見出し画像

会員になりました。とある信用金庫の。

銀行口座決済の当たり前を変えるPay by BANK開発中のBANKEYの阪本です。前回は最古で最強のフィンテックであるATMの話でした。
今回は閑話休題、信用金庫の会員になった話です。


序章:会員登録して良いことってあるの?

基本的に色々な会員登録が面倒だと思っています。メールアドレスとパスワードの設定だけで会員ですと言われたり、本人確認して家族情報や収入情報まで全部お伝えして会員になったり。
で、会員証をもらってあなたの会員番号はXXXですみたいランダムな数字と英字の羅列だったりで。

会員登録して良いことと言えばポイントが溜まるとか、誕生日におめでとうメールが来るとか、ちょっとしたクーポンが貰えるとか。あとは都度都度情報入力をしなくても勝手に入力が完了するとかは良いことと言えば良いことかもしれない。

でも、なんだか出来るだけ不要な会員登録は避けたいし、会員登録するからにはメリットは最大化したいものです。

信用金庫法

というわけで本題です。以前に銀行の数を数えた時に預金取扱機関として信用金庫というのがあるということに触れました。
詳しくはこちらのNoteを読むと良いです(他力本願)

で、銀行はメガバンクも地銀も銀行法に基づいて事業を行っています。そして、信用金庫の根拠になっている法律は「信用金庫法」です。

さて、信用金庫法を少しだけ見てみましょう。

(目的)
第一条
この法律は、国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資するため、協同組織による信用金庫の制度を確立し、金融業務の公共性にかんがみ、その監督の適正を期するとともに信用の維持と預金者等の保護に資することを目的とする。

https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000238#Mp-Ch_2

まず冒頭、信用金庫法の目的は預金取扱機関としての精神が述べられています。信用金庫は国民大衆のための金融の円滑と貯蓄の増強のために設置されているのです。ちなみに銀行法の第一条は次の通りです。

(目的)
第一条
この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
2この法律の運用に当たつては、銀行の業務の運営についての自主的な努力を尊重するよう配慮しなければならない。

https://laws.e-gov.go.jp/law/356AC0000000059

銀行法の方はどちらかというと国民経済の発展というように預金者1人1人がどうこうというよりはマクロに重点を置いているようにも見えます。

信用金庫法に戻ります。第二章には会員というのが定められています。

第二章 会員
(会員たる資格)
第十条信用金庫の会員たる資格を有する者は、次に掲げる者で定款で定めるものとする。ただし、第一号又は第二号に掲げる者に該当する個人にあつてはその常時使用する従業員の数が三百人を超える事業者を除くものとし、第一号又は第二号に掲げる者に該当する法人にあつてはその常時使用する従業員の数が三百人を超え、かつ、その資本金の額又は出資の総額が政令で定める金額を超える事業者を除くものとする。
一その信用金庫の地区内に住所又は居所を有する者
二その信用金庫の地区内に事業所を有する者
三その信用金庫の地区内において勤労に従事する者
四前三号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者
2信用金庫連合会の会員たる資格を有する者は、その連合会の地区の一部を地区とする信用金庫であつて、定款で定めるものとする。

https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000238#Mp-Ch_2

信用金庫は法人であることが必要と第二条に定められていますが、法人といっても株式会社や合同会社ではありません。
信用金庫という法人格を持ちます。株式会社ではないので株主はいませんが株式会社の株主に該当するのがこの会員です。

そしておカネを出すだけではなく一定の条件を満たすことが会員の条件であると定められています。とにもかくにも地域密着。

出資しました(会社で)

というわけでタイトルにある通り、今回ある信用金庫からお借入することになり、一定金額以上の借入なので定款上会員になる必要があるということで会員になりました。

ちなみに、使ったのは東京都のスタートアップ創出促進保証制度。経営者の連帯保証不要な上に保証料の3分の2を都が負担してくれます。ありがたや。これから頑張って利益を出して都税を納めます。

ちなみに会員証(出資証券)は電子化されているので後日確認するためのIDとPWが郵送で送られてくるそう。ちなみに出資なので業績に応じて配当がもらえます。そして脱退自由の原則があり、出資金返して!と言えるそうですが脱退には申請から1年くらいかかるらしい。。。

まとめ

なかなか馴染みがない(と思われる)信用金庫との取引について書きました。実は筆者は10数年前に大学の卒業論文でマイクロファイナンスについてかじったのですが、まさにマイクロファイナンスの要素が詰まってるなぁと改めて信用金庫法を読みながら思いに耽った次第です。今回は薄味で。ではまた。

いいなと思ったら応援しよう!