい気持ちを思い起こさせてくれて好きなFT。
2:取り引き
※統率者デッキカード
渓間の美は、アニマルフォークに差異があってもなお
生まれてくるのではない。
差異があるからこそ生まれてくるのだ。
「違う人を受け入れよう」といった上下のある視点ではなく「違う人がいるからこそ、素晴らしいものが生み出される」という姿勢、とても良い。
イラストでみんなが自分の好きなもの持ち寄ってるのもとてもほっこりする……
ウィザーズが「多様性の何たら」にどういう姿勢かは知らないけれど、このテキストはシンプルに、ブルームバロウの住人たちの価値観として読んでおきたい。
3:巣穴の長老
「数には力がある。だがそれより大事なのは、
数には喜びがあるということだ。」
MTG世界では「戦いは数だよ兄貴!」という、「数こそ最大の暴力」という価値観の種族が多い気もする。しかし、そこはブルームバロウ。「数が多い」ことの利点は「うれしいことがたくさんあること」という価値観を見せてくれる。
この次元にふさわしい優しさと、彼らなりの価値観にほっこりする。
4:裏道の交換
「この装身具に数えきれないほど命を救われた。
これを手放すためには、そうだな……
ドングリ4個でどうだ。」
こわもてのアライグマとの取引。きっと渋いおじさんボイス。
そう、要求はドングリ4個だ……
「カワイイ落ち」はブルームバロウのFTでよくみられるやつ。みんなも自分の好きなカワイイ落ちを探そう!
5:髭羽ペンの書記官
「不要な言葉はタンポポの種のようなものだ。
そよ風のような些細な不注意によって放り出され、
予想もしない場所で根付き、繁栄するのだ。」
――渓間の書記官、マートル
MTG世界の各次元における格言や言い回しは、その次元の文化や価値観が垣間見えてとても好きなのだけれど、これもその1つ。
言葉というものの危険性をタンポポの綿毛に例えるというブルームバロウらしい教訓話。とても良い。
6:天気雨のドルイド
見習いの占い師は、どこに雨が降るかを予測することから学び始める。
成功しない者でも、その過程から大きな喜びを得る。
やはりブルームバロウは優しい……
自分たちの占術は役立つ技術だけども、それはそれとして「(成功失敗にかかわらず)技術を学ぶのって楽しいよね」という視点、他の次元ではなかなかお目にかかれない。この姿勢、とても好き。
7:調和
※統率者デッキカード
歌詞なんて知らなくったって、
歌は一緒に歌える。
多様な種族が手を取り合って生きているMTG世界では極めて珍しい次元ならではの言葉。楽しい時間を共有するのに条件も資格もいらない。カエルたちが無邪気に、でも真摯に音楽の力を信じているのも、とても素敵。
8:再度の収穫
※統率者デッキカード
すべての厄介ごとが厄災というわけでもない。
成長するのに、ただ時間が必要な物事もあるのだ。
格言系。
悪いことに見えるものの中にも、やがて幸せという収穫をもたらしてくれるものもあるよ、という励ましの言葉。
やはりブルームバロウは優しい、やさぐれた中年男性の心に慈雨のごとくしみ込んでくる……
9:住居の長
「ラビットフォークの夕食を邪魔することは最大級の違反行為。
そうせざるを得ない場合は、子供たちに贈り物を持って行くか、
盾を持って行くこと。」
――ギディーの渓間の旅行案内書
「子ウサギたちにぼこぼこにされるぞ!」という警告をユーモラスに。ついクスッとしてしまう、大好きなFT。
でもよく見るとこの子ウサギたち武器持ってんだよ……結構、切迫した警告なのでは?
10:忌まわしい守護獣、ハグス
彼の傷跡の殆どに武勇伝がある。
笑える逸話も少しある。
カワイイ落ちを使いつつ、キャラクターの人柄(?)をユーモラスに描いた一文。きっとただの乱暴者ではなく、共感できるような失敗や抜けたところがあるんだろうなと、親しみやすさを感じさせてくれる気がする。ストーリーを読むと、大体そのイメージであっている。
11:星見の導師
「それぞれの星にはその偉大さに見合う名前が与えられる。
あれは夜を喰らう者、アウラックスと呼ばれる。
そしてあれはきらきらだ。」
2個目のやつ酔った時につけませんでした?
こちらもカワイイ落ちの一文。
名前を付けた時の状況やテンションを想像してクスッとしてしまうw
12:蓮葉跳びの導師
「派手な登場は私の十八番。きっと君もものにできるはず。
もう一回やってみよう!」
「カエル導師のエントリーだ!」
かっこよさげなイラストからの、実は派手な登場方法を弟子に指導しているシチュエーションという落差にクスッとしてしまう一枚。
能力にも合致していて、なかなかスキのないFTである。
番外編1:落星の祈祷
渓間の境界上は守りが固い。
特に夜は。
FTじゃなくてカード名。
急にカッコいいカード名出されるとドキッとしちゃう。ブラッドボーンの秘儀にありそう。カワイイ動物たちがそういう呪文を使うと想像すると、そのギャップがまたカッコいい。
番外編2:転がるハムス球
※FTなし
こちらもカード名。
「はむすたま」、原文は「Hamsphere」。
原文のダジャレを日本語で写し取り、なかなかいい感じで拍手したい。カワイイし。
おわりに
今回は優しいFTがツボにはまってしまったのか、少し多めにピックアップしてしまいました。疲れてるんですかね?
今回はFTの話でしたが、イラストもいいものが揃っていて好きなセットです(良かったらカードリスト眺めてみてくださいね)。
ぜひまた再訪して欲しいです。
またほかのカードセットのFTも記事にできればと思っています。
それではまた!