Bankers' Idea

上場会社の企業価値向上に向けて、ファイナンスやM&Aに関連するコンテンツをまとめています。 「企業買収における行動指針を 一問一答形式で完全理解」上梓。取締役を目指される方必携です。 https://amzn.to/3UxhHsZ 絶賛発売中。

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「企業買収における行動指針」を 一問一答形式で完全理解~新書発売~

「企業買収における行動指針」が定められて以降、企業価値向上に向けた打ち手としてM&Aに注目が集まっています。また、買収を仕掛けるだけでなく、買収を仕掛けられる側としても、経営陣や取締役は指針を尊重してステークホルダーとの対話を行う必要があります。 上場会社の役員や役員を目指されるかたは、本書籍の問題について、100点がとれるように頑張りましょう。 以下、書籍より抜粋 企業買収における行動指針は、上場企業の経営支配権を取得するM&Aの当事者となった経営陣、株主、投資家など

    • 新書発売!「コーポレートガバナンス・コードを 一問一答形式で完全理解」

      東証上場会社が企業価値向上に向けて真っ先に取り組まなくてはならないのことがコーポレートガバナンスの進化・深化です。上場企業の役員の指針ともいえるコーポレートガバナンス・コードへの理解を深めるために、一問一答の問題集を作成しました。 上場会社の役員や役員を目指されるかたは100点を目指して頑張りましょう。 以下、書籍より抜粋 コーポレートガバナンス・コードは、上場企業のコーポレートガバナンスのガイドラインとして参照すべき指針です。2015年に策定され、2018年に1回目に

      • アリマンタシォン・クシュタールによるセブン&アイ・ホールディングスへの買収アプローチ

        経済産業省が2023年8月31日に「企業買収における行動指針」を公表してから、2015年のコーポレートガバナンス・コードの制定と相まって、数多くの「同意なきTOB」(かつては、敵対的TOBと呼ばれていました)が発生しています。 同行動指針は、乱暴に言えば、「株主共同利益の向上に資する提案であるならば、指針に沿う適正な手続きを踏んでいる限り、経営陣の同意があろうがなかろうが、積極的に買収提案を行う」ことを肯定しています。 こうした中で、小売業界の最大手の一角である、セブン&ア

        • スタートアップ企業をDCF法でバリュエーションする時の割引率

          スタートアップ企業は、上場企業に比べると事業計画の実現性が低く、上場企業と同様の割引率を用いてバリュエーションを行うと過大評価となってしまいます。 また、多くのスタートアップ企業には、ピタっと当てはまる同業他社や類似会社がなく、割引率を算定することすらできないというケースも多くなっています。 スタートアップのバリュエーションを行う際の割引率をどのように算定しているのか、実務書を調べてみました。 実務書が推奨するスタートアップに適用すべき割引率「新株予約権等・種類株式の発行戦

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        「企業買収における行動指針」を 一問一答形式で完全理解~新書発売~

        • 新書発売!「コーポレートガバナンス・コードを 一問一答形式で完全理解」

        • アリマンタシォン・クシュタールによるセブン&アイ・ホールディングスへの買収アプローチ

        • スタートアップ企業をDCF法でバリュエーションする時の割引率

          新書発売!「特別委員会による公開買付価格の引き上げ要請回数と引き上げ率の分析」

          2019年に策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針ー企業価値の向上と株主利益の確保に向けてー」の指針以降、特別委員会が多く組成されています。 特別委員会が、公開買付価格の引き上げにどのような影響があるのか、特別委員会による公開買付価格の引き上げ率を分析してみました。 ↓以下紹介 ーーーーーーーー 本書では、各種指針がM&Aに求める公平性確保の中で、特別委員会が対象会社および一般株主の利益を図る立場として、公開買付価格の引き上げをどの程度行っているかについて、公開買付

          新書発売!「特別委員会による公開買付価格の引き上げ要請回数と引き上げ率の分析」

          キリンによるファンケルのTOB研究会

          経緯2019年 株価3270円でキリンがファンケル創業家からの株式買収(約3割) 2024年6月17日 キリンがファンケルに対して2690円でTOBを開始。発表直前の3か月間の平均株価に37%のプレミアム、6月13日の終値から43%のプレミアム 2024年6月以降 TOB公表以降、投資ファンドがファンケル株を買い増し 2024年8月6日 TOB価格を2800円に引き上げ、買い付け期間を8月28日まで延長 2024年8月13日 投資ファンドの保有比率が8.94%へ上昇 202

          キリンによるファンケルのTOB研究会

          新書発売!「DCF法に採用されている永久成長率の分析」

          KDPで書籍を発売しました。 いままで謎が多かった永久成長率に切り込んだ書籍です。 ↓以下紹介 ーーーーーーーー DCF(ディスカンティッド・キャッシュフロー)法で用いられる永久成長率については、実務家やアカデミックの世界でも、どのような数値を用いるべきかの見解が統一されていません。一方で、DCF法において、永久成長率を用いて算出される継続価値が、企業価値評価の大きな割合を占めています。 利益相反が潜在的に存在するようなM&A案件において、公平性を確保する要請が高まっ

