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Maybelleのばんえい2歳馬通信 2023-10-13(ナナカマド賞特別号)

Maybelleの予想(馬体重発表後)

◎ホクセイポルシェ
○ライジンサン
△ミチシオ
▲アヤノダイマオー
本命は総合力でホクセイポルシェ。対抗はミチシオと迷ったが、ハンデ+枠順でライジンサン。好走パターンハッキリのアヤノダイマオーを▲で。


今期2歳世代(2021年生)の特徴

2021年生まれの今期2歳世代を一言で表すと“混戦”。去年はキョウエイプラスに遅デビュー組のタカラキングダム、マルホンリョウユウが追いかける展開、一昨年はキングフェスタが圧倒的強さを見せるなか、ヘッチャラなどが食らいつくなど主軸がハッキリとしていた。そんななかで、今期のメンバーを見渡すとミチシオが5勝、スマイルカナが4勝を挙げているものの、あれれ? という取りこぼしもあり、例年に比べると現状では力の差が少ないといえる。

若馬への斤量増が堪えた?

今年は使い出しから斤量が10kg加増となった。また、今年の砂は当初は非常に重く、雨の中で行われた第1回能力検査も苦戦する馬が続出。わずか10kgではあるものの、若馬にとっては大変なシーズンの出だしとなったのかもしれない。障害で失敗してしまう、息を入れる回数が多くなりレース中に集中力が切れるなど、メンタル面への影響もありそうで、レースの走り方を身につけるまでに少し時間がかかっているような印象を受けた。

猛暑が影響か? 皆勤賞なし

ナナカマド賞には、新馬戦が始まる第2回開催からすべての開催を使い、着実に賞金を稼いできた皆勤賞の馬が出走することも多いが、今年は該当なし。そもそも第1回の能力検査の合格率が低かったことも影響しているかもしれないが、ほとんどの馬は休みを挟みながら使ってきている。今年は全国的に猛暑だったが、帯広も例外ではなかったようで、その影響も受けていたのかも。また、デビューからの馬体重の変化も、今年は100kg超えの増量となった馬はおらず、夏場に馬体重を減らした馬も散見されたことから、猛暑の影響が馬の体調や成長に影響を与えた部分もあるのかもしれない。

デビューからの馬体重の変化

天気と馬場

今週はおおむね晴天+週末も晴れ予報を考えると、馬場は乾いて重たくなりそう。斤量も前走から+25~35kgとなり、2歳馬にとってはかなりタフなコンディション。

出走馬短評

※ここまでの経過の詳細は各馬のリンク先をどうぞ※

①ミチシオ 580kg 鈴木J

能力検査ではセンスの良さが光っていたのに加え、デビュー後は鈴木Jがていねいに競馬を教えてきた印象のある馬。今回のメンバーの中では唯一の3連勝を含む5勝と最も勝ち星が多い。レースぶりは好位でレースの流れに乗って障害すんなり、末も伸びると堅実なタイプなので、ここでは人気の中心になるか。重賞斤量も苦にするとは考えにくい。1コースで走った過去3回の成績は1-1-0-1で、やや出遅れたレースもあったものの、これまでの経験を活かしてレースをすることができそう。

②ホクセイポルシェ 580kg 西謙J

この世代の中でも馬体が大きく(1月生まれと言うこともあるかも?)、栗毛の馬体にサラサラの金のたてがみと、グッドルッキングホース。さらにレースにも前向きで、常に先頭集団を引っ張る頼もしさもある。ほどよく若い気性を持ち合わせながらも優等生といった走りで、青雲賞ではレースを終始コントロールする完勝を見せた。前走は少し控える競馬を試していたような印象だったが、やはりこの馬の良さは前に行ってバテないという感じ。重賞の斤量もこの馬にはプラスで有力馬の1頭。

③トカチヒロ 570kg 金田J

デビュー戦で勝った後は2カ月ほど休養を挟んでいたこともあり、レース数は少ないが、大きく崩れていない堅実な馬。夏に復帰後もしばらくは元気があり余るような走りをしていたが、ここ2戦ほどはだいぶ落着いて競馬ができるようになってきた。この馬の魅力は足腰の強さを活かした登坂力で、第2障害でスルリと前との差を詰める器用さもある。馬場が乾きそうな天候もこの馬に見方しそう。

④アヤノダイマオー 570kg 赤塚J

デビュー当初は800kg前半と馬体は小さかったものの、第1回の能力検査の時から仕上がり上々の走りを見せていた馬。スタートで若干後手を踏むことが多いものの、第2障害を下ろしてからの末脚はメンバーの中でもかなり上位のものがある。夏ごろに少し障害を苦手にした時期もあったが、青雲賞ではしっかり立て直しており、重賞に向け調整は万端。最後の伸び脚を活かせる、前が苦しくなる展開がほしいところ。

