5★STAR GP 2024 上谷沙弥×鹿島沙希について
ども。最近刀羅ナツコ選手のインテリジェントぶりに感心しきりのbangaroです。今のSTARDOMはナツコ選手が動かしているといっても過言ではないし、インタビューなどからくる現状分析も実に的確。すごいね。
感心といえば、この試合です。私が気になる選手2人の対戦だから、という訳でもなく、現地(大阪、2024.8.20)にも行っておらず、配信で見たのみですが、試合全体を見て、「実によくできてるなー」と感心した次第です。
まず、上谷さんです。上谷さんは、ヒールターンしてH.A.T.E所属になり、絶賛キャラ模索中、まあ小悪魔というか、女王様的キャラでいくのかな?といったところ。昨年の怪我のこともあり、5☆GPは決勝に行きたいはず。この試合までは全勝です。
それに対し、沙希さんは1勝3敗と、後のない状況での対戦。最初から厳しいたたかいが予想されました。しかし、点状況が問題ではないんです。いや、少しは関係あるかもしれないけど。
5★STAR GPの期間中、沙希さんはずっとコミカルキャラ、もしくはタイアップしているスマパチ北斗の拳の宣伝担当というポジションでいました。だから入場時も北斗の拳のパネルを持って登場していたし、試合後のバックステージコメントもそうです。その前の世羅りさ選手との対戦では、パネルを持ったままジャイアントスイングされるという、期待通りのことをやってくれました。世羅選手とは全開の対戦の際にもジャイアントスイングで、お母様いわく「筆」にされた因縁があり、今回はファン(ですら)も、当然筆の再来を期待する訳ですから、まさに期待通りな訳でした。
しかし、この試合の沙希さんは入場から違いました。いつものパネルは持たず、観客に笑顔をふりまくこともせず、固い表情のままリングへ。
リングに上がっても、いつものポーズもとらず、じっと上谷さんを見つめています。
試合が始まると、上谷女王様が傍若無人に試合を進めます。椅子を持ちだし、殴るかと思いきや、座って足を組むとかやりたい放題。ファイトもヒールらしく、荒い攻撃です。これに対し、沙希さんはいきなり起死回生ではなく、まず蹴りで主導権をとりにいきます。まず、以前ここでも紹介した新小岩のジムで見せていたキック→膝蹴りのコンボ。それからカウンター気味のトラースキックです。このトラースキック(顔面への蹴り)は、以前はあまり使っていなかったと思います。私の記憶では、今年の7.12さくらあや戦で、「蹴りあいをしよう」と言いだしたあたりから徐々に使いだしたのではないかと思います。こういった打撃や、雪崩式フランケンシュタイナーなども駆使して流れを持ってきてからの起死回生。沙希さんが勝利です。
勝ったことはいいんですが、ここまでの展開は特に笑いもなくシリアスです。全然いつもの沙希さんではない。それにはれっきとした理由があって、今のキャラ変中の上谷さんと、通常モードの沙希さんでは、非常に食い合わせが悪い。下手すると上谷さんのキャラを潰してしまいかねない。そういった訳で今回はシリアスモードだったと。
ただ、いきなりシリアスになっても、唐突感があって変になってしまいます。しかし、これにもちゃんと伏線が張ってありました。God's EyeとH.A.T.E(の前身の大江戸隊)には、小波選手が朱里選手を裏切ることで、因縁ができていました。その後、8.4のユニット対抗戦で、沙希さんは終了後、こうマイクで言い放っています。
「お前らからは逃げない」
そんな訳で、上谷さんのモードチェンジに合わせた雰囲気が、ちゃんとできあがっていた訳です。ここまで考えていたのだとすると、凄くない?
(8/28追記)5★STARの流れでいうと、沙希さんは次の最終戦がH.A.T.E.のテクラ選手で、同じH.A.T.E.なので同じモードで闘っていました。急にキャラ変しなくていいので、この対戦カードもよく考えられている!
ちなみに沙希さんはこれも起死回生で勝ち、勝ち点を6まで増やしています。