【会津地域で活躍する人・団体レポート⑤】地域おこし協力隊斎藤さんがチャレンジする、日常を生む空き家活用のための拠点「未日常」
磐梯町では、地域の空き家の情報を掘り起こし、移住希望者や活用したい人につなぐ「空き家の相談員」の地域起こし協力隊がいます。
磐梯町は2020年度に空き家バンクを整備したものの、2020年度紹介できる物件として登録されているものは0件でした。
磐梯町には、自然環境や子育て支援策の充実などに魅力を感じ、県内外からの移住の相談者が年々増えています。しかし町内には借家や賃貸物件がほとんどなく、移住したくても物件がないので諦める、というケースが発生していました。そこで、磐梯町では空き家所有者の相談を受けて、移住希望者や活用希望者に空き家をマッチングするコーディネーターを配置するべく、地域起こし協力隊を募集。手を挙げてくれたのが、隣の会津若松市で空き家活用事業に取り組んでいた斎藤さんです。
昨年の4月に着任してから約1年で、空き家の情報を発信する「ふもと不動産」や、町の中心部の空き家を活用した空き家相談所「ばんだいナンデモ交流拠点"未日常”」の開設など、様々なプロジェクトを立ち上げています。
▶︎山のふもとのちょっと変わった不動産紹介「ふもと不動産」
ふもと不動産は、磐梯町のちょっと変わった不動産や使い方を発見し、紹介していくウェブサイトです。
誰かにとって、”手放したい”と思うような建物が誰かにとって、”使いたい”と心躍ることだってあります。大事なことは、その建物を知ってもらえること、知れることです。
田舎の空き家は権利関係や境界など、不動産流通させるために整理すべき課題が多く、それを整理している間に時間が経ってしまうこと、空き家バンクに登録できないことなども発生しています。一般的な不動産ではなかなか評価できないようなちょっと変わった物件でも、視点を変えればかけがえの無い愛らしい個性と魅力を持った物件に捉えることも、そうした物件に惹かれる方もいます。アイデア次第でより良く住み、これからに繋いでいく。「ふもと不動産」はそんなワクワクする暮らし方を積極的に紹介していくサイトです。
物件の紹介はまさにこれからになりますが、日々そんな建物をふもとの町並みから切り取って、磐梯町ならではの魅力を持った物件をご紹介する、ちょっと変わった新しい不動産のメディアとして発信していくので、ぜひこちらのnoteもフォローしていただけると嬉しいです!
https://note.com/fumoto_fudosan/n/n383ca088ea6d
▶︎「ばんだいナンデモ交流拠点"未日常”」
ワクワクするような物件を紹介するメディアも大事ですが、町民のみなさんに具体的に「活用」のイメージを掴んでいただくことも大切です。協力隊の斎藤さんは、空き家を活用して、住民が空き家について相談することもできる「ばんだいナンデモ交流拠点"未日常”」を立ち上げました。
この物件は約築50年。元々は自転車店だった物件です。これまでの経験も活かし、DIYイベントを開いて地域のみなさんと場所を整備したかったそうですが、コロナの影響でイベントができず、コツコツご自身でDIYを行なっています。まずは土間部分を整理し、「空き家の相談」ができるスペースを、今は1階を地域の人も使えるコミュニティスペースにするため、壁に漆喰を塗ったり、床張りをしたりしています。来年度は2階のスペースをお試し住宅にするべく、構想を考えているそうです。
相談所の名前「未日常」は「いつか空き家の活用が町の日常になってほしい」という思いから付けられました。地域の人も、移住したい人も、自分の目的でこの場所を利用しながら交流できる場所として、徐々に変わっていく空き家の様子を感じることができます。
交流拠点づくりや空き家活用等に関心のある方は、ぜひ"未日常”に訪れ、斎藤さんと磐梯町の空き家活用のこれからについて考えてみませんか?
参考リンク