ばんえい2歳馬通信2024◎vol.3(10月12日号)ナナカマド賞展望
今年最初の2歳重賞であるナナカマド賞は10月13日11R、20:00発走。前日の時点で天気予報は晴れ。今週は第1障害下りから第1障害・第2障害中間の砂の入れ替えと第2障害後からゴールにかけてのロータリーハローがけが入っており、前開催の馬場状態の違いも考慮したいところ。
出走馬一覧
前開催でA-1を勝ったキョウエイカスミ、出走登録のあったマツサンブラックなどが回避し、牡馬8頭、牝馬2頭のレースになった。
斤量はキョウエイエースのみ+10kgで、その他は牡馬570kg、牝馬550kg。前走から+25kgがスーパーシン、+35kgがキョウエイエースとなる以外は+30kg。
レース成績はキョウエイエースとスーパーシンが4勝、サッコ、ウンカイマジック、スタージャガーが3勝と続く。
前走からの騎手乗り替わりはウンカイマジック、アルイテイコウ、アグリホープ、ヤマノドラゴン、シンザンパワー。シンザンパワー以外は過去に騎乗歴があり。
多頭出しの厩舎は金田厩舎3頭(アバシリタカラコマ、ウンカイマジック、アグリホープ)、長部厩舎2頭(スーパーシン、シンザンパワー)。
各馬の特徴
①アバシリタカラコマ
アバシリサクラ(ナナカマド賞1着、ばんえい菊花賞・クインカップ3着)の半弟。唯一の1勝馬であるものの、ずっとA-1で上位を続けており実力は上位。前向きな気持ちが強みにも弱みにもなる馬だが、青雲賞の時のようにキツくなったときに最後まで頑張れるのは高斤量戦にも向いていそう。
②サッコ
トワイチロ(ヤングチャンピオンシップ・イレネー記念・ばんえい大賞典2着)の半妹で、能力検査のころから超前向きな気性が印象的。レースも障害を下ろしてからの切れ味が持ち味で、白菊賞で見せた末脚のインパクト大。今回もしっかり脚を溜めて、目の覚める末脚を期待したい。
③ウンカイマジック
今年注目の新種牡馬コウシュハウンカイの牝馬。能力検査ではかなり溜めて乗られるなど、課題もありそうだったが、デビュー後は順調な成長曲線を描いてきた。レースは障害下ろして長く良い脚を使うタイプで、前走のように周りが苦しくなる残り20mあたりからの粘りが強みになりそう。
④アルイテイコウ
こちらもコウシュハウンカイ産駒で、能力検査から優等生な走りが印象的だった馬。夏場は少し調子を落としていた印象があるが、前走はしっかり先行し、下ろしてからも弾むようなフットワークを見せ復調を印象づけた。デビューから手綱を取っていた鈴木Jに戻るのも心強い。
⑤スタージャガー
能力検査の目を引く走りからデビュー3連勝を決めて、大きな注目を集めてきた馬。その後も堅実な走りで崩れていない。前走のようにしっかり先行してレースを作れるのが強みで、持ち時計も上位。高斤量戦となり、他馬の末脚が鈍るところを持ち前の先行力で押し切りたい。
⑥スーパーシン
デビュー前から2歳馬らしからぬ馬体が話題になっていた馬。力の違いを見せつけるようなレースも多く、世代を代表する1頭なのは間違いない。所々に気性の若さもあり、高斤量戦での戦い方には難しさもあるかもしれないが、能力の高さでぶっちぎる可能性も。
⑦アグリホープ
前向きな気性、スピードのある走りなど、レットダイヤ産駒の良いところが出ている馬。能力検査やデビュー後は気持ちが乗りすぎて崩れることもあったが、秋に入って気持ちと馬体が合ってきた印象。今回は枠順の並びも良く両脇の馬にしっかり付いてレースを進めたい。
⑧キョウエイエース
この世代の中ではもっとも安定感のある走りをする馬で、前哨戦の青雲賞では一枚上の強さを見せた。運動神経の良さそうな身のこなしで、テン良し、障害良し、末良しで欠点が少ない。ハンデの+10kgがどのくらい響くかがカギとなりそうだが、半兄のキョウエイリュウに続いて兄弟制覇なるか。
⑨ヤマノドラゴン
フジダイビクトリー産駒からはこの馬。能力検査はキョウエイエースと同じレースを走り、最後は差し返すなどポテンシャルの高さを示していた。新馬勝ち後は少しペースに戸惑っていた印象だが、夏を越えてしっかり先行できるようになっており、好位から粘り込みを狙いたい。
⑩シンザンパワー
現役2頭のアースパワー産駒のうちの1頭。ド派手なルックスと元気な気性が印象的だったが、夏ごろまでは少し障害に苦労した場面も。しかし前走は障害を安定して上手に越えるなど成長が伺える走り。下ろしてからの末脚は上位のものがあり、障害がスムーズなら上位進出も。
レース展開は?
枠の並びを考えると、スタージャガー、スーパーシン、アグリホープ、キョウエイエースの4頭がまとまって早いペースをつくる展開になりそう。早い展開になった時には、障害に安定感のあるスタージャガー、キョウエイエースあたりが有利にはなりそうだが、高斤量・ハンデ差なども考慮しながら馬券は組み立てたい。基本的には先行有利であるものの、穴にはこの4頭が競り合って消耗してしまったときに、後から突っ込む脚のある馬。ホクセイポルシェの勝った昨年やアバシリサクラの勝った2020年などは差し馬が馬券に絡んで高配当。
Maybelleの予想と買い目
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