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Maybelleのばんえい2歳馬(明け3歳馬)通信 2024-03-15(イレネー記念特別号)


ヤングチャンピオンシップからの勢力図の変化

年末頃から安定したレース振りを見せるライジンサンが、ヤングチャンピオンシップ・翔雲賞と重賞を連勝。牝馬は、ここまで牝馬戦線を引っ張ってきたスマイルカナが黒ユリ賞を勝利と、実力馬がしっかり力を発揮できるようになってきた印象。また、年明けからの好調ぶりが目立つコトブキテンザンが連勝を決めてイレネー記念に駒を進めてきた。
一方で、ヤングチャンピオンシップまでは先行馬揃いで縦長のレースになることも多かったが、翔雲賞ではメンバーが少し入れ替わり、横一線でレースが進む展開に。今回のイレネー記念もレースを積極的に引っ張る馬は少なめで、前半からの騎手の駆け引きにも注目したいところ。

天気と馬場

天気予報を見ると、今週は週中に軽い雪はあったようだが量は少なく馬場への影響は限定的。金曜のレースは馬場水分量1.5~1.7%程度で進み、砂煙が舞っていたが、明け3歳馬のレースのタイムはわりと早め。前も残るし差しも決まるといった傾向のつかみにくい状態だった。金曜夜には若干雪の予報があるものの、土曜日は晴れ予報で金曜と同じぐらいの馬場状態が継続しそう。

出走馬短評

①ライジンサン 690kg 鈴木J

ヤングチャンピオンシップを勝利して休養を挟み、休み明けぶっつけとなった翔雲賞の走りは後半の伸びが素晴らしく、最後もあきらめることなく強い競馬をした。ここ最近は端枠でのレース経験が少なく、若干気にはなるものの、年末からの充実ぶりを考えれば、当然ここでも主役の一頭。

②コトブキテンザン 690kg 西将J

年明け頃から走りの能力と気持ちが上手くかみ合い、軽快な走りを見せるようになってきた。前向きな気性でスタートも上手いため、しっかり先行できるのも強み。課題のあった障害もここ2戦はすんなり上げることができている。重たい斤量で未知数の部分はあるが、ここ最近の上昇度は一番。

③ミチシオ 690kg 中山J

出走馬で最多の8勝をマークする実力馬。秋から冬にかけては前半の位置取りがやや後になることが続き、末を伸ばしても前に届かないこともあった。ただ、斤量増でペースが遅くなるのはこの馬に取っては好都合で、登坂力も高いことから、遅れずに第2障害を越えられればチャンスは大きい。

④ウルトラコタロウ 690kg 藤本J

ここまで十勝産駒特別や重賞競走など、斤量が重くなるレースで粘りを発揮する走りを見せており、当然、イレネー記念も適性が高そうな馬。前半もスッと好位置を取れる出足の良さもあり、先に進めて最後みんなが苦しくなるような展開に持ち込んで粘り込むのが理想の展開か。

⑤ホクセイハリアー 690kg 渡来J

デビューからほぼAクラスを走り切り、着実に力を付けてきた。特に安定して先行できる脚は大きな強みで、翔雲賞では残り20m付近まで先頭を守って最後まで粘りを見せていた。先行しそうな馬と隣り合っており、どのようにリードをつくっていくかカギになりそう。

⑥ショータイム 690kg 長澤J

デビュー当初から大きな馬体で高い能力を持っていたが、やや出足が遅れるところがあり勝ちきれないレースも。ただ、この馬の良さは第2障害を越えてから長く良い脚を使えるところ。特に他馬が苦しくなるような重い馬場でのレースでの走りが光った。イレネー斤量なら強み生きる。

⑦フレイムファースト 690kg 島津J

南北海道産駒特別・ヤングチャンピオンシップでは、重い斤量に苦労する馬が多いなか、最後までじわりと脚を伸ばす粘り強さを見せた。出走馬の中では小柄な1頭になるが、どちらかというとパワー勝負のレースの方が向いていそう。最後にじわっ前を捉えられる位置で競馬をしたい。

