機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

初日に109シネマズ木場で鑑賞。夜だが席はかなり(7割方)埋まっており、年齢層はやはりファースト世代多め。

この話、最初にテロップが出るが、ファーストシリーズのわりと単独の箸休め的な独立エピソードの映画化ということである。つまり、多少のふくらませやアレンジはするが、シリーズを大きく外れることはない、という制約があるということだ。例えば、アムロは死なないし、ガンダムに乗り続ける。

そういった、安心感はあるが意外性もないなか、元々TVシリーズの30分の話をどう2時間の映画に広げるのか。よくよく考えてみると結構難易度高い。
結果からいうと、成功しているんじゃないかと思う。
要因の一つは、作画問題だろうか。TVシリーズで本エピソードは「作画崩壊の回」なんて言われたりして、安彦さんらスタッフには忸怩たる思いがあったのだろう。その点、キャラクターはきっちり安彦絵で動き、モビルスーツ戦闘などのCGも、迫力があり、決して「閃光のハサウェイ」などにも負けていない。
もう一つは、構成だ。この映画はいわゆる従来の三幕構成を踏襲している。まず、冒頭で戦闘シーン。次にアムロが出動してまた戦闘。その後は二幕めでダレ場。最後三幕めで戦闘、クライマックス。真ん中のダレ場も結構長いのだが、アムロとドアンや子供達との交流を丁寧に、細かいエピソードを重ねつつ描いているので、飽きさせない。個人的にはこの部分で飽きさせないのが成功要因ではないかと思う。

この作品、ガンダム見てる人はいいとして、見てない人向けにどうなんだろう、ということだが、十分に分かりやすかったんではないかと思う。確かにあまり語ってないところもあったが、あれ以上説明しちゃうとやはり白けちゃうと思う。

そしてやはり主題歌。テーマに寄り添った歌詞、作曲、ファンとしてのひいき目をさしひいても歌手・森口博子さんの歌。森口史上でも最高です。よくこの歌の評で「やさしく力強い」とあるがまさにその通りで、この二つを兼ね合わせた曲は今までなかなかなかった。

と、ここまで激ほめしてきましたが、気になる点を…それは、安彦節というか、オーバーアクトな演出なんです。だって、まず冒頭から、連邦軍のイヤな上司が出てくるんだけど、ちょっと演出すれば伝わるのに、表情からジェスチャーから、とにかくくどい。フラウはボロボロ涙流すし、昭和しぐさ?というのがちょっと気になってしまいます。笑わせたいのかな?とも思ったんですが、全編通してそれなので。

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