たかが文房具されど文房具 〜寝太郎がおすすめする診断士2次試験に持ち込むべきシャーペンと蛍光ペン〜
今回の記事
皆さまこんにちは。自称(詐称)“界隈の文具王“寝太郎です。
今回はXでリクエストを頂戴していた中小企業診断士2次試験向けの文房具、中でもシャーペンと蛍光ペンに絞って私なりの小さなこだわりとおすすめについて書いてみます。ダラダラ書いてたら冗長でひたすら長い🙇🏻
(大前提として沼問題について)
趣味にハマることを『「沼」にはまる』といいますが、まさに文房具も沼の世界そのものです。文房具でご飯を食べているプロの方も入れば、プロ以上とも言える詳しさをもつ一般の方もたくさんいらっしゃいます。私は、“自称界隈の文具王“と書いたものの浅い沼地に片足を突っ込んだ程度ですので、考察の浅さ等については何卒ご寛容をお願いしつつ、この記事を読んで,試験対策としてのシャーペンをはじめとした筆記具選びに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
お詳しい方で何か間違いに気付かれた点がありましたら遠慮なくご指摘くださいませ。
結論
“結論ファースト“と偉い人が言っていたので、最初に結論から書くと
私が試験に持ち込んだラインナップは以下の通りです。
【シャーペン】
①クルトガ ダイブ(三菱鉛筆) 事例Ⅰ〜Ⅲ用
②オレンズネロ0.3(ぺんてる) 事例Ⅳ用
【消しゴム】
③RESARE(コクヨ)
【蛍光ペン】(全てパイロット)
④フリクションライト ソフトカラー ソフトイエロー
⑤フリクションライト ソフトカラー ソフトピンク
⑥フリクションライト ソフトカラー ソフトブルー
⑦フリクションカラーズ ブルー
⑧フリクションカラーズ ローズ
※⑦⑧は蛍光ペンではなくカラーペンです
abはそれぞれフリクションライト ナチュラルカラーの
コーラルピンクとスカイブルーです。ちなみにabは店頭で買う時に間違えて買ったものでなぜか手元にあったので、一緒に写真に残しました。なぜこれらの色を間違えて買いやすいのか、何故この2本のシャーペンを選んだのか?について後述したいと思います。
診断士試験とシャーペン・蛍光ペン
ご存知の方は今さらジロー、キッチンジローですが、国家試験である中小企業診断士の2次試験は記述式で全部で4事例ある試験です。1事例あたり4〜5個の設問があり、1設問あたり100〜150文字程度の記述が必要になります。事例Ⅳ「財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」だけは少し特殊で、上記のパターンには当てはまらず、計算の途中式を書かせる空欄や100字に満たない記述が数問出題されます。
80分の時間制約がある中、適切な解答をいかに枠内に書けるかが問われる試験ですので、シャーペン選びは戦う武器を選ぶに等しい非常に重要な要素になります。
また、限られた時間の中で3000字以上の与件文を読み、事例企業の強みや弱み、設問で聞かれている重要な点に蛍光ペンでチェックを入れる作業も欠かせない工程です。
受験生の中でも、色分けせずにシャーペン1本で戦う野武士スタイルや設問ごとに与件の色分けをされるタイプなど色々な流儀がありますが、本noteではそれらの勉強法にまつわる記述はなく、あくまでも持ち込むべきシャーペンと蛍光ペンの種類についてのみ触れてきたいと思います。
シャーペン編
皆さまはシャーペンにこだわりはありますか?太い方が握りやすい、細いのだと手が疲れちゃうなどいくつかご意見があろうかと思います。今回、私はおすすめのシャーペンをご紹介するにあたって2つの観点に着目してご紹介していきたいと思います。それは、1次試験「運営管理」で出てきたVE(Value Engineering)の言葉からヒントを頂戴した①価値(書き味)②機能という2つの観点です。
①価値(書き味)について
書いていて気持ちいこと,書きやすいと感じること
→「書き味」=最大の価値ではないでしょうか。
上記で記載した太い・細いは、まさに個人の感覚である書き味という価値につながる要素の1つです。一般的にそれ以外で書き味に影響する重要な要素で言うと重さと重量バランスがあります。
<重さ>
重さは使われている材質に依存します。1本数百円で買えるものはボティだけでなく中の部品(※以下の図参照)にもプラスチックが多用されますが、1本数千円するものはボディや部品にアルミや真鍮といった金属が使われています。それらがもたらす,ぐらつきのない安定感もやはり書き味に影響すると思います。
安いシャーペンって少しぐらぐらする感じってないですかね?
