
効率化とゆとり(CursorとDevinのはなし)
こんにちは! 1回口座登録さえ完了すれば、請求から支払いまで10秒で完結するPay By Bankの中の人、BANKEYの阪本です。今回は社内での最近の出来事についてお話しします。
やってみなはれ
-出張行ってたんだってね?
はい。西日本シティ銀行主催のビジネスコンテストで幸いにもファイナリストに選ばれたので、ピッチしてきました。惜しくも入賞は逃しましたが、多くのフィードバックを得ることができました。しばらくは水面下で事業の磨き込みに専念します。
-発信も大事だけど、まずは事業だね
その通りです。ピッチは、世の中の反応を確認したり、会社をPRする機会として活用しますが、何よりも事業そのものが最優先です。
-しっかり頑張って! ところで最近の社内はどう?
いろいろ大変ですが、頑張っています。そんな中、こんな本を読みました。
これは以前読んだピープルウエアの著者トム・デマルコ氏による2001年出版の本で、多くのプロジェクト管理者が目を通したことがあると思います。
-面白そう、何がきっかけで?
出版されてからは20年以上経っているのですが、Twitter(現X)で以下の投稿を見たのがきっかけです。
各人の生産量を上げる為に各人に仕事をギリギリまで積むのはリーダーさんやマネジメントはやりがちなんだけど、100%近い負荷状態は人員の生産性を下げるんだよね。それも多少余裕がある時よりも成果物の質も量も下がる。上がるのは各人の不満とストレスだけという。ゆとりってホント大事。
— komitsubo (@komitsubo) February 18, 2025
本の帯に書かれている「人は速くは考えられない!」という言葉が印象的で、効率を追求することで逆に非効率を生み出してないか?という問題提起が詰まった良書でした。
-なるほど、それから?
人は締切などの時間的プレッシャーを与えても「速くは考えられません」。これは作業の動作は効率的にできても思考を伴う活動には限界があるということです。
個人的には「速く考えられない」と思考の尺度に「速さ」が用いられているのが面白いと感じています。速さは時間あたりの変化量(距離だと位置の変化)のことなので、人が一定時間に考えられることには限界があるということを言っています。
で、これがAIとプロジェクトの関係性を考えるヒントになるのではないかという思いに至りました。
AIと一緒に働く、考える
-と、言いますと?
昨年からChatGPTを全社員が業務で活用できるようにしています。当然、AIが常に正しいとは限りませんが、AIにできることはAIに任せ、可能な限り多くのアウトプットを生み出すことが基本方針です。ただし、コストの問題もあり、まずはChatGPTのみ課金していました。
そんな中、チームメンバーから東京都知事選にも出馬された安野さんのポストを引用しながら「Devinを使ってみたい」という要望が出てきました。そこで「やってみなはれ」ということで即決で導入を決定しました。

ここからは阪本がメンバーのやましゅうさんインタビューした内容です。
-実際にCursorとDevinを使ってみてどう?
本格的に使い始めて数日しか経っていませんが、めちゃくちゃ便利です ☺️
便利なので1回使い始めるとたぶんやめられないんじゃないかなぁという感覚があります。
公安9課の解散時に少佐が「最新の装備を湯水のように使えてよかった」と9課を評したシーンがあるのですが、まさに会社が最新 AI に対して投資してくれるのは大変ありがたいです。
-それは良かった!まずはCursorについてもう少し詳しく教えて?
Github Copilot を既に契約して使っていたのですが、それよりも更にコードの自動生成や補完が優れているという印象です。
たぶんリポジトリ全体を参照してコード生成をしてくれているからかな?
特にバックエンドで使っている Go はコンパイル言語なので相性がよいです。
リポジトリ内でお手本となる綺麗なコードを最初に書いてしまえば、どんどんそれを真似して良いコードを量産してくれるのでありがたいありがたい 🙏
-いいね!ではDevinはどう?
Devin は自律してタスクを進めてくれるのが本当に良きですね ☺️
Slack で面倒くさい作業をお願いしておけば、バックグラウンドで CI が通るまで自分で考えて修正しながら Pull Request を作成してくれるので、並行作業が捗ります。
全部自分でやる場合は、軽微な作業であってもコンテキストスイッチが発生して、頭を使って考えないといけない重要なタスクに割ける脳の容量が減ってしまいますので。
公安9課ではタチコマという並列化された思考戦車を運用しているのですが、自分がそのタチコマの1台になって、Devin が別の1台になっているような感覚です。
ただ、時々は様子を見て指示を出してあげないといけませんし、指示が曖昧すぎると思ったアウトプットは得られない場合もあるので、そこは人間と同じだと思いました。
$700/month は人件費と比べて破格に安いため、使い得でしかないという感想です。
-おぉ、開発環境としてはいい感じということでOK?
ですね。
多かれ少なかれ今までやっていた単純な作業から開放されたり、その作業の負荷が減ったのは確実です。
となると、ホモ・サピエンスにはホモ・サピエンスにしかできない仕事をやる方向へシフトしていく必要はあるので、マインドチェンジ等は必要かもしれません。
気持ち的には、とにかく頼もしい仲間が増えて嬉しいです。
あと「使いたい」という要望に、会社が「OK」と即答してくれたことには感謝ですし、このスピード感は大好きですね!
ありがとうございます!!
そんなことより、早く攻殻機動隊を履修してください 📺

裁量を持って働く
(ここからは仮想対談に戻ります)
-AIを導入して、生産性が向上したという話?
またざっくりしたまとめを…(笑) 実際、その通りです。
さっきの本の話に戻ると、人は「速く」は考えられない以上、考える時間を増やすしかありません。AIを活用することで、人と並列で処理を進められ、考えなければならない部分の一部をAIが担うことで、「人が一人で考える時間」を増やせます。
「速さを変えられない」のであれば、思考の時間を最大化することが重要です。その手段として、AIの活用は必須だと考えています。
-実際にBANKEYだとどんなAIが使えるの?
まず正社員はもちろん、業務委託の方を含めて"Cursor"は積極的に使って下さい、費用は当社で持ちますというポリシーです。Devinに関しては会社で契約してプロジェクトに投入済なのでSlackでガンガンタスクを依頼できます。ビジネスサイドはChat GPTにちゃんと課金しています。
-このあたりPCやディスプレイ、椅子なんかと同じだね
そうですね。AIは業務環境の一部としてデフォルト化していくでしょう。BANKEYはまだ小さな会社ですが、裁量を持って仕事をしてもらうことが大切です。裁量がないとスピードが落ちる。思考の速さには限界がありますが、限界突破して物事を動かしていくには裁量を以て動いていくしかありません。僕の役割は、裁量を発揮するための障害を取り除くことで、更に言うと僕が障害点にならないように日々ヒリヒリしています。
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