【討論】今の時代に新聞は必要か?

ニューズピックスでこんな記事を見つけました。

「18歳の5割は新聞を読まず、将来的な購読の意志もなし」

体感的にはもっと少ないと思います。20代を含めても1割弱だと思います。

新聞に限らず、若者の紙離れはもはや議論の対象にもならないほど周知の事実です。この先紙の新聞の購読者数はますます減るでしょう。

私自身が当事者でしたから分かりますが、新聞社内にはもちろん危機感もありますし、なんとかweb領域でも生き残ろうと四苦八苦しています。でも新聞離れは止められない。その理由はシンプルで、今の新聞は世の中に必要とされていないからです。

新聞社にいると、あらゆる上司から「新聞がいかに必要か」という話をされます。インターネットが普及して無料コンテンツが当たり前の時代になっても、「新聞はお金を払ってでも読む価値がある」と半ば自らに言い聞かせるかのように言います。

本当にそうでしょうか?

たしかに新聞が持つ他媒体にはない強みは諸々あります。緻密な取材に基づく記事の正確性で言えばテレビやwebメディアでは真似できませんし、色んな視点や切り口の読み応えある特集には商品価値はあります。

速報性や映像のダイナミックさでテレビやweb媒体に及ばない(といっても一次情報は新聞・通信社から出ていることがほとんど)のは論点からズレるので置いておいて、

問題は、月5000円程の料金を支払ってまで読者はこうした情報を欲していないにもかかわらず、新聞社がそのことを理解していないことにあります。

スマホの普及でいつでもどこでも調べたい事を調べられるようになった現代で、人はどんな情報を欲しているでしょうか?一般的なニュースは無料で勝手に手に入りますし、より深い情報を知りたい場合には、たいていその線の専門家がブログやSNSで解説してくれています。わざわざお金を払って紙の新聞なんて買う必要がないのです。

web媒体では届かない新聞社の持つ独自の強みは「言論、社論」だと思います。1つのテーマについて、朝日はA、産経はB、読売はCの社論を持つ。それが世論の形成に大いに役立つので、国や政治家とは切っても切れませんし、無理矢理新聞が軽減税率の対象になるような事態が起こるのです。

その強みだったはずの言論やオピニオンでさえ、ニューズピックスのようなキュレーションメディアの普及によって、必要がなくなってしまった。別に大新聞社が書かなくても専門家が将来の展望を示してくれますし、双方向的に色んな読者の意見が一覧できるため、産経の「右の意見」も朝日の「左の意見」も即座に知ることができる。

にもかかわらず、新聞社の中ではいまだに「特ダネこそ至上」の文化が消えていません。スクープは当然、ネットには出さず紙にしか載せません。特集記事や連載もそうです。「価値あるスクープを放ち、面白い特集を組めば読者は離れない」と本気で思っています。

前の記事でも書きましたが、読者にとっては別に紙だろうがネットだろうが同じ1つの情報に過ぎません。価値あるスクープは絶対に必要ですし、公権力の監視という視点からも新聞社の「ような」存在はこれからも欠かせませんが、媒体が紙である必要は全くないし、その役割を担うのがwebメディアであってもいい。

そのことに気付かない限り、新聞社の衰退は止まらないと思うのですが、いかがでしょうか?

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