<重量バランス>
筆記具は斜めに傾けて書くものなので、上の方の重量が重いと、ふらついて書きづらいので低重心のものが書き味が良いとなります。
書き味(特定の機能なし)重視でおすすめのシャーペン
適度な重さと重量バランスに優れた2本をご紹介します。
本当は2つの何gあって,バランスがどこでなど要素のポイントを踏まえて何がこうだと良いとか言えたらいいんでしょうが,そこが私の沼の浅さの限界です🙄
<パイロット S20 0.5mm>
芯径は0.3mm,0.5mm の2種類
色はブラック,ブラウン,マホガニー,ダークブラウン,ディープレッド
私は筆圧が強いので0.5mmじゃないと折れてしまうので0.5を選んでいます。
S20はパイロットの製図用シャーペンのSシリーズの最上位モデルです。※製図用シャーペンは先端のガイドパイプ(上の図参照)が長く,紙と触れる先端のところが見やすいものを指します。税込3,300円のS30という上位の商品がありますが,ガイドパイプの形状が既存のS3,S5,S10,S20と大きく異なり,メーカーサイトでは「製図用ペン」という位置付けからは外れているようなので上記ではS20が最上位という表記としました。ちなみにS30は「オートマチック機構(自動芯出し機構)」が搭載されており,②で説明する「機能」をもったシャーペンです。
S20は,文句なしの安定した重量バランスとその書き味の良さが魅力ですが,木軸シャーペンであるという点も惹かれるポイントです。樹脂含浸カバ材(※)という材料が使われています。使っているうちに艶も出てきて経年変化も楽しめる1本です。※ジュシガンシンカバザイです。木に樹脂を染み込ませてチョメチョメしてるらしいです。詳細は以下をご参照ください。
<カヴェコ スペシャル ペンシル 0.5mm>
芯径は上記の4種類,色はブラックですが,毎年限定モデルのカラーが出たりします。その時は少しお高め。
カヴェコはドイツのメーカーです。過去に一度倒産したのを同じドイツの会社が復刻させたそうです。
通常品でも6,050円と高価格製品で,人気もありますのでAmazonでもこの価格か、それ以上の高い値段で売られてたりすることもあります。
八角形のアルミボディがなんとも手にしっくり馴染んで持ちやすく,重量バランスや安定感がとにかく抜群で,ぜひ一度手にとってほしいシャーペンです。
ちなみにクリップは別売りになっています。
この後のパートでも書くのですが,ドイツのメーカーですが,どうやら作っているのは日本のOEM受託企業のようです。一流と言われるドイツの筆記具メーカーのシャーペンを製造している優れた企業が日本にはあるとのことで、寝太郎のググり探偵力を活かしていくつか候補は見つけているんですが,いつかそんな企業様と一緒にお仕事をしてみたいものです☺️
診断士2次試験には上記2本をリリーフとして机の上にスタンばらせていました。
<寝太郎が持っていないけど良さそうな書き味重視のシャーペン>
・ステッドラー
・ロットリング
どちらもドイツのメーカーですが日本製で,以下の2つは「製図用シャーペン」になります。
続いて機能について触れていきます。
②機能について
寝太郎が先発させた2本(クルトガ ダイブ・オレンズネロ)はこの“機能“を重視して(もちろん書き味も好き)選びました。ここで紹介する機能は以下の2つです。重さや重量配分以外でまさに“技術”が集約された特徴を“機能”としてご紹介します。