⑤ショータイム 570kg 長澤J

ゲートでジャンプしたりと少しヤンチャなところが目立っていた馬だが、障害巧者でパワーのある走りが魅力。ただ青雲賞、前走は後方追走になり、焦って第2障害を仕掛けるという流れから少しつまづいてしまった。気分良く障害を下ろせば良い脚をもっている馬だけに、前半の進み方がカギ。端コースはあまり得意ではない印象なので、今回の5コースは望むところ。障害でグッと差を縮めて自慢の末脚を披露したい。

⑥グランドスターダム 570kg 藤野J

とにかく前向きな気性が印象的な馬で、1つ上の兄でパワー型のタイヨウとはタイプが違う印象。デビューから一貫して先行してレースをつくってきた。行きたがるところを騎手になだめられながら走り、最後息切れしてしまうこともあったが、前走などは並んできた馬を最後まで抜かせない粘り強さも出てきている。今回も前々でレースをつくって後を疲れさせるようなレース展開を狙いたい。

⑦ライジンサン 570kg 船山J

第2回能力検査では、第2障害が一腰で上がらなかったにもかかわらず2番時計で走るなど素質の高い馬(ちなみに3番がショータイム、4番がスマイルカナ)。少し気ムラな面があり、途中でレースを止めてしまうこともあったが、最近は最後まで集中して走り切れるようになってきた。切れる脚というよりは、他の馬が疲れて最後止まってしまうようなレースで、ジワジワと脚を伸ばすのが得意なタイプ。乾燥馬場+重賞斤量は味方になりそう。

⑧スマイルカナ 560kg 今井J

能力検査の時から牡馬と差のない走りで注目を集めていた馬。その期待に違わずA-1戦線を賑わせる存在となった。馬体自体はそこまで大きくないもののバネのある伸びのある走りが印象的。牝馬OPの白菊賞、いちい賞はともに2着となったが、1強ムードのなか、徹底マークを意識するあまり自分のレースをしづらかったこともあるのかも。前開催は休養に充てており、馬体の成長も期待したい。なにより、この馬らしくノビノビ走れるかがカギになりそう。

⑨フレイムファースト 570kg 島津J

能力検査では若さ全開でワチャワチャとした雰囲気が目立っていたが、いざデビューすると789kgと小柄な馬体ながら、有力馬を相手に堂々の走り。レース中に気の悪いところを出すことはほとんどなく、障害も低い姿勢で安定、下ろしてからも堅実に走るなどセンスの良さを見せた。現時点では速い時計勝負に向いている印象はあるが、馬体も800kg台後半まで成長してきており経過は順調。多少の斤量増にも対応できそう。
(注目馬に入っていなかったため、ここまでのレースの記録はありません)

⑩ユーフォリア 570kg 菊池J

体が大きくてやんちゃ。そんな印象の強いこの馬は、新馬勝ち後にしばらく休養を挟んで大事に使われてきた。早々に馬体も1000kgを超え、上位勢とも差のない走りをしていたが、夏ごろからレース中に観客を気にするなど急失速するシーンもチラホラ見られるようになった。そんな中、前走はブリンカー着用+中枠でライバルとほとんど差のない2着。この世代で能力的には大器と考えられるだけに、あとは若い気持ちとの勝負か。

展望

このメンバーで無理なく前に行けそうなのはホクセイポルシェで、ここにグランドスターダム、差なくミチシオ、トカチヒロ、ライジンサンあたりで先行集団を形成しそう。ユーフォリアは前に行ける力はあるが、観客多めの重賞レース、大外枠がこの馬の集中力にどの程度影響するかは未知数。少し脚を溜めたいスマイルカナが中団、フレイムファーストも青雲賞の雰囲気を見ると中団~やや後方ぐらいか。アヤノダイマオーやショータイムは差しに構えそう。第2障害はノシノシ登るのがホクセイポルシェ、トカチヒロ、ライジンサン、グランドスターダム、フレイムファーストなど、ウサギ跳び方式がミチシオやスマイルカナ。末脚の切れ味はスマイルカナとアヤノダイマオーが鋭く、一方で長く粘り強い脚を使えるのはユーフォリアやライジンサンのイメージ。
なお、前日(10/14)の馬場水分量は1.6%、一番上のクラスのレース(B-6)の勝ちタイムは1:57.4。前日のレースはすべて先行した馬が勝利したものの、4レース中3レースは差し馬も2~3着に入線しており、先行しても最後苦しくなってしまう馬も多い印象を受けた。無理して先行するのではなく、しっかり先行脚質が定着した馬か、最後までジリジリと脚を伸ばせるタイプを狙いたいところ。



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