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続・リーダーシップについて考える

1回口座登録さえ完了すれば請求から支払いまで10秒で簡潔するPay By Bankを拡げるための組織づくりに奔走するBANKEYの阪本です。今日は前回に引き続いてリーダーシップに関する考え方です。


序章:大学院時代の話

筆者は銀行勤務時代に企業派遣制度で慶應義塾大学ビジネススクール(以下「KBS」)に2年間通わせて頂きました(当時の上司からは海外留学に挑戦しろと言われ続けるもTOEFLの成績が足らずというのは秘密)。元々大学は農学部で銀行員やりながらも経営を体系的に学んだ経験がなく、学びと新たに一生の友人を得るという大変ありがたい時間でした(なので、きちんと銀行に戻って5年間は貢献しました)。

当時、KBSに入学(入院?)すると早速4月のはじめに伊豆の下田で1週間の導入合宿がありました。右も左も分からないままながらクラスメートと議論・討議し夜な夜なビールを片手に予習するといった形での缶詰です。

クラスの他に10名程度のグループがあり、筆者のグループには自費で入学してきた人、学部からの院進生、留学生、筆者と同じく企業派遣で来ている人がバランスよく割当られ半学半教の実践を期待されているのだなぁなどと考えていました。中でも大手流通企業から派遣で来ていたNさんとは卒業後も含め欠かせない友人の1人になっています。

初日の夜にどんなきっかけだったか皆であだ名をつけようという話になり、筆者についたあだ名は「リーダー」でした。
奈良県出身で農学部ということもあり、某農業系アイドルグループのリーダーとかぶるということか?と思っていたら、リーダーと言い出したNさんが「ダチョウの方ね」と。ヤー!

本題|リーダーは自然体

さて、大学院時代に、組織開発のコンテクストで元ナイキの増田弥生さんにお越し頂いてお話を伺う機会がありました。
きっかけは増田さんの「リーダーは自然体 無理せず、飾らず、ありのまま」という著書です。

10年経つと記憶は薄れていくのですが、今でも強烈に印象に残っているのは増田さんが極めて「素」だったということ。とにかく無理や背伸びしている感じが一切しない。たまたま短い講演の時間だったからという可能性はゼロではありませんが、著書の中で語られている経験談から想像される増田さんとシンクロする人が目の前に居ました。

素であるために

すごく逆説的なのですが、素でいるため、無理をしないためには結構な負荷と無理を自分に課す必要があります。少なくとも組織でやる仕事では。
というのは、何故組織が必要かと言えば1人では実現が難しいことを一緒にやれば実現できるかもしれないから組織に属し、組織の目的達成に向かって協力して前に進めていくわけです。

ただし、そのためにはコミュニケーションが欠かせません。発信して相手に伝えること、相手にどう伝わったかを察すること、相手が伝えたいことを正しくキャッチすること、これらを繰返しながら組織全体として前に進んでいかねばならないのですが、当然相手がある中で「素」であることの難しさは想像にかたくないと思います。

が、素でないコミュニケーションを想像してみて下さい。

なんかこの人無理してるなー、言わされてるなー、本心は別のところにあるなーといったノイズが必ず生じます。こういったノイズは「あのように言ってたけどホントのところは…」といった余計な思考の誘因になります。そして疲れます。

こういった摩擦を回避するためにも素であることを維持するための負荷や無理(と言う名の投資)を行うことが重要なのだと思います。

Self-awareness(自己認識)?

GEの何代か前のCEOだったイメルト氏(ジャック・ウェルチ氏の後任)がリーダーシップに対する考えを問われるとたった一言「Self awareness」と答えたそうです。

自分自身がこう見られたいという姿と実際に周りが自分をどう見ているかのギャップを出来るだけ小さくするということ(なお、KBSの師匠はこの話と合わせて「酔っぱらいに酔ってますか?と聞いても酔ってないと答える」という話をします)ですが、言い換えればリーダーとは素のコミュニケーションをすることだと筆者は解釈しています。

こういった行動をすればどのように見られるか、どのように思われるかをいちいち気にしながら行動するのは息が詰まる思いがします。

が、組織の中に優れたリーダー、微妙なリーダー、リーダーっぽい人、リーダーではない人がいるのはこういった1つ1つの行動や、振り返りあるいは行動前の一呼吸の差といったものの積み重ねの差なのではないかと考えています。そして優れたリーダーはこれらの行動を「素で」「当たり前」にやっているのです(習慣や良い意味でのバイアスと言っても良いかもしれません)。

無理して自分を良く見せるのではなく、素の自分を高めながら素の自分を開示することを積み重ねていくこと。優れたリーダーに共通している要素だと思います。言うのは簡単、実際にやるのは難しいのですが。

おまけ

今週は以下のコンテンツにグッと来るものがありました。

先日心理的安全性について書きました。思想としては間違っていないし、自分の考え方を棄却する必要はないものの、この大橋さんのコンテンツにかかれているNG行動は考えさせられるものがありました。素のレベルを上げないといけないという話。

おまけにもう1つ。

LayerXの福島さんもまたもの凄い高いレベルの素を素のまま開示されているリーダーだと思っております。この記事に書かれている組織運営に対する解像度、行動を読むにつれ、創業来の危機と言いながら自身の詰めの甘さを痛感しています。

素のレベル自体も、もっともっとレベルアップしなければ。ではまた。

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