※ご紹介を割愛する機能は以下の2つです。
デルガード(ゼブラ):芯が内部で詰まるのを防ぐ機能。強く書くと先が凹む機能。
フレフレ機構(パイロット):振ると芯が出る機能
<1>自動芯出し機構
ぺんてるのオレンズネロを使って説明します。
先端からシャー芯を出すことなく紙に置いて書き始めると自動的にガイドパイプが引っ込み文字を書くことができる機能です。この機能でノックなしで芯1本分書き続けることが可能です。芯を出さずに書くのは以下のぺんてるさんのHPの図がわかりやすいかと思います。
さらにぺんてるさんは,「ぺんてるシャープペン研究部」というnoteの公式をやっていらして(今は休部中),開発者の想いなんかを知ることができます。
工業品ですが,有機野菜の作り手の顔が見えるかのような,こういう取り組みすごく好感持てますし大好きです。
https://note.com/pentel_sharppen/n/n6f8bcbf70af9
試験時間中にノックをしないで良いことの“楽さ“に魅了されてこの機能付きのシャーペンを先発させました。紙と擦らせて書くことに最初は違和感を感じる人もいるかも知れませんが,慣れで解決できるのと,「機能」の素晴らしさだけでない,適度な重量感とそのバランスで「書き味」も実に魅力的です。漆黒のボディもまたカッコ良い☺️
〜(余談)よくある2つの誤解〜
[その1]オレンズは全て自動芯出し機構である
→オレンズネロ,オレンズAT(23年1月新発売)の2機種のみの機能です。
この2本は自動芯出し機構がついているので「シャー芯1本分」ノックなし
で書き続けることができます(左の赤い←→範囲分)
一方,それ以外のオレンズシリーズは芯を出さないで書く書き方は同じ
ですが,範囲はガイドパイプの長さ(右の赤い←→範囲分)までで,
追加はノックが必要になります。
[その2]オレンズ(“折れんず“からのネーミングと思われる)なのに芯が折れる
→公式とは異なる使い方をされていると思われます。公式通りの使い方をする
と“絶対に“芯は折れません。そもそも芯が折れるのは,先端から出ている
芯が筆圧に耐えきれなくて折れる現象です。
オレンズは芯を出すことなく,紙と先端のガードパイプを擦り
合わせて書く=芯を出さないで書くシャーペンなので,つまり
芯を出さないので折れようがないのです。
<2>自動芯回転機構(クルトガ)
機能の2つ目は三菱鉛筆が誇るクルトガ機構です。
普通のシャーペンって書いているうちに文字が太くなってきますよね。なので均一の太さで書けるように少しペン先を回転させるように指で微妙にずらして,丁度良い書き味の角度を常に意識することってないでしょうか。クルトガ機構はこの回転作業をシャーペンの機能として自動的に行ってくれて,常に細い文字で書き続けることができるものです。
(詳細は以下の図参照)
試験中はこの指先で行う回転作業の煩わしさの削減と7mm ×7mmの小さなマスに文字が潰れることなく,極力きれいに細く書けるようにクルトガ機構のシャーペンを先発させました。
【結論:なぜクルトガ ダイブとオレンズネロを選んだか】
そもそもクルトガ ダイブ(KURUTOGA DIVE)とは?
