SHE SAID その名を暴け
この映画は、#MeeToo運動のきっかけになったハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ告発の記事ができるまでの話。これには原作があり、私は読んだが、事実を追っていく間に、敵が取材に気付くとか、タイムリミットが迫ってくるとか、まるでサスペンス映画のようで、興奮を覚えながらページをめくっていたのを覚えている。なので、今回のネタは非常に映画向きだと思っていて、公開が決まった時から楽しみにしていた。で、鑑賞の結果は…(以降、ネタバレ含む)
鑑賞してみると、期待していたサスペンス要素はそこまで強くなかった。どちらかというと、主人公の二人の女性記者と、セクハラの被害者達の感情により沿う形で、ドラマ要素を掘り下げるつくりになっていた。原作にそこまでの記述はなかったと記憶しているが、映画では主人公のミーガン、ジョディそれぞれの夫と子供達との生活を織り交ぜて、彼女らの女性としての立ち位置を強調している。ドラマにふった方向性は、主演二人の好演で、見事成功したと言える。
また、#MeeToo運動は、女優達が訴えでたことで公になった印象だが、映画では、女優はアシュレイ・ジャッド一人におさえ、一般人の被害者にスポットを当てている。ただアシュレイが当然本人役で出演しており、彼女がオファーを受けなければ成立しない話ではあった。一般人役には著名な女優を使うことはないあたりにも、配慮を感じる。
ところで、キャストに懐しい名前が…アンドレ・ブラウアー。かつてはまった海外ドラマシリーズ『ホミサイド 殺人捜査課』でクールな主人公刑事を演じた人だ。出ることは知っていて、役は知らなかったので最初見つけられなかったが、主人公の上司に見覚えが…でも恰幅がだいぶ違うが…本人だった!体型は変わっているが眼のあたりは当時のまま。