          新書発売!「DCF法に採用されている永久成長率の分析」

          アウレリウス(AURELIUS)がボディショップ(Body Shop)を買収

          2023年11月14日 アウレリウスは、ナチュラ・アンド・カンパニーS.A(NYSE - NTCO; B3 - NTCO3)からザ・ボディショップ・インターナショナル・リミテッド(ザ・ボディショップ)を買収することを発表した。同社は、直営店、eコマースサイト、海外フランチャイズ、卸売り先を持つオムニチャネル小売業者である。この買収は、関連する競争・規制当局の承認を経て、2023年12月に完了する予定である。買収契約では、ザ・ボディショップの買収額は2億700万ポンドで、これに

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          KKR率いるコンソーシアムが、Encavis AGを買収

          2024年3月14日 KKRは、買収提案の一環としてEncavisと投資契約を締結したことを発表します。Encavisの経営委員会および監査役会は、この戦略的パートナーシップを全面的に支持しており、全株主にこの提案を受け入れるよう推奨する意向である。 ABACON社およびその他の株主は、Encavis社の株式をBidCo社に売却およびロールオーバーする拘束力のある契約に署名しており、買収提案を全面的に支持している。Viessmann(ヴィースマン)はKKR主導のコンソーシアム

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          Blackstone、Tropical Smoothie Cafe を買収し、大手フランチャイズ企業のさらなる拡大を推進

          2024年4月24日 Blackstone は本日、Blackstone が運用するプライベート・エクイティ・ファンド (以下、Blackstone) が、ファストカジュアルレストランの大手フランチャイザーである Tropical Smoothie Cafe を Levine Leichtman Capital Partners から買収することで最終合意に達したと発表しました。本買収は、Blackstone の主力プライベート・エクイティ・ビークルの最新ヴィンテージによ

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          L Catterton社、PercassiファミリーからKIKO Milano社の過半数株式を取得

          2024年4月26日 消費者に焦点を当てた世界的な大手投資会社であるL・キャタートンは本日、イタリアの美容ブランドKIKO Milano(「KIKO」または「当社」)の株式の過半数を、創業者であるペルカッシ・ファミリーから取得することで最終合意に達したと発表した。取引条件は明らかにされていない。 アントニオ・ペルカッシとステファノ・ペルカッシによって1997年にイタリアのベルガモで設立されたKIKOは、世界最大級の個人所有のカラー化粧品ブランドである。イタリアの深い伝統と、

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          PAIパートナーズ、オーディオトニックスの株式の過半数を取得へ

          本文は、以下の記事の翻訳となります。 2024 年 4 月 23 日 プライベート・エクイティ・ファームである PAI Partners(以下「PAI」)と世界有数の投資会社 Ardian は本日、業務用オーディオ・ミキシング・コンソールおよび付属製品市場の世界的リーダーである Audiotonix の買収に合意したことを発表した。買収完了後、PAIはアウディオトニックスの株式の過半数を取得し筆頭株主となり、Ardianは経営陣とともに少数株主を維持する。 英国に本社を置く

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          コーヒーチェーンの店舗数ランキングから、今後起こりうるM&Aを考察してみた

          全日本コーヒー協会の統計資料によると、日本のコーヒーチェーンは1981年をピークに店舗数が減少していますが、大手スターバックスやコメダ珈琲といったコーヒーチェーンの店舗数は増加傾向にあります。 コーヒーチェーンの店舗数ランキング2024年1月時点のコーヒーチェーンの店舗数ランキングは以下の通りになります。 1位は、スターバックスコーヒーです。スタバブランドで席巻し、全国各地に2023年9月時点で1885店舗を展開しています。2022年には世界で約36,000店あるので、世

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          【ショートメモ】ゼンショーがハンバーガーチェーン業界でマクドナルドに対抗できる規模になるための戦略

          2023年に牛丼チェーン「すき家」で有名なゼンショーホールディングス(以下「ゼンショー」)が、ハンバーガーチェーンの業界4位であるロッテリアをロッテグループから買収しました。 同社のIRでは、食材調達、物流、店舗運営機能の分野でシナジー効果が期待できるとしています。 ゼンショーは、すき家以外にも、「なか卯」、「ココス」、「ビッグボーイ」、「ジョリーパスタ」、「はま寿司」、「華屋与兵衛」、「牛庵」などの多業態のレストランチェーンを運営しており、店舗の効率運営やスケール化するノウ

          【ショートメモ】ゼンショーがハンバーガーチェーン業界でマクドナルドに対抗できる規模になるための戦略