私も大好きな伊東屋のSNSをフォローし,整理券を配る情報を入手してようやくゲットンすることができました☺️
クルトガDIVEを先発出場させた1番の理由は,上記<1><2>の機能を両方併せ持つ世界でもオンリーワンの商品だからです。しかも他社にもある<1>の機能と全く異なる機構で自動芯出しの機能(※)を実現させている点が本当にすごい革命的なシャーペンなのです。
※三菱鉛筆では「自動芯繰り出し機構」という名称で呼んでいます
上述したようにオレンズネロの自動芯出し機能は先端の芯を出さずに書く特殊な書き方が必要です。一方,クルトガ ダイブの自動芯繰り出し機構は,芯を出したままの普通のシャーペンの書き方で,一定数(440画程度と言われている)文字を書くと,自動的に芯が設定量分だけ出てきます。
さらに文字が太くなることを気にすることなく,常に細い文字で書き続けることができるクルトガ機構,この2つの機能を併せ持つ唯一のシャーペンということでクルトガ ダイブを先発させた理由です。
かなり短くまとめますが,事例Ⅳでオレンズネロ0.3を使った理由はとにかく小さい計算スペースに,より細かい文字で途中計算式を入れる為です。
蛍光ペン編
冒頭書いた通り2次試験に蛍光ペンを持ち込む方がほとんどかと思います。その中でも「消せる」ということでパイロットのフリクションシリーズの蛍光ペンを選ばれる方が多いのではないでしょうか?
私自身の過去3回の試験を振り返って,実際にマークしたものを消したことはないですが,「間違えたら消せる」という安心感は替えの効かないものだと思いますので、フリクションでどれを選ぶかということでこの記事はまとめます。
さて,手抜きして恐縮です。梨元です。
蛍光ペンに関してはこの方のこの投稿が芯をくっています。
ただベスト6色は人それぞれだと思いますし,私のベストは上の結論欄に記載した通りです。ぜひ皆さんのベストを見つけてくださいね。
ここだけはお伝えしたいポイントは,メジャーな「フリクションライト」は,私にとっては少し濃すぎる印象です。事実,両面に与件文が書かれている本番の試験用紙だと裏写りしてしまって支障が発生します(個人の感想です)。
あと最初読んでチェックし忘れた重要箇所が、チェックしたところが濃すぎるため、余計に埋もれてしまい目に入らなくなってしまうことを回避したかったためです。
なので基本「フリクションライト ソフトカラー」もしくは「フリクションライト ナチュラルカラー」からご自身の好みに合わせて選んでいただくことを推奨します。⑦⑧のフリクションカラーズは「ここ書く!」ってところをメモ用紙に写す作業を時短するために使っています。
→「出前をやめて来店のみ」ってのをどこかの解答で使ったんだと思われます💨
あれ、そんなに裏写りしてないかな😅
(少なくとも残りの2つは全く写っていないです)
店頭で間違いやすいので注意!
普通のフリクションライトは明らかにわかりやすい見た目ですが,
「ソフトカラー」「ナチュラルカラー」はどちらも淡い色を出してくれそうな雰囲気を醸しているので間違えないように注意が必要です。
まとめ
年に1度の試験なので,どうしても長い勉強期間になりますので、いかにモチベーションを保つかというのが重要になります。私は何か新しいシャーペンだったり文房具を購入することでそれを維持してきました。そして R4年受験の勉強を始めた時からiPad勉に移行しましたが,それでも最後の本番は必ずシャーペンを使うことを念頭に入れつつ,たまにアナログの紙とシャーペンでの勉強を挟むようにしていました。正直数千円のシャーペンなんてどうなのよ?と思われる方もいらっしゃるかと思います。私もそんな1人でしたが,コロナ禍真っ只中で飲み会が完全に無くなった時に,飲んだと思えば数千円はアリだなと思い揃え始めました。
今回の記事が皆さまの勉強活動に少しでも参考になったら幸いです☺️
(次回予告)
「万年筆🖋始めませんか?」
オートバイ,サーフィン,各種楽器類など趣味として楽しんでいらっしゃる方がいることを知っていて,自分はやってはいないもののぼんやりと興味はあることってありますよね。(定年後の蕎麦打ちブーム?)
20代30代の皆様は、いつかやろう,あるいはそのうちできるだろうと考えられる時間的余裕がありますが,40代も末期にくると「残りの人生」という視点で物事を考えるようになります。私にとってのそんなぼんやりとした興味が万年筆でした。万年筆を知らない人生,万年筆を知っている人生どっちがいいか,,,(coming soon)