「世界を救うパンの缶詰」を読んで
こんにちは、エニシダです。
今回は、「世界を救うパンの缶詰」という本の要約と感想を書きます。
知り合いにこの本を勧められ、手に取りました。
パッと見た感じ、小学校高学年の読書課題に読みそうな本だな~と思いましたが、めちゃくちゃ面白い内容でした!
これは、パン・アキモトの「パンの缶詰」が、世界中で評価されるまでの物語である。(アニメOP風)
社会性のふりかけ
阪神淡路大震災の時、パン・アキモトの店主の秋元さんは、自分で作ったパンを自ら震災地に届けました。
しかし、被災者がパンを食べるまでに傷んでしまって、半分以上食べられなかったそう。
そこで秋元さんは、非常食として長期保存できる「パンの缶詰」の開発を始めたそうです。
ちなみに保存食で有名な「乾パン」はクラッカーみたいに硬くて、子供や歯が悪いお年寄りには食べにくいんだよね。
一方、秋元さんが作ったこの缶詰のパンは、中身がふわふわのパン!
そして賞味期限は3年。
さらに改良を重ねて現在は5年になっている。(2024年4月30日 公式HPより)
そんなすごい缶詰ですが、開発当初は全く売れなかったそうです。
広告にかけるお金もなく、困っていたそうです。
そんな時に秋元さんが取った対策が「社会性のふりかけること」だそうです!
秋元さんは9/1 防災の日、地元の市役所にパンの缶詰を500缶寄付しました。
「贈呈式を行いますので、皆さんぜひ来てください」と知り合いに呼びかけました。
「このパンは被災者の声から生まれた新しい備蓄食です」と伝えたら、テレビや新聞が興味をもって、すぐに取材に来てくれたんだって。
これで、NHKから国際NEWSにまで取り上げられて、シンガポールから電話まで掛かってきたんやって!
いや、すごすぎ!
筆者はこれを「社会性のふりかけ」と言うんやって。
「社会性のふりかけ」。いい表現ですよね。
広告を使わず、新聞やNEWSに取り上げてもらうにはどうすればいいか?
それを考えたら、社会とのつながりを感じさせることをする。
そのために、防災の日に合わせて、「阪神淡路大震災の被災者の声から生まれた製品」として寄付しました。
めちゃくちゃ上手ですよね。
この発想は他にも活かせそうだなと思いました。
非常食で世界を救う「救缶鳥プロジェクト」
次に救缶鳥プロジェクトについて、書いていきます。
結論から言うと、救缶鳥プロジェクトとは、賞味期限の近いパンを有効活用し、社会貢献とリピーター増加を両立させる画期的な取り組みです。
具体的な話に移ります。
パンの缶詰の知名度が出てきたら、今度は別の問題が起こりました。
パンの缶詰は個人だけでなく、企業や学校から備蓄食として大口の注文が入るようになりました。
ある日、市役所から以下のような問い合わせがあったそうです。
市役所『すいません、賞味期限が近いので、新しい缶詰と交換したいです』
市役所『古い缶詰を処分してくれませんか?』
秋元さん(の内心)「処分?処分ってなんやねん。」
秋元さん「ほんでいくつやねん?」
市役所『5,000個~』
秋元さん「5,000個?!」
秋元さん「いや、自分で食べて処分しーや」
市役所『税金で購入したものを勝手に食べるわけにはできません!』
んー何というか・・・頭の固いお役所やなと思いますが、
確かにこの「賞味期限問題」は一理ありますね。
災害が起きないのは良いことだが、賞味期限が切れたらその度に捨てないといけないのは困りますよね。
処分するのもお金がかかるし、何よりもったいない。
そんなときに思いついたが、「救缶鳥プロジェクト」です。
要は今すぐ必要としている人に渡そうということです。
きっかけは、2004年のインドネシアのスマトラ島沖の地震の時だそうです。
食料がなくパンの缶詰の要望があったが、店に新品の在庫がなかった。
その時は中古の缶詰を集めて、何とか送ることができたそうです。
そこで閃いたそうです。
缶詰の賞味期限が残り1年のタイミングで、缶を回収する代わりに新しい缶詰を安く買ってもらいます。
期限が近い缶詰は、海外の食料に困ってる人宛てに寄付します。
ポイントは今すぐ必要としている人の元へ届けることです。
こうすることで社会貢献ができ、同時に商品購入のリピーターも増やすことができます。
みんなが得するシステム・・・天才ですね!
これこそまさに、SDGsですね。
持続可能な社会を作るためのビジネスモデルです。
素晴らしいなと思いました。
まとめ
「世界を救うパンの缶詰」の物語は、単なる非常食の開発を超えた、社会貢献とビジネスの革新を描いています。
秋元さんが開発したパンの缶詰は、社会性のふりかけによってメディアから注目を集め、世界中からの支持を得ることに成功した。
また、賞味期限が迫った商品を海外の食糧危機に直面している人々へ寄付する活動にまでつなげ、持続可能な社会への貢献を実現しました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
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