銀行員転職ガイド
0:目次
1:本noteについて
1-1:執筆理由
1-2:スコープ
1-2-1:領域の絞り込み
1-2-2:対象者の絞り込み
2:転職活動をすべきかの判断
2-1:銀行の良い部分と悪い部分
2-2:「銀行」の今後について
2-3:行内でのキャリアを踏まえた判断
2-4:転職によって得るもの、失うもの
2-5:事業会社上位者と一般行員の成長速度
2-6:辞め銀が転職先で活躍できる理由
2-7:有意な転職に時限がある理由
3:汎用スキルセットの整理(本論)
3-1:前提
3-2:一般行員の能力の全体像(レーダーチャート)
3-3:一般行員汎用スキルマップ
3-4:採用企業の人材投資判断
3-5:「創意工夫して成果を挙げた事」への対応
3-6:ストーリーラインの作成
4:転職後
4-1:「内定」の位置付け
4-2:転職者がやらねばならないこと
4-3:転職者がやってはならないこと
5:まとめ+tips
5-1:各章のエッセンス
5-2:面接で有用だった質疑応答(5例)
5-3:最後に
6:中途採用面接官の目線(23年8月追記)
6-1:採用担当者の要求と銀行内の常識
6-2:面接官が本当に知りたいこと
6-3:その他面接官が気にする事
1:本noteについて
1-1:執筆理由
この記事を書こうと思ったきっかけは、ある転職支援?書籍の内容を目にしたことで、そこに書いていた事は完全な嘘と断言まではできないものの、恐らくは作者は経歴詐称+内容も実際の転職活動における体感とほぼ全く一致する所の無い中身で「これで書籍化できるんだ」という衝撃を受けました。同時に何か自分で少しでも実態に近い物を書いてみたいと思いましたが、残念ながら私は転職をしたといってもN=1で、専業エージェントの様に実際の事例を多く見てきた訳でもありません。では、何かできる事が無いかと考えて思い至ったのが、スコープを徹底的に絞ることで解像度を上げて妥当な物を作ることでした
世の中にはオーダーメイド生産と見込み生産の商品/サービスとが存在しますが、所謂転職支援が完全に後者であることは疑いありません。一般に、「転職」という単語の中には「40歳までフリーターだった男性が初めて正社員を目指す」と「28歳三菱商事が落ち着いて働ける環境への転職を目指す」が一緒くたに突っ込まれており、両者に共通するエッセンスはほぼ皆無で、だからこそ「転職とは!」みたいな解像度が荒過ぎる転職のアドバイスは害こそあれ役に立つことはほぼ無いと思われます。そこで自身の見てきた範囲、即ち「銀行員、(それもスペシャリティを持たない一般行員)の転職」という超ニッチなジャンルにまでスコープを絞ることで、私でも少しでも有益な内容を作成することを目指してみることにしました。
執筆に当たって色々とご意見をいただいた数人の辞め銀ツイッタラーの方には御礼を申し上げます(伺った個別の話は一切記載しておりません)また、本noteは一般論を転職というスコープの中で可能な限り丁寧に整理することを目的としており、銀行又は転職先におけるスキルそのもの/業務の内容・(審査基準の様な)形式知を切り売りする様な内容、「地銀1年目リタイヤからGSに行く魔法」みたいな突飛な内容を含みません。念の為。
1-2:スコープ
今回スコープは以下1-2-1に記載する物に限定し、①転職先業種・職種毎の調査や考察、②既に世に溢れている「面接テクニック!」みたいな小手先の話についてはオミットします。基本的に自分のスキルセットについて冷静に判断ができていれば、後はそれを当てはめ⇒淡々と説明すれば足りるというのが個人的な意見ではあります。実際の面接で「これ言ったのが良かったかな」というのは多少記憶があるので、「今ならこう言うかな」という脚色も踏まえて5-2項にてTipsとして記載しておきます。
1-2-1:領域の絞り込み
本noteの領域は以下です。
2章:転職すべきかの判断で重要となる要素の整理
3章:一般(スペシャリティの無い)行員のスキルセットの整理、評価
4章:転職を実現した後の振舞
5章:まとめ、tipsとして有効であったと思われる質疑応答5例。
基本的には3章がメインになります。私の認識ですが、第二新卒より後の転職活動は新卒就活と比較して、所謂お作法だとか意気表明だとかで点を取るのが難しく、見せ方こそあるものの「何をやってきたか」「何ができるか」で大体が決まる認識です。よって本noteでは基本的にこの点にフォーカスし、銀行員の汎用スキルを整理し、何をどのように売るべきか、何を売ろうとしてはいけないかを整理することに力点を置きました。
1-2-2:対象者の絞り込み
本記事はターゲットを銀行員、としましたが、更に解像度を上げる為に以下の方はスコープから除いて対象を更に限定します。尚、銀行員と現職以外の業種・職種にそれほど明るくないので、どこまで通用するかお約束はできません、新卒就活者、無形商材の販売や定型業務の多いJTC総合職の方であれば、何か役に立つエッセンスはあるかもしれません。
・何らかのスペシャリティを身に着けた方。
⇒例えば在職中に税理士を取ったとか、本店でデリバティブを弄っていとか、海外支店に在籍していたとか、そうしたスペシャリティを獲得するに至った人材が転職の場に出れば、当然そこを主眼に見られるし、債権を弄ってた人間とストファイの担当者では多分転職先が全く異なります。私は個別業務を知っているワケでは無いし、それらを一緒くたにしてしまったら、スコープを絞った意味がなくなってしまう為、ここでは対象外とします。
・同業/同職種への転職を目指す方
⇒この場合、今の職種での取扱商品であるとか、空いたポジションにハマっているか等の要素が中心になり、アピールする内容も現職で何をしていたか、成績をそのまま伝えて判断を任せる事になります。これに関してそんな付加価値のありそうな事を書けないのでここでは除くことにします。
・中間管理職以上の方、在職3年未満の方
⇒異業種でいきなり管理職として転職するのは相当なハードルであり、かつ社格や待遇環境も基本的にはダウンサイドとなる可能性が高い為。また本noteは3章に記載する一般行員としての汎用スキルセットがある前提での転職を検討するもので、それらが3年以内に習得されるとは考え難いことから、オミットします。現状1、2年目であるが3年後以降を見据えて、ということであれば何を身に着けるべきかについて考える一助にはなるかもしれません。
以上より、本noteでターゲットとするのは、
「3年目から中堅くらいまで」「特段のスペシャリティがない」「異業種を目指す」方としたいと思います。
ここまでの記載と目次をご覧いただき、もしご興味をお持ちいただけたら購入を検討下さい。
2:転職活動をすべきかの判断
2-1:銀行の良い部分と悪い部分
3章で本論に入る前に、2章ではそもそも銀行を辞めて転職すべきか否かを判断する為の材料を可能な限り整理してみます。少なくとも私のいた銀行は支店レベルでは「営業等の基本的な適性があることを前提に、
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