上谷沙弥さんのこと
鹿島沙希さんに引き続き、今回はスターダムの上谷沙弥さんのことを書いてみたいと思う。もちろん好きな選手だからというのもあるが、現時点(2024年8月)では、上谷さんの「裏切り→ユニット移動」がホットな話題となっているので、それについての考察をしたい。
上谷さんは紫雷イオ選手が立ち上げた「クイーンズクエスト(以下QQ)」のメンバーだった。ところが、ユニットリーダーだった林下詩美選手が退団することになり、リーダーが不在となってしまった。そこで上谷さんは、メンバーの補強プランを打ち出し、その対象として、大江戸隊の渡辺桃さんに白羽の矢を立てた。桃さんは元々はQQのメンバーだが、QQを裏切って大江戸隊み加入した過去がある。そのため、他のQQメンバーはこれに戸惑いを隠せない。そればかりか、堂々と勧誘した桃さんにもすげなくされる。しかし、上谷さんがしつこくくいさがったため、大江戸隊が激怒。大江戸隊とQQjの全面対決に発展し、社長も介入して6月22日に「最終敗者ユニット脱退マッチ」を開催することになる。ところが、大江戸隊リーダー刀羅ナツコさんの策略により契約書が改ざんされ、「最終敗者以外強制脱退マッチ」にさせられてしまう。社長もQQももう少し抵抗してもいいのに、上谷さんの「とにかく勝てばいい」の一言でそのまま進行してしまう…
そして運命の6月22日。最後にリングに残ったのは上谷さんとナツコさん。ここで桃さんがバットを持って乱入。上谷さんを…と思いきや、なんとナツコさんを殴打!そのまま上谷さんと連携でナツコさんを攻める。しかしいよいよとなった瞬間、今度は上谷さんを椅子で殴打!その隙にナツコさんが上谷さんをフォール。QQは上谷さん以外が脱退となり、上谷さんは一人QQとなってしまった。
その後、上谷さんは同世代の舞華らと試合で連携したりして、絆を深めていく。
一方、大江戸隊の計画はこれだけでは終わらなかった。まずはゴッズアイに仕掛ける。当時朱里さんと小波さんの持つゴッデス(タッグ王座)に挑戦時、小波さんが裏切ってゴッデスは桃-テクラ組に移動。まあ元々小波さんは大江戸隊で、「いつ抜けると言った?」と言ってたとおり脱退してはいなかったようだから、裏切りと呼べるのかは分からないが。
そして次、大江戸隊が狙いを定めたのが赤ベルト、すなわちシングルの最高峰であるワールド王座。現保持者は舞華選手で、これにナツコ選手が挑戦。舞華のセコンドには、上谷さんがついていた。
試合は、舞華選手がフィニッシュ技のみちのくドライバー2を放ち、フォールに入ったところで、なんとセコンドにいた上谷さんがレフェリーの足を引っぱり3カウントを阻止、そこからナツコ選手が逆転して赤ベルトを手にする。
そこまでヒールのイメージが微塵もなかった上谷さんだけに、このヒールターンにはファンも騒然となった。
ファンの間でも賛否あるようだが、私個人としてはこのヒール転向そのものは上谷さんのためにもよいと思っている。私がスターダムを観始めたのは丁度上谷さんがワンダー王座をとった頃で、その時は大きい身体を使ったダイナミックな技(飛び技であるフェニックス・スプラッシュなど)に惹かれたものだが、その防衛記録が終わる頃には、戦い方に、なんとなく行き詰まりを感じて、もう少し引き出しがほしいと思うようになった。そして変わるためには、一つの手段としてヒール転向もありだと思うようになった。それを明確に思ったのは2023年の大江戸隊vsQQの時だった。この時は詩美さんと上谷さんが不和になり、裏切るのでは?ということもささやかれた。この時は結局、上谷さんは裏切らなかったが、私の中にはその思いがくすぶることになる。
まあそんな願望もあったため、今回の件はそれほどの驚きではなかった。一方気になるのは、「上谷はいつからヒールターンを決めていたのか?」ということである。みんなそれが気になっているのだが、しかし当事者である上谷さんもナツコさんもこれに対する言及は避けている…
では順番に考えてみる。第一の説は、「決めたのはごく最近(1週間以内)」。しかしこれはあまりにも策がない(いきあたりばったりすぎる)ということで否定される。頭のいいナツコさんからすると、ワールド王座戦が組まれた時には、上谷さんが刺客として送りこまれてはいけない。急にだとあまりにも不自然に映るからだ。
では、第二の説として、「6.22の前から決めていた」という説をとりあげる。これも実はやや不自然だ。もし裏切るのなら、この時でもよかった訳だ(例えば早々に敗退など)。それをわざわざ二段構えにするのは、観客を驚かす以外に意味が感じられない。一方、ワールド王座奪取を視野にいれるのなら、二段構えでも一見、筋が通りそうである。一度舞華選手を油断させるために1人QQになり…という流れ。が、このシナリオはやや強引と言わざるを得ない。元々2人はそんなに仲がいい訳でもないので、「黄金世代」というくくりで連携に持っていこうとしても、舞華さんがそんなにのってこなければうまくいかないからだ(現実は、「たまたま」うまくいった訳だが)。
と、どちらの場合でも無理がある。無理がない唯一の理由は、「観客を二度驚かせる」だが、まあそうは言えないだろうし、無理があることは実はH.A.T.Eサイド(運営サイド?)も分かっているから、誰も時期については明言しないのではなかろうか。
本筋は、6.22前の渡辺桃さんの上谷さんへの耳うちとそれに対するXのリアクション、等を考慮すると、第二の説が有力と私はみる。ただ、全貌が明かされていないことから、まだ何か起きるのでは?という不穏な空気は残る。
ところで、8月3日5☆ STAR GPの記者会見に行ってきた。来ないのでは?という憶測のあった上谷さんは会場にあらわれた。私の印象は、すべての挙動がゆっくりしているので、「だりぃヤンキー」といったところであろうか(鹿島沙希さんの評によると、「病んでるJK」だそうである)。が、私はこの雰囲気は悪くないと思う。それに、誰だって最初ってもんがあるでしょうがよ、だんだん板についてくるもんだぜ…
翌日、ダーク上谷さんは浜松でリングデビュー。今までとは違った、荒ぶる闘いぶりを見せてくれた。これについても賛否あるようだが、今後に期待が持てると私は思った。
しかし、上谷さんの今後については、疑問な点がある。5☆はおいといて、上谷さんは何のタイトルを狙っていくのかということだ。白を落として、次は赤を狙うものだと思っていた、が、その赤は同じユニットのナツコさんの手にある。赤狙いだとするとこの選択は遠回りなんじゃないか?ひょっとして別の狙いがあるのだろうか。そこは気になるところ。
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