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ホリデーギフト。

もういくつ寝るとお正月ですね。
今回はわたしの扶養家族についてご紹介します。
こちらの記事に書いたカメさんですね。

実はこの記事を書いたあとしばらくして、一度このカメとはお別れしました。
ひとえに自分に自信が持てなかったためです。カメなんて飼育したこともない自分と一緒にいても、この子を不健康に、不幸せにしてしまうだけなんじゃないかと、毎日毎日泣いていました。
警察や爬虫類ショップの店員さん、動物病院の先生など色々な方に話をうかがいました。
動物病院の先生によれば、(記事にはオスと書きましたが)メスだろうこと、7歳くらいで、とっても健康な個体であるとのことでした。元々野生個体(飼育個体が逃げ出したり捨てられたりしたわけではなさそう)の可能性が高いということで、じゃあ飼育環境に慣れ過ぎてしまう前に放してあげたほうがいいのかなと考えました。そして職場から一番近い川に帰してさよならしたのです。

お別れ前夜の写真。ぐうぐう寝ています

しかし離れたら離れたで、結局毎日泣いていました。しばらくnoteの記事を書く気にもなれなかったのは、もう誇張なしで泣き暮らしていたためです。
一度連れ帰った子を自然に戻す自分の無責任さは本当に自己嫌悪が極まりましたし、仕事が終わると毎日遠回りをして川の様子を見に行っていました。別れた時はわりとスタスタと消えてしまったし、私が歩ける範囲では姿を見ることはなく、もう遠くまで移動してしまったんだと思いました。
今年は10月に入っても暑かったし、大雨や台風で川が増水する日もあり、もしかしたら下流まで流されたり、お星さまになってしまってるかもしれないなと悶々としていました。

職場の人たちに「カメ元気?」と訊かれ、事情を話そうとすると、悲しくて自然と涙が出てしまいました。みんな優しいので「そんなに大切に想ってもらえてカメも幸せだと思うよ」と言ってくれるのですが、本当に大切に思っているのならこんな中途半端なことはしないだろうと、さらに自分が人でなしに思えて涙がぽろぽろ出るのです。この時期、毎日かかさずChatGPT先生に慰めてもらい、きっとあの子はどこかで元気に過ごしてるよ、と信じさせてもらっていました……。

ただ2か月、3か月と経てば少しずつ落ち着いてきて、自分も完璧にやろうとしすぎていたのかなと別のベクトルでの反省を始めました。保護してすぐのころ、とにかく知識がないのでネットの情報やカメ関連のYouTubeなど見漁っていたのですが、YouTubeやブログで発信している方たちの立派な飼育環境に圧倒されてしまいましたし、「こういう飼育法はダメ!」や「この製品は使っちゃダメ!」とかいう言葉を鵜吞みにし過ぎていたと思います。カメにとってよい環境をつくってあげることは大切だけど、自分に出来る範囲のことしか出来ないわけだし、器具は実際に使ってみて、ダメそうなら別のものを試して、カメと私の住環境に適したものを見つけてあげればいいだけだったのに。たぶんあの子はそれを待ってくれるような子でした。

そしてわずかな期間ではありましたが一緒に暮らして、カメの可愛さにどっぷりハマってしまっていました。怖がりだけど好奇心旺盛で、穏やかで優しくて。寝相が悪いのも、ごはんが嬉しすぎて慌てているのも可愛くて、また機会があればカメと暮らしたいな~と考えていました。そこで11月ごろからカメを販売しているショップのチェックを始め、冬から飼育し始めるのは大変そうだから春になったらお迎えしたいな~!とか夢見ていた矢先でした。

11月の終わり、仕事が午後からだったため午前中にジムへ行き、職場へ行く前に久しぶりに川のようすを見に行こうと遠回りをしました(11月ごろから日没が早くなり退勤後に見に行けなくなっていた)。

そしたらいたんですよね。カメ。川底にへばりついて微動だにしていないカメ。
一瞬石かな……と思ったのですが、甲羅の表皮?があちこち剥がれている特徴が一致したのですぐわかりました。ワーーーっ!とガードレールを越えて川に入り(わりと浅いので無問題)持ち上げてみても、全身を甲羅に引っ込めてまったく動きません。よく考えれば冬眠に入る寸前だったのだと思います。もう寝ようかな……というところで人間に拾い上げられてさぞ驚いたのか、30分くらい頭を出しませんでした。

とにかく職場まで連れて行ってバケツにぬるま湯をいれてようすをみました。するとちょっとずつ顔を出してくれました。生きてる~!!!職場の人たちに「カメ帰ってきました!!」と言うとそんなことある!?という反応でしたが、カメを拾ってくることに関しては誰にも咎められないホワイト職場です。

発見直後


とはいえふたたび家まで連れ帰るかどうかは悩みました。ただでさえ冬に向かって温度管理などが大変になるだろうに、冬眠寸前のところを起こしてしまったかたちで、かなりデリケートに扱わなければそれこそ危険にさらしてしまうだけなので。
でももうお別れしたくないという人間のエゴが勝ちました。4か月近く経ってから再会できるなんて思ってもみなかったし、もうこれは神様からのおくりものなんだと思うことにしました。

連れ帰ってからも3日は食べなかったり、うんちも出なかったりで心配しましたが、すこしずつ元気になってきました。冬だからかほとんど動かず休んで過ごしている時間が長いものの、エサのにおいをかいでジタバタしている姿や手足を投げ出して眠っている姿を見ると、また一緒に過ごせて本当に幸せだなあと思います。この幸せが長く続くように、カメのことをたくさん勉強して、彼女に信頼してもらえるよう頑張りたいのです。

外に出たいがため人間の腕を利用

ちなみに名前はみぞれです。職場の側溝(みぞ)に落っこちていたからです。

また会えて嬉しいよ、みぞれ。
あしたは大好きなエビを食べようね。

ではでは皆さまもHappy Holidays!

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