誰よりも優しいパンク、マンチェスタースクール≡
マンチェスタースクールを知ったのはいつだろうか。正直なところ時期はあまり覚えていない。
確かきっかけはTwitterだった。
一時期「Fugazi」っていう海外のポストハードコアバンドにハマっていまして。Twitterでなんとなしにそれを検索にかけてみた。
そしたら、彼らの曲の歌詞の一節を紹介するツイートが出てきた。
”音飛びする、フガジのレコード”
なんじゃこりゃ 。当時の私はその奇妙な歌詞に惹かれて、思わず一緒に付いていたYouTubeのリンクを踏んだ。
「アルツ&ハイマー」
ああそうゆうことか。私は、曲名を見た途端その歌詞をなんとなく理解すると共に、更にそのバンドに興味が湧いてきた。
アルツハイマーの症状を”音飛びするフガジのレコード”と形容できるなんて、どんだけセンスが良いんだよ。
こんなハイセンスなバンド見つけた私を褒めてやりたい、そう思いながら曲を再生した。
何だこの曲、、、
思わず泣きそうになるくらいノスタルジックだった。速いし激しいんだけど、暖かい。
てか、初っ端のギターリフが良すぎてすぐに好きになってしまった。演奏は全体的にパンクチックだけど、メロディはとてもキャッチーで柔らかい。
そしてなにより、歌詞が本当に良い。特に
”僕のこと忘れてもいいんだよ。
それで初めて会ったあの日をもう一度”
この一節が切なすぎて、私は本当に泣きそうになった。もう亡くなってしまったが、私のひいばあちゃんが認知症を患っていて。なんかそういうことを色々と思い出してしまって、私は心が締め付けられた。
後に知った話によると、これはボーカルの人がおばあちゃんに向けて書いた曲だという。
それを知って私は、「あぁ…」と声にならぬ声を思わず漏らした。彼のことを考えてしまい、感情移入せざるを得なかった。
激しい曲に載せた、この切なすぎる歌詞。でもこれは決してネガティブでも暗い切なさでもない。
初めてあったあの日をもう一度
この歌詞に込められている、強い意志。それはおばあちゃんへの愛であり、優しさなのだろう。
そういった”切ない明るさ”をこの曲は持ち合わせており、それに惹かれた私は一気にファンになった。
エモいとかそう言う言葉じゃ片付けられない、本能的かつ、潜在的な切なさ、そういったエモーショナルをこのバンドに引き出された気がした。
そしてこのバンドは本当に優しい。
色々な曲や、ライブ映像を見て思った。人が良いとかそうゆう事じゃなく、とにかく曲も歌詞も何もかも優しいバンドなのだ。
このバンドはすべてを許して、受け入れてくれる。そんな気がした。
彼らの、激しさの中にある優しさは、誰よりも強く潜んでいた。
しかし、決してそれはミスマッチではなく、彼らにしか出来ない組み合わせであると思う。
誰よりも優しく激しいこのバンドは、今後大きく活躍していくだろう。
P.S.
バンド名の最後に付く『≡』を打つのに時間がかかるので、これの名前を教えて欲しい。
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