⑧アヤノダイマオー 690kg 赤塚J

好位追走+末脚伸びるの両面が可能な自在タイプの優等生だが、年末頃から端枠が続き第2障害に苦労する場面も。ただし、前走ではかなり立て直してきており、今回8コースに入ったのは安心材料。重い斤量でも末脚を使える馬なだけに、離されない位置で山を越えたい。

⑨スマイルカナ 670kg 西謙J

ここまでA-1牡馬をバッタバッタと倒して勝ち上がってきた世代最強牝馬。この馬の魅力はやはり切れ味鋭い末脚。特に第2障害の下り坂の勢いそのままにキャンターを踏む姿は見ている方もワクワクする。瞬発力勝負になれば牡馬相手でも互角以上のレースできるはず。

⑩ホクセイポルシェ 690kg 藤野J

ナナカマド賞では圧倒的な強さを見せたが、その後、調子を落としてしまったようで復活が待たれる馬。前走の翔雲賞では前向きな気持ちが垣間見え、走りへの意欲は失われていない。あとは第2障害をスムーズに越えられるかがカギだが、重い斤量でペースが落ちるのは好都合か。

展望

翔雲賞と同様に、先手を取りたいホクセイハリアー、ウルトラコタロウに、出足の良いコトブキテンザンがついていくような展開か。ただ斤量もあり後を大きく離していくイメージはなく、馬群は固まって進みそう。障害巧者はライジンサン、ミチシオ、ウルトラコタロウ、ショータイムあたりだが、今年の馬場状態を考えると、昨年のイレネー記念と同様、第2障害を降ろしてから息が入る可能性は高く、障害を一腰で切れなくても、落ち着いて立て直せるタイプなら対応できそう。

なお、前日(3/15)の馬場水分量は1.5~1.7%、Aクラス(8R)の勝ちタイムは1:34.0(1.5%)。昨年のイレネー記念前日のA-2が1:35.2(1.9%)だったことを考えると、馬場状態はわりと近いのかも。先日の翔雲賞の勝ち時計が1:49.3(1.7%、斤量660kg、ライジンサン)であったことも踏まえると、昨年のイレネー記念(2:10.7、1.5%、斤量690kg、アシュラダイマオー)と同じくらいの勝ち時計になるのでは。

Maybelleのイレネー記念注目馬

◎ライジンサン
○ミチシオ
▲ショータイム
△ウルトラコタロウ
△コトブキテンザン


ヤングチャンピオンシップ勝ち後、休養明けの翔雲賞での強さ・安定感が目立ったライジンサンを本命に。ミチシオは脚質もあって重賞ではあと一歩も出走馬最多の8勝マークの実力馬だけに、本命とかなり近い対抗とした。▲は第2障害越えてからジワッと伸びるショータイム。ウルトラコタロウは先行して最後まで粘る脚質で、重い斤量でも崩れない安定感が光る。上がり馬筆頭のコトブキテンザンは勢いがあり、障害さえミスなく越えれば上位を脅かす存在。

期末の御挨拶

今期もMaybelleのばんえい2歳馬通信にお付き合いくださり、ありがとうございました。
重たい馬場・斤量増で始まった能力検査から、混戦模様が続いたシーズンでしたが、今期もたくさんの成長を目にすることができ、とても楽しいばんえい2歳馬ライフを送ることができました。頑張って走ってくれた2歳っ子、そして大事に育ててくださった厩舎関係者の皆さん、主催者の皆さん、X上でワイワイと一緒に観戦してくださった皆さん、ばんえい競馬にかかわるすべての方に大感謝です!

今期のMaybelleのばんえい2歳馬通信はこれが最後となります。来期の予定はまだ未定ながら、なんらかのかたちで2歳馬の活躍を発信できれば良いなと思っています。

(おまけ)イレネー記念・ばんえい記念はMaybelle現地観戦!

MaybelleのXやnoteのアイコンで使用している馬のブローチを付けている人物を見かけたら、ぜひお声がけくださいね!(3/17 6R 若草特別の妄想をお配りします)

ヘッチャラくん


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