復興支援先遣隊
知人が、定年まで数年を遺し、早期退職した。
311。彼は、ある大企業の総務系に所属し、震災復興の先遣隊として現地に赴いた。先遣隊とは、復興後のインフラ整備を目的とした企業の自主的活動だが、その実は、無報酬の政府業務だった。
知人は、放射線値の高い被災地で放射線量などを測量し、環境省に提出した。が、その値を見て「測定方法が間違っている。測り直せ」と、受け付けられないことがあった、という。
復興インフラの整備とは言え、復興庁や環境省の予算は限られているし、国民に監視されている。その裏には、日本の官庁では最大の予算規模を持つ、厚労省の随意発注が約束されていたという。
知人は、3月末で退職したが当分は再就職しないそうだ。ところが、その企業を離れても、総務省のアドバイザーとしての嘱託は続くそうだ。
被災地で見聞きしたことは、決して漏泄するな、ということだろう。