グッド・ネイバー
まなてぃーの映画感想です。
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意外な素顔を隠し持つ孤独な老人役を怪演したサスペンススリラー。ショーンと友人のイーサンは、近所のひとり暮らしの老人宅に忍び込んで隠しカメラを設置し、実験と称して様々なドッキリを仕掛けることに。ドアを急に開閉したり突然音楽を流したりして老人の反応を楽しもうとするが、老人は驚く様子を見せないばかりか、不可解な行動を取りはじめる。老人が頻繁に地下室に出入りしていることを不審に思ったショーンたちは、地下室に何か秘密が隠されているのではないかと疑うが……。ショーン役を「イット・フォローズ」のキーア・ギルクリスト、イーサン役を「ゾンビワールドへようこそ」のローガン・ミラーがそれぞれ演じた。
2016年製作/98分/アメリカ
原題:The Good Neighbor
監督:カスラ・ファラハニ
製作:ロザリー・スウェドリン エラナ・バリー
製作総指揮:ジェフ・クリーア アルフレッド・ガンドレー4世
総合評価 85点/100点
ストーリー★★★★★
ドッキリ度★★☆☆☆
爽快感 ★☆☆☆☆
お勧め度 ★★★★☆
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この映画は、ネタバレや感想を一切見ないまま鑑賞することを強く強く強く勧めます。
ちょっとでも話すとネタバレになり、おそらく見た後の感想が異なります。
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いわゆるドッキリを仕掛ける若者が逆に痛い目を見る系の映画なのですが、
以前紹介したこちら
と比べるとかなり上手に出来ています。
ただまぁ後味が悪い胸糞映画です。見る人によってかなり感想がかわるかもしれませんが、私はかなり好きなオチです。
個人的には私の好きな映画トップ10に入りました。
以下、ネタバレ含む感想。まだ映画を見てない人は先に映画を見たほうがいいです。
序盤。些細なトラブルが続くと人はそれを霊的なものだと思いこむという実験を、真向かいの老人で検証してみようぜ!というお話を丁寧に説明・仕込をしていく。ひたすら丁寧に進行していく。映画の世界観にとても入りやすい。
中盤。このジジイ、かなりヤバい。キャッチコピー通りである。途中から裁判の映像がでてくる。動的な恐怖というよりは静的な恐怖という感じであるが、やばさは伝わってくる。斧をすぐぶん回してくるあたりバイオハザード7のおやじを彷彿とさせる。今思えばバイオ7の主人公の名前もこの映画の主人公もイーサンって名前だったような・・・。ジジイはラップ現象が起こると地下室に引きこもりだすようになる。でも地下室は鍵がかかっててカメラを仕掛けられていないのでモヤモヤ…。
ジジイがあまりにも頻繁に地下室にこもるので主人公Aがもう1度忍び込んで、地下室を撮影しよう!といいまくる。主人公Bはそれはやりすぎだからやめろという。主人公Bが圧倒的に正しいと思う。そのあとちょうどいいタイミングでハプニングがおこり結局老人宅へ侵入、たまたま鍵が開いていたので地下室へGO。ここらへんがちょっと都合がよすぎる気がする。でも思い返してみればわざと開けていたのか…?地下室へ侵入してから物語りは一気に加速し、終盤へ。
終盤。不覚にも泣いてしまいました。今までの老人の不可解な笑みや時折おこるフラッシュバックなどのすべてがかみ合い、一気に老人への感情移入ができるようになります。きっと老人は不器用な人間だったんだと思います。いやもうほんとに普通に涙がでてきてしまいました。若者の実験は成功。老人は霊的なものを信じた結果、妻のもとへいけて幸せだったんじゃないでしょうか。寝室で寝てるのに、地下室のチリンっていう小さなベルの音を聞き逃さない老人に、何もしてやれなかった妻への後悔と深い愛情を感じます。泣きます。 ただ、妻目線だとどうでしょうか。霊的なものがあると仮定した場合、妻は何もしていないのに夫が死んでしまったわけです、許せないですよね。残されたネコちゃんも。ましてやキリスト教の視点であれば自殺は地獄いき。妻はおそらく天国にいったと考えると…。そういう意味でもかなり胸糞悪い映画です。が、私は泣きました。もう一度最初から見直すと老人の演技がめちゃくちゃうまいことを再認識できます。よかったです。
総評。後味の悪い胸糞映画ですね。物語の作り方がとてもよくできていて、実話だといっても信じることが出来ます。ただまぁちょっとドッキリ要素が弱かったり、片方の主人公が本当に胸糞悪い主人公なのでもっと痛い目にあってほしかったというのが本音ですね。おじいちゃんは老人ホームへいくよりは愛した妻と過ごした自分の家で尊厳死を迎えれたと思うのでおじいちゃん目線であればいいのじゃないでしょうか。途中でジョウロが落ちてしまうシーンも、妻が畑が好きだったということを考えると想い出の品なのでしょう。ものすごく作りこまれた作品で妻への愛があふれていることを認識すると涙なくして見れません。「愛」が分からない人はみても心に響かないかもしれないし、ホラーサスペンスなどのスリラー要素はほぼないのでそういうののみを期待すると低評価になると思います。例えるなら、本屋さんに行ったのにめちゃくちゃいいCDを見つけたというような感じの作品です。
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