ミステリと言う勿れ(田村由美)

ミステリは好きな方である。子供の頃は江戸川乱歩の少年探偵シリーズ(昔はコナンはなかったのだよ)、もう少したつとシャーロックホームズ、大人になったらクリスティやクイーン、ヴァンダイク…すごく読む方ではないが、一度はまるとその作家をひたすらといったところがある。

そんな私だから、ミステリコミックで話題になっているとなればそれはとびつく。といっても、本作を読んだのはドラマ化後で、しかもドラマは見ていない。ドラマについては後で少しだけ気になる点をふれる。

で、これが面白い。なぜかというとミステリのツボをおさえまくっているからだ。作者の田村由美先生は、正直自分のスコープではなかった。「BASARA」はたぶん少し読んだと思うが、本作とはまるで違うテイストだったと記憶している。こんなにミステリ好きだとは知らなかった!早く言ってよ!
なにがツボってまず主人公(探偵役)がアセックスというか、今でいうとノンバイナリー?なところ。原作のホームズも、「シャーロック」も、クイーンもヴァンダインもその辺は踏襲している。あとはミステリの謎解きの作法というかプロセスね。少しずつ出てくる材料と、語らない探偵、そして意外な犯人と。1話めでもうとりこですね。それだけじゃない。この話は基本はいくつかの関係ない謎解きをしていく1話完結でありつつ、根本に大きなストーリーの流れをかかえているということ。こんなのホームズもポアロもやってないよ。すごいね。

で、ドラマだけど、原作は完結してるのに、途中で終わらせたと聞く。そう聞いてしまうと、ちょっともう原作好きになってる自分としてはどうなってるか怖くて見れない。

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