阪神タイガースという、芸能
阪神タイガースは阪神電気鉄道(現・阪急阪神ホールディングス・グループ)の、主要子会社である。ところが「阪神タイガースの方がむしろ、親会社。阪神電鉄は、阪神タイガースで持っている」という見方がある。それだけ現場が強力なのだ。
私はかつて、阪神タイガースの仕事をしたことがある。その時の取材ノートに次の通りのメモがある(厳密な日付があるが、そこは非公開。15年以上経っているので内容は時効だろう)。
・ユニフォームデザインについては、現場主導型でフロントのコントロール外。
・出入りのスポーツ用品メーカーの自主提案に頼っているのが現状。
・現場長の監督の一言で簡単に変わってしまう(例:両目のトラ)。
・将来的には、フロントのコントロールとすべきだと思う。
・グッズデザインについても、在庫負担回避から、メーカーの自主提案に頼り切っている。
他球団では考えられないことだろうが、フロントが知らない間にデザインが決まる。販売グッズに関しては当然ながら売上はフロント管理だろうが、採用権が監督にあったので恐らくは、監督へのキックバックなども存在したろう。
これはつまり「阪神タイガースは、芸能」であるということだ。
かつて芝居の興行はチケット売上を、小屋主、興行主(現在は「イベンター」と呼ぶ)、座長が目の前で3当分し、それを山分けした後で幕を上げた、という。阪神タイガースの場合、その座長が監督、ということだったのか。
ちなみに、アップした画像「両目のトラ」は、70周年用(2005年)。私が取材したのは、その数年前である。