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『わかる』は『できる』ではない

あなたは何が『できていない』のか認識していますか?

研修で色々なスキルを解説すると、「それは知っている」「そんなこと分かっている」という方は多くいらっしゃいますが、「では、どのくらい出来ていますか?」と聞くと閉口してしまいます。

ここでは、あなたのスキルアップについてとても重要な示唆をさせていただきます。3つの観点で、ご自身の状態を見つめなおしてみてください。

01|『知る・わかる・できる・分かち合う・習慣化する』の段階的構造
02|『無自覚の無能』から『無自覚の有能』へのサイクル
03|『自責』で考えるためのマインドセット

01|『気付く・知る・分かる・出来る・分かち合う・習慣化する』の段階的構造

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スキルアップの第一歩は、『気付く』ことから始まります。

何に気付くべきか?

「自分が修得できていないスキルがあること」です。これに気付かないと、いかに素晴らしいスキルが目の前で展開されていても、自分も修得しようと思いません。

まずは積極的かつ客観的に自分の行動を顧みてみましょう。

次に『知る』です。スキルの存在を知らずにそれを修得できることはありません。しばしば、『気付く』と『知る』は同時に起こります。

そして『わかる』です。ハラオチという表現が適切だと思います。理論も含めて、「こうやったら上手くいくはずだ」と認識できています。

ここまでは優秀なあなたであれば、おそらく辿りついています。

しかし、ここから『できる』への道程はタフになります。

あなたは、最初から自転車に乗れましたか?何度も失敗してコツをつかんだのではないでしょうか?

ビジネススキルも同様で、『できる』ためには何度も失敗や試行錯誤を繰り返し、修得していく必要があります。

そうして到達した『できる』と、まだやってもいない『わかる』との間には大きな隔たりがあることがご理解いただけますでしょうか?

そして、一度出来るようになったら、今度はそれを誰かに教えます。『分かち合う』段階です。友達に勉強を教えたら、自分の方が勉強になった、という経験はありませんか?

人に教える上では、あなたの中でスキルが整理できて、言語化できていなければなりません。

そして最後に『習慣化する』段階です。この段階では、あなたはほぼ無意識に、食後の歯磨きのようによどみなく、自然体でスキルが発揮できています。

しかし、『習慣化する』までには、またしても大きなストレスがかかります。数学の問題で、解法がみえたら最後まで計算するのが面倒になったことはありませんか?ここでは自分の「飽き」「だれ」を克服する必要があるのです。

これで、ひと通りスキルの習得段階を経験しました。まずは気付きから、意識的に行ってみてください。

02|『無自覚の無能』から『無自覚の有能』へのサイクル

自分がスキル不足だということに気付くのが第一歩だという話をしました。

では、一度習慣化に到達したら、それでゴールなのでしょうか?

残念ながら、スキル修得に終わりはありません。

スライド2

このように、無意識にできる(=習慣化)した状態になると、またフリダシに戻ってしまうのです。

以下にこのサイクルを解説いたします。

気付いていない状態を『無自覚の無能』と呼びます。

そこから気付きを得ることで、『自覚せる無能』に変わります。この段階では、あなたは自分に足りないものが見えていますので、前述の習得段階に従ってステップアップしてください。

そうすると、『自覚せる有能』(=できる)に変わります。最後の習慣化まで終わると『無自覚の有能』、つまり、意識せずにスキルを発揮できている状態へ変化します。

ここまではいいですね?では、この後はどうなるでしょうか?

せっかく『無自覚の有能』を経験したあなたも、より高い職務・フィールド・階層になると、いつの間にか『無自覚の無能』に戻ってしまうということが起きるのです。

誰しもが経験するであろう例として、トップセールスがマネージャーになって、求められる能力がガラリと変わってしまう、ということがあります。

いつまでもプレーヤーの気持ちでいると、スキル不足に気付かないまま凋落してしまうのです。

同じ職務が継続する場合でも、より高い次元の人と接したとき、自分の無能さに気付けるときもあります。

井の中の蛙にならないよう、常に自分を顧みてみてください。

03|『自責』で考えるためのマインドセット

最後に、スキル修得、とくに『わかる』と『できる』の間の壁を登ろうとする勇敢なあなたマインドセットのお願いです。

それは『自責』という考え方です。

『わかる』から『できる』へ移行するときは前述の通り、なかなかうまくいきません。その時に、教え方が悪い、メソッドが悪い、客が悪い、環境が悪い、と、自分以外にできない原因を求める思考になる方がいます。

それでは、永久に『できる』ようにはなりません

必ず、自分に責任があります。

※実際には相手の過失割合が90%あろうとも、スキル修得にあたっては自分に100%の理由があると考えましょう、という意味です

また、自分がコントロールできない事をなんとかしようと考えを巡らせることはムダでしかありません。自分がコントロールできることにフォーカスしましょう。


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